日本特殊陶業株式会社(会長兼社長:尾堂真一、本社:名古屋市瑞穂区)は、開発中である平板形の固体酸化物形燃料電池(SOFC)セルスタックについて、従来の家庭用に加え、より出力の大きい業務・産業用にも用途を拡大し、日立造船株式会社(会長兼社長: 谷所敬、本社:大阪市住之江区、以下、日立造船)の実証機にセルスタックを供給した。
従来、日本特殊陶業は、平板形のSOFCについては、家庭用向けの開発を進めていたが、分散電源市場のニーズの高まりを受け、業務・産業用分野での用途拡大が可能であると判断した。
業務・産業用分野のSOFCは、経済合理性の点から、高効率、長期信頼性が要求されており、同社はセルスタックの供給先である燃料電池システムメーカーの要求性能に応えるべく、開発・評価に取組んでいる。
■日立造船とORISTの共同実証事業の概要
(1)装置名
業務・産業用固体酸化物形燃料電池(SOFC)発電装置
(2)仕様
①使用燃料 都市ガス13A *低圧/中圧供給対応機
②定格出力 20kW 級 *AC 送電端出力 約17.6〜18.5kW
③発電効率 50%以上 *運転初期
④熱回収効率 40%以上 *装置出口計測:冷水22℃⇒温水84℃、0.21t/h
⑤本体寸法 幅2.2m×長さ4.3m×高さ2.8m *換気フード、排気管除く
(3)スタック
日本特殊陶業株式会社製 平板積層形スタック(平板形SOFC)
(4)特長
①省エネルギー(小型分散型電源で高いエネルギ―効率)
②高環境性 (クリーン、低騒音、低振動、CO2排出量削減)
(5)期間
2017年6月23日~2018年3月末
(6)場所
地方独立行政法人大阪産業技術研究所 和泉センター
(7)内容
①実負荷環境下において、4,000時間以上の連続運転を行い、安全性や信頼性を評価。
②業務・産業用SOFCのさらなる高度化に向けた構造部材の研究・試験・評価等の実施