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三菱電機:世界で初めてSiCを適用したMMC型HVDC変換器セルの技術検証を実施


三菱電機は、世界で初めて、3.3kV SiC(炭化ケイ素)パワー半導体モジュールを適用したMMC型HVDC変換器セル(サブモジュール)の技術検証を実施し、変換器の大幅な電力損失低減と小型・軽量化を実現した。洋上風力発電における長距離・大容量送電を高効率化するとともに、設置面積の制約が大きい洋上プラットフォームへの設置などに貢献する。(2018年2月14日現在、三菱電機調べ)

MMCとはModular Multilevel Converterの略。変換器セルを多段に直列接続した構成の変換器。


HVDCはHigh Voltage Direct Currentの略、高電圧直流のこと。




近年、送配電システムにおいて、CO2削減要求による再生可能エネルギーの普及を背景に、交流送電よりもエネルギー損失が低く、長距離・大容量送電に適したHVDC送電の需要が拡大している。


直流送電には、既存の交流系統に接続して交流と直流を相互に変換する変換器が必要。現在、高電圧・大電力に対応するため、複数の変換器セルを直列接続したMMC型HVDC変換器の実用化が進んでいるが、送電の効率を良くするため、変換器自体のさらなる低損失化が求められている。


また、長距離・大容量送電が求められる洋上風力発電システムでは、HVDC変換器を設置する洋上プラットフォームの建設コスト削減のため、変換器の小型・軽量化が求められている。三菱電機は今回、世界で初めて3.3kV SiCパワー半導体モジュールを適用したMMC型HVDC変換器セルの技術検証を行い、低損失化と小型・軽量化を確認した。これにより、長距離大容量送電の高効率化と、変換器設置場所の省スペース化による設置コスト削減に貢献する。


なお、本研究の一部は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)「次世代パワーエレクトロニクス」(管理法人:(国研)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))によって実施された。




■1. 電力損失を50%低減し、長距離大容量送電の高効率化に貢献


世界で初めて、Siに比べて電力損失の低い33kV SiCパワー半導体モジュールをMMC型HVDC変換器セルに適用し、さらにモジュールを並列化することで、変換器セル内部の抵抗を抑えた。


並列化にあたっては、電磁界解析を用いて変換器セル内部の電流分布を可視化し、並列化したSiCパワー半導体モジュールに電流が均等に流れるように部品を配置することで、課題であったモジュール間の電流バランスを確保した。




■2. 変換器セルの小型・軽量化を実現し、設置コスト削減に貢献


大電力用変換器のスイッチング周波数を上げるほどコンデンサ容量が小さくなる傾向を利用して、コンデンサ容量を17%低減した。また電力の低損失化により、冷却装置の小型化を実現し、変換器セルの体積を21%、質量を14%減らした。


従来は、スイッチング周波数を上げると電力損失が増加するため、周波数を上げることができなかったが、今回SiCパワー半導体モジュール適用によりスイッチングに伴う電力損失を低減することで、スイッチング周波数の高速化を実現した。



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