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レクサスLCのメカニズムを徹底解説!


LCの走りのコンセプトである「より鋭く、より優雅に」を実現するため、


その開発にあっては、今までの工程ではありえない異例な体制が敷かれた。


各部門の垣根を超えて協力し合うことで、LCにとってふさわしい性能が追求されたのだ。

自然なポジションをとりやすい運転席

ステアリングもペダル類もドライバーに正対しており、自然なドライビングポジションが取れる。シートスライドをペダル基準で合わせても、腕が伸び切らずに操舵しやすい。シートは腰のホールドが絶妙だ。

妥協なく追求した慣性諸元

V8エンジンを縦置き搭載する正統派スポーツカーパッケージ。左右がほぼ対称となるため、重量バランスも良さそうだ。低フード化と歩行者保護性能を両立させるため、ボンネットにはポップアップ機構を採用する。

HV仕様は、リチウムイオン電池をキャビンとラゲッジの間に搭載。エンジンもV8より軽いV6なので、前後重量配分はガソリン車より1%ほど後ろ寄り。スペアタイヤ搭載スペースがないため、リヤまわりがコンパクトだ。

エンジン重心をフロントアクスルより後ろに設定した“フロントミッドシップ”レイアウトを採用。アクセルペダルの位置も、車両の基準座標に対し、通常の設計より80㎜後方に設定しており、ドライバーのヒップポイントはホイールベースのほぼ中央にある。フロントオーバーハングを小さくするため、前輪の位置を前に移動している。

世界に通用する性能と技術が投入された新骨格

重心から遠いところにある部品を軽量素材に置換することで、ヨー慣性モーメントを低減。たとえばドアだけで、約22㎏の軽量化を達成している。ドアのインナーとアウターはボルト締結とし、分解可能にすることで、サービスホールを廃止。側面衝突時の安全性や、オーディオ用スピーカーの音響特性向上にもつながっている。

剛性を高めるブレースバー

サスペンションタワーはその前後をブレースバーで支えられており、倒れ剛性を向上。途中から追加されたものではないため、曲げることなく配置できている(HVの1本を除く)。結合されるカウルアッパー側にも、補強構造が見られる。

強固なクロスメンバー

ボディをトランクリッド側から覗くと、サスペンションメンバーの取り付け点に、極太のクロスメンバーが2本、通されているのが見える。前側にはV型にビードの入った隔壁があり、リヤサスまわりをガッチリと固めている。

新開発されたFRプラットフォーム

今後のFR系レクサス車に展開される予定のGA-Lプラットフォーム第一号がLC。各部の剛性値は、旧プラットフォームの約2倍に向上した。微細なチューニングで動的捩りの際も、ボディ全体が均一に捩じれるようバランスが取られている。

計算し尽くされた衝撃吸収構造

前面衝突試験後もキャビンはまったく変形しておらず、ドアも普通に開けることができる。スモールオフセット衝突の荷重を的確にサイドメンバーに伝達できるよう、前端に三角形のガセット(濃い青色)が追加されている。

V8エンジン可変エキゾーストシステム

サイレンサーの入り口が二重管になっており、内側パイプはサイレンサーを素通りするように配置。内側パイプに設定されたバタフライバルブを開閉することで、静かで優雅な走りと、鋭く響くエキゾーストノートを両立させる。

サウンドチューニング

高回転域で爽快な吸気音が響くのは、このサウンドジェネレーターのおかげ。聞かせたい周波数に合わせて、管長と容積をチューニングしている。より効果的に働かせるよう、できるだけ曲げずに通すのに苦労したそうだ。

VVTi-E

V8の吸気側のVVTには、電動式を採用。油圧が上がらない始動時や、油温が低く応答性が悪い冷間時から作動させることができる。偏芯シャフトと内接歯車を組み合わせたサイクロイド減速機構を利用して、カムスプロケットとカムシャフトの位相を変える。

V8エンジンシリンダーヘッド

吸排気バルブにはチタン合金を採用。比重が耐熱鋼の60%弱と軽量なため、高回転域での追従性に優れ、最高出力発生回転数は7100rpmに達する。動弁系の構造はV6の8GR-FXSとよく似ており、バルブ挟み角も同じだ。

