以前、カレントライフに登場していただいた「トミタクさん」こと富松拓也(とみまつ・たくや)さんが、フェラーリ 512BBi(以下、512BBi)のオーナーとして再び登場です。愛車との出逢いや自ら手がけた整備、そして512BBiが引き寄せた“あの名車”との馴れ初めなど、今回も驚きのエピソードが飛び出しました。
*過去のトミタクさんの記事はこちら
早朝、筆者はトミタクさんとクルマ仲間のみなさんが集まっているところへお邪魔しました。
トミタクさんが所有するフェラーリ512BBiとは?
トミタクさんの512BBiは1981年式です。512BBが1981年にモデルチェンジを行った際、キャブレターからインジェクションへと燃料供給装置の変更が行われました。そのため、車名にはインジェクションを示す「i」が追加されています。
512BBi(512BB)は、1970年代のスーパーカーブームを牽引したシンボル的存在でもあり、ランボルギーニ カウンタックと人気を二分していました。搭載される5リッターの180度V型12気筒DOHCエンジンは、340馬力を誇ります。まずはトミタクさんに、512BBiに感じている魅力を伺ってみました。
「水平対向の12気筒エンジンを、あの車体に押し込んでいる点が凄いと思います。この時代のフェラーリのフラッグシップモデルのみに搭載されていた、水平対向12気筒エンジンなんです。なぜなら、当時のフォーミュラ1カーに搭載していたエンジンがそうだったからです。そして“F1直系”と思わせるイメージ戦略も上手だと思います。312T2はニキ・ラウダのイメージですよね。彼のマシンが3リッターの12気筒エンジンだったからです。512BBの場合、当時のF1マシンと共通部品はないのですが、エンジン形式や車名でイメージ戦略を行っていたのでしょう」
エンジンはもちろん、512BBiの造形美にも魅せられているそうです。