紫外線だけでなく夏の暑さを避けるためにも活躍する日傘。夏の日差しの下ではどのぐらいの効果があるのでしょうか?紫外線の量と気温の変化に注目して実験を行いました。
日傘の実験 方法
日傘にも色々と種類があります。今回は、白色で裏地が付いていないタイプの日傘と、黒い裏地が付いている遮光率100%の生地を使用した日傘を用意しました。
それぞれの日傘をさした状態で、気温や紫外線の量を測りその差を見ていきます。比較のため、日傘をささない状態の日なた、日陰でも計測を行います。
日傘をさしている方が気温は低く、紫外線量も少なくなると思いますが、今回はどのぐらい気温が低く、紫外線量が少なくなるのか、という差に注目して実験をしていきます。
実験結果 気温
気温の実験結果はこのようになりました。
画像の通り、日傘をさした状態で気温を計測していましたが、計測時間が短い、もしくは温度計が人の体温を感知してしまったからか気温に差が見られなかったので、一旦温度計をリセットして、地面に温度計を置きそこに日傘を立てかけた状態で、5分間気温を計測しました。その結果を数値として示しています。計測した気温は地面の温度も含まれてしまっていると思いますが、それでも日傘の有無で差が出ることが分かりました。
日なたで日傘をさした状態と日傘をさしていない状態で比較すると、気温は4℃程度差がありました。また日傘の遮光率によっても差があり、裏地無しの日傘と遮光率100%の日傘とでは、1℃程度気温に差があることが分かりました。
体感としては、遮光率100%の日傘は自分の上に影ができて、暑さをしのげると感じたようです。裏地の無い日傘でも日差しを遮る感じは実感できたそうですが、暑さは感じるとのことでした。
実験結果 紫外線
紫外線の量の計測には、簡易的な紫外線チェッカーを使用しました。このチェッカーはもともと白色で、紫外線を感知すると赤紫色に色が変化します。
実験の結果紫外線の量にも、日傘の有無で差が出ました。
赤い丸で囲った部分に注目してください。日なたではチェッカーは濃い赤紫色に変化しましたが、日傘の下に置いた時は少し赤っぽく色づく程度でした。日傘の種類による違いはそれほど大きくはなかったのですが、裏地ありの遮光率100%の日傘の方が、裏地のない日傘よりも紫外線量が少なくなっていました。
まだ日傘を持っていない、どんな日傘を買おうか迷っているという方の参考になれば嬉しいです。日傘で暑さ・紫外線対策をして夏を乗り切りましょう!
※実験で使用した日傘の「遮光率100%」は生地の状態での測定値であり、傘本体の性能を表すものではありません。
動画解説:工藤 佳奈子、工藤 萌香、井上 凌、小野寺 那智