仙台~苫小牧間はフェリーでも移動できる!
関東在住の私は、1週間の休みの間に仙台と札幌の両方に行きたいと考えていました。時間を有効活用するため、仙台から北海道まで移動する方法を調べてみたのが、太平洋フェリーに乗船したきっかけです。
ご参考までに、仙台から北海道まで新幹線を利用すると、函館までは行けます。ところが函館から札幌までは在来線か高速バスへの乗り換えが必要。高速バスだと、本州~北海道は高速バスのみではアクセス不可でした。
飛行機については、仙台空港から北海道行きの便が就航しています。ですが、夕方まで予定があった私が朝一で飛行機を利用するとなると、チケット代と仙台での宿泊料金の両方が発生します。可能であれば夜行バスのように、寝ている間に移動できるのが望ましい…そこで見つけたのが太平洋フェリーです。
確認したところ、仙台~北海道・苫小牧の所要時間は15時間ですが、船内で宿泊ができる上にラウンジショーや展望大浴場があって楽しそう! さらに最安の客室で8,800円からとリーズナブルです。本当の意味で渡りに船! と、チケットを予約しました。
フェリーに乗車するまでと船内の設備を紹介!
ここからは、フェリーに乗車するまでと船内の設備を紹介していきますね。
仙台駅前のりば50番からは、太平洋フェリーが発着する仙台港フェリーターミナル(FT)まで路線バスが出ています。所要時間は約50分で、料金は550円。他にも仙台港(FT)最寄り駅である中野栄駅からも路線バスが出ていますよ。
※2024年9月調べ
乗船受付は積載する車両がない場合、出港の60分前に済ませる必要があります。FTの受付で乗船名簿を記入し、チケットと客室のカードキーを受け取りました。
タラップを通って乗船するのですが、私が乗船する船舶「いしかり」は巨大で写真に収まりきらない…! これはまさに、動くホテルですね。
エントランスは、客室がある5~7階までが吹き抜けになっており開放感があります。ここからは「いしかり」の客室について紹介しますね。
「いしかり」の客室タイプは、12種類とバラエティ豊か。相部屋に、個室の洋・和室、高級ホテルさながらのスイートルームもあります。今回は、リーズナブルな客室をピックアップして紹介しますね。
2等(和室)
一番格安で利用できる2等客室は寝具付きで、相部屋。他の乗客との仕切りはカーテンです。
B寝台(洋室)
2段ベッドタイプの客室です。相部屋で、ベッドはカーテンで仕切られます。寝具の他に読書灯・電源コンセントがついています。
S寝台(洋室)
私が今回利用したのが、S寝台(洋室)で、乗船タイミング(2024年8月時点)での価格は12,300円でした。相部屋で、カーテンを閉めれば個室感覚で利用できます。寝具の他にBSデジタル放送受信テレビ・読書灯・電源コンセントがついています。
ここまで紹介した相部屋の客室には女性専用客室があるので、女性の一人旅でも安心して利用できますよ。
1等(和室・洋室・和洋室)
1等以上は個室となり、室内にトイレと入浴施設があります。BSデジタル放送受信テレビに加えて、冷蔵庫・ナイトウェア・サンダル・タオル・ヘアードライヤー・洗面用具・ティーセットなど、一般のホテルと同様に利用できます。
その他にも特等客室、セミスイートルーム、スイートルーム、ロイヤルスイートルームなどの豪華な客室があり、セミスイートルーム以上の客室には、乗船中のレストラン食事券が含まれます。
ここからは、船内の設備を紹介していきますね。乗船口がある5階には、お土産や飲み物、おつまみなどを販売する売店がありますよ。ちなみに購入は、現金のみ。
男女別の展望大浴場は、売店の隣にあります。浴場からは、海を眺めながら入浴できますよ。
展望大浴場の隣には、ゲームコーナーとマッサージチェアが。
6階にはビュッフェレストラン「サントリーニ」があります。レストランオープン時や、混み具合は館内アナウンスで教えてくれますよ。
6階にはテーブルや椅子が並ぶ、展望通路「プロムナード」があります。麺類やカレー、おにぎりなどの軽食やドリンクを販売するスタンド「ヨットクラブ」が併設されており、こちらで飲食が可能です。窓際のカウンター席にはコンセントもあるので、充電ができますよ
また、様々なエンターテインメントを提供するシアターラウンジ「ミコノス」もあります。私が乗船した際には、ピアノ・ヴォーカルのコンサートや、映画の放映がありましたよ。
7階からは船上デッキに出て、外の空気を吸うことができます。
なお、喫煙室や自販機コーナー、カラオケルームなどの施設もありますよ。
実際の船旅の様子は?
