情報ネットワークを駆使したカーナビ&AVの理想像。
carrozzeria/CYBER NAVI
カロッツェリア/サイバーナビ
ドライブや外出に繰り出せない昨今だからこそ、今、改めてサイバーナビの魅力を掘り下げてみたい。ネットワークを駆使した新型サイバーナビが、来るべき明るい未来の道しるべとなるように――。
お出かけの際の道しるべに便利なナビゲーションは、スマホに頼るのが一般化した。今やミュージックプレイヤーまでスマホ頼りだ。しかし、ドライブ中のナビ&AVとして理想像を追求し続けてきた日本のカーナビはなかなか侮れない。スマホのナビアプリを利用したうえでその一長一短を知って初めて、かゆいところに手の届くかのように便利かつ丁寧な老舗カーナビの魅力を再確認することが増えてきた。
その最高峰に居続けるのがパイオニアカロッツェリアのサイバーナビシリーズだ。昨年末に登場した最新型は、長年の車載型カーナビのノウハウを活かした機能を研ぎ澄ましつつ、オンライン化によってエンタメ機能を拡充した。
高精細HDパネルにしてフルフラットになったディスプレイは、さながら最新タブレットがそのままインパネに埋め込まれたかのよう。搭載されるあらゆる機能は、スマホに慣れていれば、ほぼ直感で操作できる。そのディスプレイはどんな角度でも色や明るさが変わりにくい特性を持ったIPS方式だ。スマホやTVと違って〝ナナメから見る〞ことが前提となる車載ナビに対応するための技術であり、カーナビを知り尽くしたカロッツェリアらしい配慮である。
そして今回の最大の決め手は、車室内のオンライン化したこと。付属もしくは別売となるネットワークスティックを接続すれば、ドコモの高速データ通信を定額で無制限利用できるようになった。つまりサイバーナビ本体をWi-Fi機として使うことで、車内でスマホやPCの高速通信が使い放題となる。
またサイバーナビ本体にもストリーミングビデオが標準装備されるので、ナビ本体でYouTube動画を手軽に視聴できる。レコーダーアクセスを使えば、家庭用ブルーレイレコーダーにある映像を遠隔で視聴することだって可能だ。実際、一連の操作はまるでストレスフリーで、とっても便利。多機能スマホやタブレットを凌ぐような利便性の高さには驚かされた。
そのネットワーク機能を活かして、本来のナビゲーション機能にも磨きがかかった。最新の道路や施設情報を自動でダウンロードする自動地図更新機能が搭載される。常に最新の情報でナビをしてくれるので、できたばかりの高速道路や橋を通っても、画面上で空を飛んだり海にもぐったり、道無き道を走るようなことがない。
自車位置周辺のスポット情報の拡充ぶりもお見事。いつも通っている道だって、サイバーナビが共にいれば新たな発見があるかもしれない。
肝心かなめのルート探索とルート案内は、まさにサイバーナビの真骨頂だと言える。日本の交通環境を知り尽くしたカロッツェリアならではの検索は、とにかく分かりやすい。ナビ本体に収録されたデータのほかに、通信を利用してサーバーと接続し、膨大な最新データもフル活用してルートを導き出す「スーパールート探索」も搭載された。
こうした多機能を前に、カーライフの可能性は無限に拡がる。どこまでも出かけたくなる雰囲気と走行性能を持つのがグランツーリスモと勝手に定義するのなら、今回、サイバーナビ(AVIC-CQ910-DC)を装着したデリカD:5はまさに全天候型グランツーリスモだった。新型コロナウイルス感染症がひと段落したら、この性能を使い切ってみたい。
AVIC-CQ910-DC
9V型 HD/TV/DVD/CD/Bluetooth/USB/SD/チューナー・AV一体型メモリーナビゲーションネットワークスティックセット
2019年冬に発売されたサイバーナビの最新作。今回の目玉となる「docomo in Car Connect」に対応するのは全8機種。ネットワークスティックセット(DC)付なら購入後ネットワークを即利用できる。ディスプレイサイズは8V型、9V型のほか200mmワイド/2Dメインユニット対応の7V型が用意される。今回取り上げたのは9V型のAVIC-CQ910-DC。同機種の市場参考価格は約21万円。「docomo in Car Connect」の通信サービスは1年プランで税別1万2000円だが、ネットワークスティック同梱モデルは1年間無償使用権が付属する。
常時ネットワーク接続で楽しみ方は無限に拡がる
常時ネットワーク接続の恩恵で、いつでもYouTubeを始めとした動画視聴が可能に。ネットワークスティックをアクセスポイントとして使えば、利用できるコンテンツはさらに拡がる。docomo in Car Connectと組み合わせた通信環境は、ドコモの4G LTE回線を速度制限なく定額で使い放題。ペアリング専用アプリを使えば自宅のブルーレイレコーダーとの連携も可能だ。高精細HDパネルによって高画質な映像を映し出してくれる。
さらに進化を遂げたサイバーナビの伝統芸
ルート案内や地図表示は、既存のサイバーナビ流をよりブラッシュアップさせたもの。今回も通信を利用してサーバーと接続して適切なルートを導き出す「スーパールート検索」が搭載されている。また、自車位置精度の高さも特筆モノ。「GPS」「みちびき」「グロナス」「SBAS」といった多数の衛星に対応しつつ、独自の「6軸3Dハイブリッドセンサー」を組み合わせて測位する。一般道と高速道路、地下駐車場なども完璧に把握する。
今回は使い勝手がいいデリカD:5に組み合わせたが、カスタムの内容によっては駐車場の全高制限を気にかける必要も出てくる。道に迷って細い路地などに突入したくもない。優れたルート案内と豊富な情報量を持つサイバーナビは頼り甲斐のあるアイテムとなる。
問:パイオニアカスタマーサポートセンター 0120-944-111/0570-037-600
https://carrozzeria.jp
スタイルワゴン2020年6月号より
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ]