車の安全を維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。中でも、ブレーキパッドは安全に車に乗るうえで非常に重要な部品です。 ブレーキパッドが摩耗するとブレーキの性能が低下し、最悪の場合、事故につながります。
そこで、ブレーキパッドの交換時期について解説します。併せて、確認の方法や交換費用についてもご紹介します。
- 走行距離が50,000km以上などの場合、ブレーキパッドの交換が必要
- ブレーキパッドを交換する場合、ブレーキパッドの費用と交換工賃が必要
- ブレーキパッド自分で交換できるが、基本的には整備工場などに依頼するほうが安全
ブレーキパッド交換のタイミングと確認の仕方
ブレーキパッドは定期的に交換する必要がありますが、具体的にいつ交換すべきなのでしょうか。また、どのように確認すべきなのでしょうか。
交換のタイミングと判断の仕方を見てみましょう。
1. 走行距離が50,000km以上である
使用状況や車種によって異なるものの、ブレーキパッドの寿命は、一般的に走行距離50,000km前後といわれており、走行距離がこの距離に近づいたら交換を検討するのがいいでしょう。
走行距離は、走行距離計を確認することで簡単にチェックできます。特に長距離を走行するドライバーや、急ブレーキを頻繁にかける場合、より早い段階での交換が必要になりやすいです。
2. ブレーキの異音や、警告灯の点灯がある
ブレーキを踏んだ際、「キーキー」や「グーグー」などの異音が聞こえたら、ブレーキパッドの摩耗が進んでいる可能性があります。また、車のダッシュボードにある警告灯が点灯することも、ブレーキパッドの交換時期を知らせるサインです。異音や警告灯を見逃さず、早めに対処するようにしましょう。
異音は特にブレーキをかけたときに目立つので、音の変化を敏感に感じ取ることが重要です。警告灯が点灯した場合は、すぐに取扱説明書を確認し、必要であればディーラーや整備工場に相談しましょう。
3. ブレーキパッドの厚みが5mm以下になっている
新品のブレーキパッドの厚みは10mm前後となっており、使用するにつれて徐々に薄くなります。厚みが5mm以下になると、ブレーキ性能が著しく低下するため、早急に交換する必要があります。
ブレーキパッドの厚みは、タイヤを外し、パッドの状態を直接目視する方法が一般的であり、自分で確認することもできます。ただし、必要な工具がない場合や、点検方法がわからない場合は、専門の整備士に依頼しましょう。
4. ブレーキフルードの液面が下がっている
ブレーキフルードの液面が下がることも、ブレーキパッドの摩耗を示すサインの1つです。ブレーキフルードはブレーキシステム全体の動作に関わっており、液面が下がるとブレーキの効きが悪くなるおそれがあります。定期的に液面をチェックし、必要に応じて補充や交換を行いましょう。
ブレーキフルードの液面は、エンジンルーム内にあるリザーバータンクで確認できます。タンクには、最低ラインを示すMINもしくはLOWERと、最高ラインを示すMAXもしくはUPPERの印がついており、液面がそのあいだに収まっていれば問題ありません。 しかし、液面がMINもしくはLOWERよりも下がっている場合、ブレーキパッドの交換を検討したほうがいいでしょう。
ブレーキパッドの交換費用はいくら?
ブレーキパッドの交換には、ブレーキパッド自体の費用と、ディーラーや整備工場での交換工賃が必要です。
ブレーキパッド自体の費用は、車種や使用するパッドによって異なります。 一般的に、普通車の場合は前輪と後輪それぞれのブレーキパッド交換費用は8,000円程度、軽自動車の場合は7,000円程度が目安です。高性能車や輸入車になると、各15,000円以上になるケースもあります。
交換工賃は5,000~10,000円程度となることが多いでしょう。
自分で交換する場合、この費用は不要ですが、ブレーキパッドは車の安全に関わる重要な部品であるため、基本的にはディーラーや整備工場に交換を依頼することをおすすめします。
なお、整備工場と比較してディーラーでは、ブレーキパッドの費用も交換工賃も1.5倍ほど高額になる傾向があります。
※この記事は2024年5月時点の情報で制作しています