「フランス車ってこんなに人気なの?」ドイツで暮らし始めた筆者が、公道を眺めている時に思わず口をついて出たのがこの言葉でした。乗用車はもちろんのこと、バンなどの商用車に至るまで、ドイツの路上では多くのフランス車が活躍しています。
プジョー、ルノー、シトロエンといったフランス自動車メーカー3社の中でも、日本で見かける割合とまったく異なるのがルノー。今回ご紹介するのは、日本ではあまり人気のなかったミディアムサルーン、ルノー・ラグナ2です。
デビューは15年以上前
ルノー・ラグナ2が発売されたのは2001年。日本へ導入されたのは2003年のことで、5ドアハッチバックとワゴンの2タイプが用意されました。エンジンはガソリンエンジンのみで、5ドアハッチバックは3.0リッターV6のみ、ワゴンは3.0リッターV6と2.0リッター直列4気筒から選べました。ちなみにヨーロッパでは、1.6リッターや1.8リッターの直4ガソリンや、1.9リッター、2.2リッターのディーゼルエンジンもラインアップ。多くのエンジンバリエーションが用意されました。
ラグナ2は2005年にマイナーチェンジでフェイズ2に移行し、フロント周りのデザインが大きく変わります。写真の個体は、直線基調でクリーンなデザインが特徴の前期型(フェイズ1)。とても15年以上前に発表されたとは思えない、古さを感じさせない素晴らしいエクステリアデザインですね。ところが、当時の日本での販売は不振で、後期型のフェイズ2は正規輸入されず、結局前期型の在庫がなくなった2006年に販売を終えています。
ユーロNACAPのクラッシュテストで5つ星評価を獲得
日本での人気こそパッとしなかったラグナ2ですが、ヨーロッパでのクルマの評価はとても高いものでした。ユーロNACAPのクラッシュテストでは市販車史上初の5つ星評価を獲得し、パッシブセーフティの高さが注目を集めます。以降、ルノー車は安全性の高さを前面にアピールしていくようになるのです。