私は乗り物酔いしないタイプなのですが、友人から「酔い止めは念のため飲んでおいた方が良い」とアドバイスがありました。そこで普段は飲まない酔い止めを服用したところ…乗船後に猛烈な眠気に襲われ、私は夢の中へ。
目覚めたのは21:30を過ぎたところでした。フェリーが出港する様子、見たかった!
展望通路「プロムナード」で過ごしたり、シアターラウンジ「ミコノス」では素敵なショーを楽しんだりしたものの、酔い止めの眠気に勝てずにダウン。翌朝の朝食のアナウンスで目が覚めたのでした。計算すると、10時間以上爆睡していたのですが、これはきっと客室が快適だったのもあるでしょう。
寝起きに展望大浴場に行ってみたところ、嬉しい貸し切り! 眺めの良い温泉は沢山ありますが、船内より大海原を眺めながら入浴する機会なんて、滅多にありません。フェリーならではの優雅なお風呂タイムを楽しんだのでした。
朝は軽めが好みな私は、スタンド「ヨットクラブ」でモーニング(650円税込)をいただきました。
※2024年9月調べ
メニューはクロワッサンにサラダ、ゆで卵などバランスが取れています。海を見ながらいただく朝食は、格別でしたよ。
この日は快晴で、船上デッキに出ると真っ青な青空と海が広がっていました。遠くには海岸線が見えているので今どこにいるかを想像しつつ、5階ロビーに表示されている船の現在地で答え合わせをするのが楽しかったですよ。
フェリーは予定時刻より15分早く、10:45に苫小牧西港に到着しました。15時間の船旅は、予想以上にあっという間。もっと乗っていたい気持ちもありましたが、気持ちを切り替えて札幌方面に移動することに。
苫小牧西港から苫小牧駅までは1日4~5本、路線バスが出ています。フェリーが11:00に到着するため、11:30発のバスがおすすめ。移動時間は約16分、料金は280円です。
※2024年9月調べ
以上、太平洋フェリーの仙台~北海道・苫小牧の乗船記をお届けしました。私が乗船した時は早々と眠ってしまったこともあって揺れは感じなかったです。
ですが、乗り物酔いしやすい方は乗船前に酔い止めを飲んでおくとよいでしょう。海を眺めながら移動できて、ゆっくり足を伸ばして眠れる船旅、おすすめです!
最後に太平洋フェリー乗船前・下船後に仙台駅で仙台名物をいただけるお店を紹介しますね。
今回は乗船前に服薬するため、仙台駅で軽めに食事を取っていました。仙台駅構内で7:15 ~20:15まで営業している「ダテ カフェ オーダー」では終日、宮城風芋煮や牛タンシチューなどの仙台名物をいただけます。
メニューから、私は「はらこめし茶漬け」をいただきました。かつては“漁師飯”として食されていた「はらこめし」は、本来は炊き込みご飯の上にサケの身やイクラが乗っています。こちらでは白米に乗っており、魚介の出汁をかけていただくのですが、この出汁が滋味深くて美味しい!
さらっと食べられるので、朝食にもよさそうでしたよ。もちろん太平洋フェリー乗船前にもおすすめです。仙台に行くチャンスがあれば是非立ち寄ってみてくださいね。
ダテ カフェ オーダー
- 住所
- 仙台市青葉区中央1-1-1 仙台駅 2F
- TEL.
- 022-302-5291
- 予算
- 朝昼~¥999夜¥1,000~¥1,999
- 営業時間
- 定休日
※取材協力/太平洋フェリー
(為平千寿香)