ざっくり、こんな移動
- 大阪・京都から和倉温泉まで、新型クレイドルシートで快適に直行!
- 日本で唯一車で走れる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」をバスで走行!
- サービスエリアのご当地グルメや「気多大社」参拝など観光要素も充実
ゆったり座れる上質シートが魅力の高速バス「北陸道グラン昼特急大阪号」に、和倉温泉までの新路線が加わりましたよ!
しかも、道中は観光案内つき。石川県では「千里浜なぎさドライブウェイ」を走行し「気多大社(氣多大社)」にも立ち寄ります。土日祝・繁忙期のみの特別便。始発の大阪駅から和倉温泉までのようすを全てお届けします。
「北陸道グラン昼特急大阪号」新路線は大阪・京都・金沢から和倉温泉へ直行!
「北陸道グラン昼特急大阪号」に乗って、石川県・和倉温泉へ行ってきましたよー!
「北陸道グラン昼特急大阪号」のウリと言えば新型クレイドルシート。上質なシートでゆったり快適なバス旅ができると人気のバスですね。
本来は大阪駅〜金沢駅をむすぶこちらの路線に、2018年3月から加わったのが大阪・京都・金沢からの和倉温泉直行便。
高速バスには珍しい観光案内付きで、道中では日本で唯一の車で走れる砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」を走行し、能登の一ノ宮「気多大社(氣多大社)」にも立ち寄ります。
大阪を出て和倉温泉まで、バスならではの観光のついた快適バス旅です!
西日本JRバスが運行する「北陸道グラン昼特急大阪号」の乗り方は?
大阪駅を8:00発! 乗車は「JR高速バス乗り場」の1番乗り場から
「北陸道グラン昼特急大阪号」の発車は、大阪駅直結のJR高速バスターミナルから。大阪駅の周辺はバス乗り場が沢山あって迷うかも……と心配しましたが大丈夫! JR高速バスターミナルはその中で一番近くてわかりやすい乗り場でした。
なにせ改札を出れば駅の随所に「JR高速バス」の看板があるので、矢印通りに進むだけです。
「北陸道グラン昼特急大阪号」和倉温泉行は「JR高速バスターミナル」内、1番乗り場から発車します。要するに乗り場の一番端なので、他のバスに乗車するときより+2分ほど余裕を見て到着できるよう心がけましょう。
バス乗り場最寄りのコンビニは、JR高速バス乗り場内やや手前
1番乗り場の少し手前にはコンビニがあります。ここが乗り場から一番近いコンビニなので、乗車前のお買い物におすすめです。
「北陸道グラン昼特急大阪号」は大阪駅を8:00に出発し、和倉温泉には16:18頃(最終停留所への到着時刻)に到着します。
途中サービスエリアでの15分休憩が2回と金沢駅での停車がありますが、ランチ休憩はありません。なのでランチはバスの中。車内用の食べ物・飲み物の調達をお忘れなく。
と言いつつ、私は飲み物だけにしておきました。だってサービスエリアではご当地グルメが待っていますからね!
いざ乗車! バスの中はプライベート重視のくつろぎ仕様
本気を出してくつろぎたい、新型クレイドルシート
10分前にはバスが来たので乗り込みます。大きな荷物はバスのおなかに入れられますが、座席上にも荷物棚やフックがあるので、お土産やリュック程度の荷物なら車内に持ち込んでも大丈夫です。
座席は新型クレイドルシートの3列完全独立仕様です。隣座席とは座席前後が互い違いになっていて、同行者なら話しかけられるけど、知らない人なら個々のスペースを守ることができる、ちょうどよい距離感が保たれています。
新型クレイドルシートのリクライニング角度はゆったり135度! しかもリクライニングを後ろへ倒すのに合わせて、座面のクッションもスライドするので、自然とリラックスできる体勢をとることができるのです。
更にフットレスト・レッグレスト(ふくらはぎ下を支えてくれる部分)も個別に調整可能。これはだいぶウトウトしちゃう予感がします!
