新型Aクラスはすでにプライベートカーシェアリングを見据えている。“Mercedes me”サービスによってこのコンパクトカーはオーナーの友人や家族とのシェアが可能になる。専用アプリによって簡単かつ安全にできるとのことだ。
「カーシェアリング」「シェアードモビリティ」と言ったワードは、現在の自動車開発で重要な要素となっている。ワールドプレミアされたばかりのメルセデス・ベンツ新型Aクラスも例外ではない。
車を所有するのではなく、共有する。ドイツカーシェアリング協会によると、ドイツ国内では約170万人がcar2goなどのカーシェアリングサービスに登録している。“Mercedes me”は従来のサービスからさらに拡大し、“Mercedes me”公式アプリによってメルセデス・ベンツAクラスオーナーたちが特定のユーザーとのカーシェアリングが可能になるサービスを開始すると発表した。登録を受けた友人や家族、同僚などが一定の時間車を予約できるとのことだ。
登録を受けたユーザーはスマートフォンのアプリから車を開けられるようになる。車の鍵は車内に保管されており、それでスタートできる。車の使用が終わり、元の場所に戻してアプリで鍵をかければシェアは終了。車内に保管してある鍵はカーシェア時のみ使用出来るようになっている。
デジタル“車両キー”がスマホに貼るステッカーに
車は近距離無線通信(NFC)によって離れた場所でも開けられるようになっている。新型AクラスはNFC機能が入ったステッカーがつく。これにより、NFC機能がないスマートフォンもデジタル車両キーが使用できる。
NFCとは、Near Field Communicationの略語。13.56MHzの周波数帯を使用した近距離無線通信規格をいう。身近な例で言えば、SUICAやPASMOで使われている通信技術(この場合はFeliCaという名称だ)がNFCだ。通信距離は、数センチから数十センチ程度。
Eクラスに初めて採用されて以来、デジタル車両キーはいくつかのモデルシリーズにオプション機能として追加が可能になっている。しかし、オーナーの全部のスマートフォンがNFC機能を有しているとは限らない。そこで、新型Aクラスではデジタル車両キーがステッカーとして’Mercedes me portal’から注文できるようになった。メルセデス・ベンツの代理店から発送されるこのシールにはマイクロコントローラーが内蔵されている。
これをNFC機能なしスマートフォンに貼れば同じようにタッチでドアを開け閉めでき、ロックやスタートもできる。車をスタートするにはこの専用ステッカーが貼られたスマートフォンをセンターコンソールのストレージトレイに置けばいい。ワイヤレス充電Qi機能つきのスマートフォンならここに置いてある時充電もできるとのことだ。
メルセデス・ベンツのNFC通信では暗号化され保護されたデータがスマートフォンやステッカーに内蔵されたチップと通信し、許可を得たユーザーのみ使用できるようになっている。