3列シートを備え6~7人乗りを可能にして、従来のミニバンに代わる存在として生み出された、マツダの新たなるミドルラージクロスオーバーSUV「CX-8」が、ついに正式発表された。(写真:宮門秀行、マツダ)
CX-8は全長×全幅×全高=4,900×1,840×1,730mm、ホイールベース2,930mmのボディに、国内向け新世代商品としては初めて3列6or7人乗りシートを備える、国内市場向けSUVの最上位モデル。
時を経てもユーザーの感性を刺激し続ける先進性を目指す「TIMELESS EDGY(タイムレス エッジー)」をコンセプトにデザインされたというエクステリアは、新型CX-5のモダンテイストを踏襲しつつ、より一層伸びやかなプロポーションとなっている。
こうした生い立ちからCX-8は、マツダのクルマづくりの基盤である「人間中心の設計思想」のもと、3列全ての乗員が上質さと心地良さを感じられるよう、パッケージングが構築された。
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具体的には、1列目は「誰もがマツダ車共通の価値である理想的なドライビングポジションを取れる」こと。2列目は「ワイドな横幅とロングスライドシートを持ったシートにより、大柄な大人がゆとりを持ってくつろげる空間とする」こと。3列目は「身長170cmの乗員でも無理なく、快適に過ごせる空間とする」ことが開発目標とされている。
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ベーシックグレード「XD」および中間グレード「XDプロアクティブ」では、角度調整機構付きアームレストを装着してセンターウォークスルーを可能にしたキャプテンシートと、倒せば最も広くフラットな荷室を確保でき7人乗りにも対応可能なベンチシートから選べるようになっている。
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ラゲッジルームは、3列とも使用している時でもゴルフバッグ2個を積載できる239L、3列目を倒した際は67型スーツケース3個を積載できる572Lを確保。2列目も倒せば自転車2台を収納することができる。
運転席まわりにはインパネとドアトリムが連続した、開放感のある水平基調のデザインを与える一方、サテンクロームメッキとクロームメッキを多用し、ルーフ部もブラックとすることで質感をアップ。「XD Lパッケージ」のデコレーションパネルにはマツダの日本市場向け新世代商品としては初めて本杢(ほんもく)を採用。「XDプロアクティブ」にはシルバーへアライン、「XD」にはガンメタリックの加飾を用い、モダンなテイストを強めている。
複合モード 15.8km/L/15.4km/L
市街地モード 12.7km/L/12.5km/L
郊外モード 15.7km/L/15.3km/L
高速道路モード 18.0km/L/17.5km/L
フロントがストラット式、リヤがマルチリンク式のサスペンションは、CX-9の基本構造を流用しつつ、スプリング・ダンパーをCX-8専用にチューニング。旋回時に内側前輪が浮き上がる挙動を抑えるリバウンドスプリングをフロントダンパーに採用して、穏やかな挙動と滑らかな乗り心地、高い接地性と直進安定性を両立させた。
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3列シートを備えるCX-8では、1列目から3列目まで普段通りの声量で会話できるよう、入念にNVH対策が施されている。フロントストラットにダイナミックダンパーを設けてサスペンションの共振を抑え、リヤフェンダーパネルに制振材を貼付することでロードノイズを低減。風切り音対策としては、リフトゲートにパーティングシールを採用するとともに、ルーフモール後端とルーフスポイラーの段差を縮小した。さらに、吸音効果の高いトップシーリングを採用し、Dピラー付近に吸音材を与えることで、遮音性を高めている。