コンセント・Wi-Fi・コップホルダー・カーテン設備をまとめてチェック
その他の設備は…
ここ大事でしょ! バス車内のトイレの様子
重要なのがトイレの使いやすさ! トイレはバスのほぼ中央、座席から見て半地下にあります。階段を下りて行く形なので、音やニオイが気になりませんよ。
また進行方向へ向かって縦方向になる形なので、バスの揺れがさほど影響しないのも嬉しいポイントです。
途中のサービスエリア休憩は2カ所! ブランチにはご当地グルメを
10:24 多賀サービスエリア(下り)に到着
昼間の高速バスはとっても贅沢。明るい空を眺めながら座席にゆったりもたれていると、時間がすぐ経つように感じられます。
大阪駅を8:00に、京都駅を9:20に発車して、最初の休憩所である多賀サービスエリア(下り)へ到着するのは10:24。ここで15分の休憩です。
グラン昼特急ではカーテンで車内のプライベート空間が確保されているので、休んでいる人の邪魔をしないよう、休憩後の発車時に乗車人数を確認しません。
なので時間に余裕を持つために、お買い物をしたい場合はトイレは車内でと割り切ってしまうのがいいかも。
10時台ではまだお腹は空かない? でも近江牛100%コロッケやカレーパン、赤こんにゃく入りのオリジナルたこ焼き、海鮮せんべいなんてちょっと気になりませんか? スタバのコーヒーをテイクアウトして車内でコーヒータイムも良いですね!
11:47 南条サービスエリア(下り)に到着
次の休憩は11:47。休憩ポイントは、南条サービスエリア(下り)です。こちらも休憩時間は15分。サービスエリア内の「恐竜スポット」には、「恐竜モニュメント」「恐竜トリックアート」「恐竜博士ベンチ」などがあるとのことですが、今回は福井グルメを重視しました。
がっつり牛串や海鮮串、海老名SAでも人気のメロンパンなど、ここにも美味しそうなものがたくさん!
むっちりと甘い黄金餅は見た目以上の食べごたえです。注文すると温め直してからパックに入れて渡してくれるので、車内でも危なげなくいただくことができますよ。
金沢駅までのあいだは4つの停車場で降車可能
車窓に流れる緑を眺めながら、カーテンを閉めてご当地グルメをいただきます。なおこの後は金沢駅まで休憩はありませんが、降車ボタンで知らせれば「福井北インター」「尼御前」「北陸小松」「松任海浜公園」の4つの停留所で降車できます。
「北陸道グラン昼特急大阪号」が金沢駅へ到着!
金沢駅へ到着。14:00の出発まで体を伸ばしがてら鼓門を見物
金沢駅へ到着! 今回は定刻(13:43)より早めの13:20分頃に到着しました。金沢までの方はここで下車。金沢駅発は14:00なので、和倉温泉まで乗る場合はここで少し待ちます。
到着するのは金沢駅の兼六園口側。世界的にも有名な鼓門がどーんと建っていますよ。想像していた以上の迫力です!
車内で待っても良いのですが、せっかくなのでちょっと降りてみました。鼓門の写真を撮ったあと、そのまま後ろを振り返ると噴水に出迎えられてほっこり。
金沢駅から和倉温泉へ出発! ここからはいよいよ観光旅
14:00 金沢駅を出発! いそいそと左座席へ移動
さて14:00になり、金沢駅から再び出発です。トコトコ金沢の市街を抜けて少し走ると、もう車窓には海がチラチラ見えはじめます!
海は進行方向に向かって左側の車窓。金沢で車内が空いたのをいいことに、勝手に左側の座席へと席移動したのは言うまでもありません(笑)
バスは、金沢から観光モードに変わります。車内には定期的に観光ガイドのアナウンスが流れ、能登の地形や歴史、文化や観光スポットなどをハイライトで教えてくれるのです。
「千里浜なぎさドライブウェイ」は日本で唯一車で走ることのできる砂浜
ガイドアナウンスは、何度かに分けて流されます。今回のハイライト「千里浜なぎさドライブウェイ」を通る前にはちゃんとその場所について教えてくれました。
「日本で唯一の車で走ることができる砂浜」や「こんな砂浜は世界でも有数」といったガイドアナウンスをぼんやりと聞きながら、へぇ~そうなんだ、何でここだけ走れるんだろ、と思っていると「ここの砂は粒子がきめ細かく、また海水で硬く引き締まっているため、車で走行することができるのです」と心を読んだかのように、アナウンスの声が教えてくれました。
もしかしたらすごい光景が待っているんじゃ? 段々期待が高まってきたところで、いよいよバスは「千里浜なぎさドライブウェイ」へ入ります。
おおー! ほんとに砂浜ですよ! ベージュ色の砂は「砂浜」と言った時に一番オーソドックスに想像するタイプの砂そのものなのに、車が上を走っています! これはどうにも不思議な感じ。しかも走っていく感触がとってもなめらか、ちっともガタガタしないのです。
しかも海がむちゃくちゃ近い。波打ち際がすぐそこです!
