広州モーターショーに展示してあったモデルで、CarStyling編集が「これはやられた!」と感じたクルマがあった。北京汽車のライト(LITE)である。
コンセプトカーかと思ったのだが、実はれっきとした量産モデルとして登場したのが北京汽車のライト(LITE)。2シーターでリヤタイヤを駆動するEV(電気自動車)なのだが、この割り切りのあるキュートさとともに、興味深い装備が注目を集めていた。
とりわけ注目はそのサイズ。スリーサイズは、L2986×W1676×H1492mm、ホイールベースは1870mmというコンパクトさ。全長は軽自動車より40cmほど短いが、全幅は20cmほど広い。というサイズの2シーターと考えると、2人がわりとゆったり乗れる感じは想像できるだろう。
EVで気になる最高速度は110km/h以上、航続距離はモード走行で150km、60km/h定値では200kmとされている。中国は自動車で別の県に移動するケースは稀で、実は1日あたりの走行距離は短いという。そうした日常の足としては不足のない走行距離だ。ちなみに充電時間は、交流でフル充電には6.5時間。直流の急速充電では30分で30〜80%の充電が可能という。
また室内に目を向ければ、全面がブラックパネルのワイド液晶表示が装備される。これはインテリジェントナビゲーション/ホログラフィックイメージシステムと呼ばれ、全面にさまざまな表示がなされる。実際にはドライバー側、センター、助手席側の3エリアにモニターが配されているのだが、全面をブラックパネル化することで、全面が液晶モニターのように感じられるものだ。
グレードは4種類。すべてのモデルにABS+EBD、PM2.5防塵フィルター、WiFiクライアント、音声認識システムなどの豊富な装備も魅力。
さらに、トップエンドのモデルにはフロント、リヤの文字などのコミュニケーションシステムや、アラウンドビューモニターなどが標準装備となる。
シートは、本革を含む主にシートバックカラーの異なる8種類がグレードにより選択可能。ホイールは4種類。ボディカラーは12星座の名前を冠したバリエーションから選択が可能となっている。
ここが十二支でなく12星座であることの理由はすぐにわかった。会場を見ていると、とにかく若い人たちが注目しているのだ。とりわけ女の子たちが、自発的に車に乗り込んでいる。
つまりは、もともとのコンセプトが中国のヤング層むけであり、中国らしさ
を廃してでも、若者の動向をリサーチして開発したモデルであるということだ。も早コピーではないどころか、車離れを嘆く日本とはレベルの違う車づくりをしている中国企業に驚くばかりだ。