ホイールデザインの歴史を振り返る

クルマの雰囲気を盛り上げるのはいつの時代も足元から

大きなイメチェン効果で多くのユーザーを魅了

潔いシンプルさがウケた、通称「1円玉ホイール」のスピードスター・マーク1。今日の趣向を凝らした造形の原点に相応しい簡素な作り込みだ。

アフターパーツとして市販車にアルミホイールが本格的に取り入れられ始めたのは1970年代からだ。サーキットを疾走するレーシングカーに影響されて、チンスポイラーやオーバーフェンダー、それにウイングなどと一緒に導入。その中でも特にホイールは手軽に装着できるばかりでなく、イメージチェンジの効果も大きく、ユーザーの注目度は高かった。

デザイン的には無骨さが際立つワイルドな造形が大半を占める。どこか近未来的なデザインを漂わせるものも多かった。印象的なホイールにスピードスターのマークⅠ、Ⅱ、Ⅲがある。ディッシュとクロス、さらにはダブルクロスと、同じテイストながらバリエーションを増やすことで、より多くのユーザーのハートを掴む。

丸みを帯びた8本スポークの傑作、RSワタナベも人気を博していた。1度見たら忘れられない存在感は今もなお健在だ。そして十文字をモチーフにしたワーク・エクイップ。ちょっと前には復刻バージョンが登場して、再び人気をさらった。桜のシルエットをデザインした奇抜な弥生も見逃せない。ショッキングピンクをカラーバリエーションに加えた痛快なホイールである。

まだドレスアップというジャンルは存在せず、クルマの外観をイジることは「改造」という言葉で括られていた時代だ。

硬派な造形ばかりでなくスマートテイストも誕生

それまでのホイールデザインのトレンドに大きな変化をもたらしたのはボーイズレーサーというハッチバックをベースにしたモディファイが流行った80年代のことだ。硬派な「改造」とは一線を画するスマートな「ドレスアップ」が広まった。

欧州車をモチーフにお洒落な路線で仕立てることが特徴で、海外ブランドのBBSやATSといったメッシュやスポーク、それにアルピナが採用するフィンタイプなど品のあるホイールが積極的に選ばれた。

ソアラやマークⅡなどハイソカーといったジャンルも登場した。ゴールドピアスを誇らしげに使ったゴージャスなマルチピースが定番。そんな中で異彩を放っていたのがスーパーボルクだ。ワンピースでセンターカバーを使って一体感を強調したトルネード形状がたまらなく衝撃的だった。

その一方で以前のようなモータースポーツ用のホイールをオマージュしたアイテムも根強く人気を継続。ブレーキの放熱を考えてディスク面に取り外しが可能なカバーを設けたり、さらにカバーを一体化してエアロディッシュへと進化させたり、柔軟なアイデアがニューフェイスを生み出していく。

圧巻のバリエーションは止まることを知らない

90年代に入るとTE37を筆頭に鍛造製法で軽量化を謳ったアイテムが人気を博した。現在でも硬派路線は安定して支持されつづけている。アンテーラの3本スポークも印象的だった。深リム組み立て系の大径ホイールの原点と言えるVIP系ユーザー御用達のガルトマイヤーの誕生もこの頃だ。

そして90年代後半に流行したアメリカンメイクには欠かせなかったのがヘッド40。ヒネリを効かせた細かい40本スポークが斬新な美しさを醸し出していた。

アメリカンの発展型であるラグジュアリーメイクの登場とともにワークのLSシリーズも広まった。スポーク中央のアクセントがまるで葉脈のような葉っぱデザインが席巻した。

ここ最近はアメ鍛などのオーダーホイールが元気だ。ディープリムの迫力とは一味違う、反り返ったコンケイブのインパクトが目を惹く。そこにヒネリを加えたり、さらに左右で回転方向を統一したディレクションデザインを採用したり、ヒネリ系の充実ぶりは特筆もの。

トピック的には例えば5スポークをズラして重ね合わせた様なダブルフェイスなどがある。そしてオフローダーにはビードロックと、見事なほどホイールデザインは進化しつづけている。

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情報提供元:ドレナビ
記事名:「【そう言えばそうだった】1970年代からのホイールの歴史を振り返ったら懐かしかった