エンジンルームを開けたときや、自宅および外出先の駐車場などで見つけてしまったオイル漏れ。それは、部品のすき間からにじんだものだったり、アスファルトにポタリと落ちた跡だったり…。
経験のある方なら分かると思いますが、正直いって見て見ぬフリをしたくなるもの。できれば見間違えであって欲しい…。しかし、多くの場合、現実であることがほとんどです。
まだ様子見でいいだろう…。日常に忙殺されて、そのまま放置した結果、あるとき大変なことに!という結末だけは何としても避けたいところです。
ここで改めて、多くのクルマ好きにとってはあたりまえのことかもしれない「オイル漏れについて」を再考してみたいと思います。今回は、現場でさまざまな事例を見ている輸入車や旧車整備のプロフェッショナルであるS氏に取材を試みました。
オイル漏れとはどのような現象なのですか?
クルマには様々なオイルが使われています。車種によっても違いがありますが、エンジンオイル、ミッションオイル、デフオイル、ブレーキオイル、パワステオイルなどが主なオイルとして挙げられます。これらのオイルが、タンクや機関部、ホースなどから外に漏れ出してくる現象を「オイル漏れ」といいます。
主なオイル漏れの種類を教えてください
オイル漏れにおける事例として多いのは、「エンジンオイル漏れ」です。エンジンオイル漏れが起きやすい箇所は(エンジンのタイプによっても異なりますが)、シリンダーヘッドカバー(タペットカバー)からのオイル漏れの事例が多いです。
そもそも、なぜオイル漏れは起こるのでしょうか?
オイル漏れは、ガスケットやパッキン、Oリングといわれる箇所から漏れることが特に多いです。前述のシリンダーヘッドカバーからの漏れを例に挙げると、「シリンダーヘッドカバーガスケットからのオイル漏れ」ということになります。ガスケットやパッキンはやわらかいゴム素材でできているものが多く、経年劣化による部品そのものの痩せや硬化、破損等により、密閉性が低下してオイル漏れが発生するのです。