PRADO the HISTORY 70・90・120
ランドクルーザー プラド ヒストリー
70系
1990年4月〜1996年5月
最終モデル 直4/3.0L ディーゼルターボ 235万円〜320万9000円
カジュアル四駆路線を追究しランクルワゴンの改良で誕生
初代70系プラドは、70系ランクルワゴンのマイチェンを機にサブネームが与えられたモデルで完全新設計ではない。ハイラックスサーフに搭載していた2.4Lディーゼルターボと、リーフではなくコイルサスを持つワゴンの、いわば名義変更モデルであり、当時人気を博していた三菱パジェロの対抗馬として誕生。本家ランクルに欠けていたカジュアルさを追究し、それまで3ドアMTしかなかった選択肢に、3ドア4ATや5ドア4ATを新たに追加。外観も曲面を採り入れるなど差別化を図ったものの、いまから考えると泥臭さは抜けきっていない印象だ。当初ボディは標準のみだったが、91年にワイドを追加。93年にはディーゼルを新型3.0Lターボに変更した。
前身となるランクルワゴンは70系ランクル登場の翌年、1985年に登場。気軽に乗れる四駆を狙ったライトデューティ路線の1台であった。
90系
1996年5月〜2002年10月
最終モデルV6/3.4L ガソリン 直4/3.0L ディーゼルターボ 直4/2.7L ガソリン266万円〜361万円
ハイラックスサーフ共用化を図り快適性、利便性は乗用車ライクに
ランドクルーザーの血統を受け継ぐ骨太な四駆性能、積載性を維持しつつも、普段使いのオンロードにもマッチした利便性を追求すべく、乗用車として、エンジン、フレーム、サスと性能強化が図られた90系プラド。
ハイラックスサーフと共用とした新設計プラットフォームを採用し、ボディは5ドアロングと3ドアショートを設定。それぞれ標準幅とワイド幅がある。5ドアは角眼、3ドアは丸眼と、意匠面にも違いを持たせた( 99年に全車角眼に)。フロントサスが独立懸架とサスも一新された。新開発のフルタイム4WDを採用し、タイヤ切れ角をあげ取り回しを向上させるなど、機能系全般が向上。99年6月に意匠変更等の改良を受けている。
3ドア車
エンジンは① V6/3.4Lガソリン、②直4/3.0Lディーゼルターボで登場し、97年に③直4/2.7Lガソリンが追加。ディーゼルは2000年に直噴の新型へ変更された。
120系
2002年10月〜2009年9月
最終モデルV6/4.0L ガソリン直4/2.7L ガソリン 280万円〜416万円
プラットフォームを刷新したワイドボディ限定のラグ系SUV
約7年間販売された通算3代目の120系は、持ち前のオフロード性能はもちろん、オンロード性も高次元でシンクロさせた1台。プラットフォームを刷新し、ボディ剛性の更なる強化、安定性や乗り心地の改善を図るなど、プラドに求められる走りのタフさを強化しているものの、全体的に泥臭さはさらに軽減。MTが撤廃と、幅広いユーザー層の獲得を狙った、扱いやすい四駆となった。5ドアと3ドアの2種類投入されたが、車幅はワイド限定に。エンジン変更が数度あり、終盤にはディーゼルが姿を完全に消した。
ショートボディの3ドアも!
現行150系との大きな違いの1つがボディ。ロングボディの5ドア(8または5人乗り)と、ショートの3ドア(5人乗り)の2種類から選べる。両者の差は全長で350㎜、ホイールベースで335㎜ある。3ドア車の更なる違いがバックドア。背面タイヤが標準となり、ドア形状も違う(他グレードもオプションで変更可能)。
*写真はオプションのFバンパープロテクション装着
エンジン変更を随時慣行
発売当初こそ、① V6/3.4Lガソリン、②直4/2.7Lガソリン、③直4/3.0Lディーゼルターボと、キャリーオーバーとなった3種類から選べたが、04年に2.7Lが排気量同一ながら新型へ移行したほか、05年にV6が4.0Lハイオクへ変更。さらに05年からディーゼルが段階的に廃止され、07年に完全撤廃となった。
内装は高級路線へシフト
コクピットだけを眺めると、それはミニバン!? セダン!? と思えるほど、上質な仕様へと刷新。半年後に登場した初代の10系アルファードにも匹敵するモダン路線となった。オプティトロンメーターやクルコン、イモビライザーが搭載され、サイド&カーテンエアバッグがオプション化と、利便性や安全性も強化された。
機能派シートは2系統
シートは3列8人乗り、2列5人乗りの2系統あり、例えば最終型のTXグレードでは、ロングボディで両タイプが選べた。3列車の3rdシートは左右壁に跳ね上げるだけでなく、そっくり取り外せる一般乗用車にはないディタッチャブル式だった。
リアエアサスを採用
センターデフへのトルセンLSDや、ダンパーの減衰力を調整し乗り心地最適化する4モードセレクト機能のほか、現行150系プラドにも続く、リアへのエアサス投入も話題に。ハイ(+40㎜)・ノーマル・ロー(−30㎜)と簡単にスイッチで調整できるほか、車高を一定状態に保つオートレベリング機能も搭載する。
スタイルRV VOL.137 ランドクルーザープラドNo.2より
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