
ホンダ・グロム、カワサキZ125PROが席巻する125ccミッションのカテゴリーにおいて、最後発のスズキが投入したのは17インチホイールを履いた、いわゆるフルサイズミッションと呼ばれるボディサイズ。15psを発生する水冷4バルブDOHCエンジンを搭載するなど、スズキのフラッグシップ、GSX-Rシリーズの開発ノウハウが随所に光る。
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2015年に登場したGSX-S1000やGSX-S7500で好評を得ているGSX-Sシリーズに125ccモデルが加わり、10月11日から発売される。
そもそもGSX-Sは、GSR-Rがスーパースポーツの位置付けなのに対して、ストリートスポーツバージョン。アップライトなポジションで、カジュアルにスポーツライディングを楽しめるモデルだ。

“The sprit of GSX-R ready for street”をプロダクトコンセプトとしたGSX-S125は大排気量車で着き買ってきた高性能なメカニズムと快適な乗り心地を高いレベルで融合している。その一つがエンジンユニットだ。水冷4ストロークDOHCで排気量は124ccのエンジンは、高回転を得意とするボア62.0mm×ストローク41.2mmのオーバースクエアデザインを採用。これに、SCEMメッキシリンダーや軽量ピストン、低張力薄型ピストンリングなどを組みあわせることで、放熱性の向上や低フリクション化にも貢献している、
パワフルなエンジン特性と優れた燃費性能の要となるインジェクションシステムは、「O2センサー」「スロットルポジションセンサー」「クランクポジションセンサー」など6つのセンサーからコンディションを読み取り、常に最適な燃料量を噴射する。これに加えてスズキ独自のアイドルスピードコントロール内蔵のφ32mmスロットルボディを組み合わせ、吸気効率を高めることで、高回転域の出力が高められている。
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車体設計にもGSX-Rシリーズで培ったノウハウがいくつも投入されている。例えばメインフレームは、解析技術を用いて設計したことで、軽量化と剛性感をバランスさせながら、1300mmのホイールベース長を確保することで、快適なハンドリングも手に入れている。
ホイールは自動車用として有名なエンケイ製で、ダンロップ製D102タイヤを組み合わせる。フロントφ290mm、リヤφ187mmのディスクタイプとしたブレーキに、ボッシュ製ABSを用いて優れた制動力をサポートすることで、17インチの足周りに本格的なスポーツエッセンスを付与している。
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ホンダ・グロムやカワサキZ125PROといった12インチホイール勢とは異なる17インチの大径ホイールと、クラス最大級の15psエンジンという、ならではのスペックを備えるGSX-S125の登場によって、124ccミッションクラスの勢力図は今後大きく変わってくるのかもしれない。