前方にはなめらかな砂浜がずーっと遠くまで続いています。バスはこの砂浜を約8㎞のあいだノンストップで走行するんです。時速も40㎞ほどに落として走るので、この不思議な感覚をじっくり楽しむことができます。
なお天候の加減や風の具合で走行不可な日もあるとのこと。その日走行可能かどうかはドライブウェイ近くの電光掲示板で確認するそうですよ。
気多大社は縁結びで有名な神社! ここではバスの乗車特典も
次に向かうのは気多大社。15分間の停車は休憩兼観光とのことですが、ここはだんぜん観光(拝観)がおすすめですよ! 気多大社について、また車内のガイドアナウンスが概要を教えてくれます。
アナウンスによると、気多大社は能登で最も格式の高い一ノ宮。日本で唯一の縁結び祈願所があり、縁結びにご利益ありと名高い大社とのことです。
電車だと最寄り駅から徒歩1時間となるこの大社に、バスでスイっと参拝できるとはなんとも嬉しい!
広い境内は厳かな雰囲気。気多大社は拝殿も、神門も、3つの本殿も全て重要文化財です。
また、その後方に広がる「入らずの森」は2100年もの歴史があり、宮司以外は立入禁止で一切の伐採や採取も禁じられている国の天然記念物です。
気多大社ではなんと、バスの乗車特典として巫女さんが無料でお祓いをしてくれました。このお祓いは、旅の安全のために、厄除けの意味合いでおこなってくださるものなんだそうです。
お祓いを受ける場所は、日本で唯一とバス車内で教わったばかりの縁結び祈願所。しかも、終わった後にはお札までいただけましたよ! この特典を定番化するかどうかは未定とのことなので、気になる方はお早めに。
いよいよ目的地である和倉温泉へ到着!
和倉温泉へ到着! 停留所は全部で4つ
バスが和倉温泉街で停留するのは16:14着の「足湯公園 のと楽・寿苑前」、16:16着の「和歌崎 海望・あえの風前」、16:17着の「総湯 美湾荘・松乃碧前」、16:18着の「弁天崎源泉公園 加賀屋前」の4カ所です。
停留所ごとの到着時刻が1~2分差なことからもわかる通り、温泉街の大きなお宿をバスが細かく回ってくれるんです。
和倉温泉の温泉街に降り立てば、海の風に混じってふんわり甘い温泉の香りが。街のそこかしこに湯気が立ちのぼっています。また、広場では無料で温泉タマゴを作れますよ。
まだ明るいから街歩きしようか、それとも早々と温泉に入ろうか……。何せ到着はお宿のすぐ前、時間にも体力にもまだまだ余裕があります。
最後に注意! 帰りのバス乗り場は「和歌崎 海望・あえの風前」の1カ所のみ
帰りは、和倉温泉から大阪までの直行便は運行していないので、金沢で乗り換える必要があります。
ちなみに和倉温泉へ来る場合は降りる場所を4カ所から選べましたが、次の日の帰りのバス乗り場は1カ所だけなのでご注意を。金沢行きのバスは「和歌崎 海望・あえの風前」から11:00に発車します。
停留所は、名前の通りお宿「海望」と「あえの風」の道路を挟んだ正面で、この界隈の温泉宿からなら、おおむねどこからでも徒歩圏内。すぐ横はコンビニなので、乗車前に帰りのバス用の買い物をしたい方は、そちらが便利ですよ。
大阪・京都・金沢から和倉温泉へ至る「北陸道グラン昼特急大阪号」の旅は、土日祝・繁忙期だけの特別便です。どうぞ皆さまも楽しんでくださいね。
(陽月よつか)