Direct Shift-10AT

10速ATはアイシンAWとの共同開発。3組のプラネタリーギヤを、2組の多板クラッチと4組の多板ブレーキで制御する。複数段まとめて減速する場合でも、トルクフローが途切れないよう、中間のギヤも適宜掴み替えするなど、緻密な制御を行なっている。

コンパクトにまとまったV6のVVTi

こちらは吸排気ともに油圧式だが、カムスプロケットの締結ボルトを中空にし、内部にスプールバルブを入れた無駄のない設計。大きくなりがちなヘッドまわりを、コンパクトにまとめている。

浄化性能を高めたタンデム触媒

8GR型は燃費特化型のハイブリッドでは使用しなかったエンジン負荷領域を使用するようになったため、排ガス触媒の性能もアップデート。タンデム触媒をエンジン近傍に配置する。下流側の触媒は、中心部のセルを密にしたFLAD基材を使用。

クランク締結力強化による剛性向上

クランクシャフトは鍛造製の4ジャーナル5カウンターウェイト式。ベアリングキャップの締結は、V8と同じクロスボルト方式を採用。クランクシャフトの暴れを抑えると同時に、ブロックの剛性も高めて低振動化を図る。

シリンダーヘッド一体型EXマニフォールド

エキゾーストマニフォールドはシリンダーヘッドと一体鋳造。マニフォールド周囲に冷却水を回し、冷間時には水温上昇を早めると同時に、高負荷時には排気温度を下げ、触媒の熔損を防ぐ。

V6エンジンブロックの冷却強化

シリンダーブロックはアルミダイキャスト製法のサイアミーズ型。ボア間にドリルパッセージを設けて冷却水を流し、全周を冷却することで、ボア変形によるフリクションの増加を抑制する。

駆動用主電池

走行用バッテリーには、リチウムイオン電池を採用。ニッケル水素式と比べて、容積で20%、重量で約34㎏軽量化を行なっている。電圧3.7Vのセルを84個直列につなぎ、310.8Vを得る。

自動変速機構のギヤレシオ表

1及び2速は減速段として、トルクを増幅すると同時に、出力軸の回転数を上げて、エンジン回転を最高出力領域まで引き上げる。4速は増速段として、高速域での燃費と静粛性を向上させる。

解決された従来システムの課題

トヨタ式HVシステムは、発電機とエンジン、出力軸の回転数が上図のような関係で動く。エンジン回転数を上げると、それ以上に発電機の回転数が高まってしまうから、低速域では最高出力発生回転数まで上げられないのだ。

フロントサスペンション

上下ともウイッシュボーン(鳥の胸骨)型リンクを2分割して仮想キングピン軸を形成するマルチリンク式サスを採用。アッパーアームを高い位置にマウントすることで、支持剛性を高めながら低いボンネット高も実現している。

リヤサスペンション

リヤサスは5本のリンクがホイール内に収まる“インホイール型”のマルチリンク方式。トーコントロールリンクはアクスルの後ろ側に付く。LDH装着車は、トーコントロールリンクを電動アクチュエーターで押し引きする4WSシステムを採用する。

さらに進化したフロントサスのアッパーアーム

ダブルウイッシュボーンのA型リンクをIアーム2本に分割すると、その仮想交点が転舵軸(キングピン軸)となるため、Aアームでは不可能な位置にキングピン軸を設定することができる。一方で、制動力や操舵反力でパンタグラフ変形し、交点が移動する。その動き量は、ボールジョイント間の距離が大きいほど大きくなる。GA-Lプラットフォームのフロントサスは、ボールジョイントを上下にずらすことで、この間隔を狭くしている。

タイヤ

全グレードにランフラットタイヤを採用。ランフラットタイヤは「乗り心地が硬い」と言われてきたが、ランフラット走行時の放熱性を高め、より耐久性の高い材料を使用することで、補強を最小限に抑制。乗り心地性能をコンフォートタイヤに近づけながら、スポーツタイヤに近い横剛性の確保を図った。

アルミホイール

20インチと21インチの2種類があり、さらに20インチは鍛造と鋳造の2種類を用意。あえて鋳造もそろえているのは、リム部にレゾネーター(共鳴音を消音する空洞)を設けるため。より静かな走りを求める向きは、オプションの鋳造ホイールを選択すべきだ。


モーターファン別冊ニューモデル速報 No.552 レクサスLCのすべて

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