いよいよ国産車にもダウンサイジング・ターボエンジンが搭載される例が増えてきた。そこで注目が集まっているのがターボチャージャーと、その関連ユニットである。そんな背景もあり、今回の展示会でも多くのメーカーがターボチャージャーを出品していた。
●TEXT&PHOTO:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro)
ここで紹介するのは、アメリカのボーグ・ワーナーの「第6世代 VTG」。2014年に発売が開始されて以来、世界中で多くのディーゼルエンジンに採用されて好評を博している第6世代をベースに、ガソリンエンジン用、特に高効率ミラーサイクルガソリンエンジンに最適なソリューションとなるよう開発された。
VTGとはVariable Turbine Geometryの略であり、可変容量タービンのこと。この可変機構のキモとなるカートリッジを刷新している。前作の第5世代から構造そのものを変更。第5世代では分厚かったプレートが薄肉なプレートに変更されている。これにより大幅な軽量化を果たしている。2018年中には最大950℃の排気温度に対応する予定であり、更なる将来に向けて、1020℃と1050℃を定義・開発を開始する。既に国産完成車メーカーにも採用されている同社製品が、更に商品力を高めている。
ターボ関連商品として同社ブースに展示されていた「eBooster」も興味深い。ガソリンおよびディーゼルエンジン向けの電動コンプレッサーである。モーターとコンプレッサーの間に基盤が装備されており、コンパクトに仕上げられている。本製品は電動ターボチャージャーとは異なり、二つのターボ機器が直列に接続される2ステージ過給システムだ。ターボチャージャーと併用した場合、最大トルクまでの到達時間が2.5秒短縮され、最大トルクは50%以上の向上が可能だという。現在第2世代が開発中であり、より継続的な作動が可能となるうえ、出力向上も見込まれる。