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【連載】ポルシェ・カイエン 全解説①ボディ編《デザインストーリー動画あり》


ポルシェ初のSUVとデビューしてから今作で3代目となるカイエン。これまで通り、ポルシェ流の進化を遂げているのは言うまでもないが、今回の新型車はそれにも増してSUVにおけるパフォーマンス革命と言えるほどの内容を見せている。




REPORT◎山崎元裕(Motohiro YAMAZAKI)

2002年に誕生した初代モデル、そして2010年にデビューした第2世代に続く、新型ポルシェ・カイエンが発表された。8月末にポルシェが本社を置くツッフェンハウゼンで、まず「カイエン」と「カイエンS」をワールドプレミア。続いて9月のIAA=フランクフルト・ショーでは、さらに高性能な「カイエン・ターボ」をワールドプレミアし、まずはセールスをスタートさせるにあたってのラインアップを整えた。実際に試乗会でそのステアリングを握ることができるようになるには、まだ若干の時間が必要となるようだが、それに先立ってポルシェは、先日新型カイエンのテクニカル・ワークショップをドイツで開催した。今回のフルモデルチェンジで、カイエンはどれほどの進化を果たしたのか。そしてその進化を実現するための技術的なトピックスとは何なのか。さっそくその概要を解説していくことにしよう。

アダプティブ・ラジエーター・フラップのイメージCG

まずはそのボディから解説を始めよう。新型カイエンのエクステリアデザインは、ポルシェ伝統の作である911に共通する印象を強く感じさせる実にスタイリッシュンなものだ。もちろんエアロダイナミクスもさらに魅力的だが、それを実現するためのメカニズムとして特に注目されるのが、“アダプティブ・ラジエーター・フラップ”、とターボに標準装備となる“アダプティブ・ルーフ・スポイラー”という、ふたつの可変デバイスだ。前者は走行時のコンディションによって、フロントグリル、そしてその左右にレイアウトされるエアインテーク内側のフラップのオープン&クローズの制御を各々に独立して行うもの。ラジエーターやインタークーラーの冷却を必要としない場合には、フラップをクローズすることでドラッグを低減。エアロダイナミクスを最適化する。

アダプティブ・ルーフ・スポイラー(通常時)
アダプティブ・ルーフ・スポイラー(20㎜ライズアップ状態)


アダプティブ・ルーフ・スポイラーは、ポルシェによればSUVでは初の装備となるもので、車速が160km/h以上になると自動的に20㎜ライズアップするほか、ドライバーがスポーツプラス・モードを選択すれば40㎜、さらにパノラマ・ルーフをオープンした時には60㎜、170km/h以上の速度からフルブレーキングしたようなシチュエーションでは、80㎜ライズアップし、エアブレーキとしての機能も果たす。

3種類の素材を部位によって使い分けて造られるカイエンのハイブリッド構造。

構造面でも新型カイエンのボディにはトピックスが多い。まず注目できるのは、前方、中央、そして後方と3分割される構造のプラットフォームを含め、部位ごとに最適な素材と製法を使い分ける、いわゆるハイブリッド構造がさらに進化したこと。例えばアルミニウムだけでもシートアルミニウムのほかに、キャスティング成形によるものや、同様にスチールもコンベンショナルなものとホットフォーミング=高張力鋼板を効率的に使い分けることで、高剛性と軽量化をともに実現している。サイドパネルやルーフもアルミニウム製とされ、結果新型カイエンのホワイトボディの重量は、前作比で22kg軽い392kgに軽量化された。しかもアルミニウム素材の使用率は47%にも達している。ボンネットやテールゲート、そしてドアなどのハング・オン・パーツも前作比でトータル13.5kgの軽量化に成功。これらが燃費性能に象徴される高効率化に大きく貢献するのは当然だろう。




このハイブリッド構造のボディを製造するテクニックにも注目したい。ここまでに複雑な構造を持つボディを製造するには、もちろんそれなりのコストが要求されるが、ポルシェはここでも一切の妥協を許さなかった。それぞれのパーツを接合する技術だけを見ても、きわめて多種多様だ。新型カイエンのコアともいえるボディは、まさに飛躍的な進化を前作から遂げている。

Porsche Cayenne Turbo

【動画】新型カイエンのデザインストーリー(英語)

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