SUBARU&STI
スバル&STI/BRZ STI Sport GT CONCEPT
東京オートサロン2020のSUBARU/STIブースにSUBARU BRZ STI Sport GT CONCEPTが展示されていた。
このモデルはSUPER GTに参戦中のBRZ GT300マシンをモチーフに、STIがレースで培った経験を最大限注ぎ込んだ、走りに特化させることを狙ったコンセプトモデルだ。
エクステリアは、新デザインのフロントアンダースポイラーがまず目を引いた。大きく前にせり出したインパクト大の形状に加え、バンパー裏側からアンダーカバーを巻き込むような形状にすることで、空力面も向上させている。
サイドに装着されたカナードは、レーシーな見た目の演出だけではなく、フロントの接地性を高めホイールが巻き込む空気の流れを計算した形状となっている。
また、バックスタイルにはスワンネックタイプのGTウイングを採用。SUPER GTのBRZ GT300を意識したデザインという意味だけではなく、空気の流れも考慮されている今回のウィングは機能美アイテムとしてのポイントが高い。
エアロ類は全て風洞試験を実施し、最新のデータを元に作られているとのこと。
リアの下回りには、軽量化に重きを置いて開発された試作のSTI performanceエンブレム付きのSTI製チタンマフラーが装着されていた。マフラー単体で約6.8キロという超軽量で、会場内では実際にマフラーを持ちあげて、現行型マフラーとの重さを比較することができた。
足元には、SUBARUの国内モデルで初となるマットブロンズカラーのBBS18インチ鍛造ホイールを装着していた。ベースとなるのは市販されているBBS RE-V。現行BRZ STI Sportではタイヤにミシュラン製を履かせているが、今モデルはBRZ GT300と同じダンロップ ディレッツァを採用している。
インテリアは、内装を落ち着いた雰囲気のシルバーとブラックのモノトーンで仕上げている。シートはRECAROを採用しており、カラーは内装と同じモノトーンだが、サイドにRECAROのロゴ刺繍とレッドとブラックのラインのアクセントが入っている。ドライバーが運転に集中できるようにと内装全体はモノトーンで仕上げられているが、ドアを開けて乗り込むときの高揚感を上げるために、サイドの加飾が見えるようなお洒落な工夫が施されていた。
ドアスピーカーのまわりやセンターコンソールのサイドにも明るめのシルバー系のレザーがアクセントとして使用されている。これらのアイテムも運転中の視界には入りにくいが、ドアを開けた時には目を引くようなポイントになっている。
インパネパネルとステアリングには、ウルトラスエードを使用し、高級感を演出するとともに、ステアリングに関してはキビキビとした操作性を上げるために手に馴染む素材として採用したそうだ。
内装をモノトーンでまとめてはいるがシフト周りだけは赤ステッチが使われており、ドライバーの気持ちを高めるために、ここはあえて赤を選んだそう。
今回のモデルに採用されたボディカラーは、新色のギャラクティックWRブルーメタリックというブルーで、これまでのWRブルーパールよりも煌めきが強く、GTやラリーなどのモータースポーツのシーンで輝きを放ちながら圧倒的な存在感を放てるように開発された色だそう。煌めきを強めただけではなくトーンアップもしており、次世代SUBARUを担うコーポレートカラーにもなるようだ。
SUPER GT300を意識して走りと質感の両方を高めた今回のモデルは、BRZのフラッグシップモデルという位置づけだ。コンセプトではあるが、かなり市販化に近い仕上がりと言っても過言ではないので、期待をして間違いないだろう。
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[スバルスタイル編集部 今泉 史]
Photos by井元貴幸