「ブルーモーメント」という現象を知っていますか?今回はブルーモーメントとは何か、いつどんな時に見ることができるのかを気象予報士が解説します。
ブルーモーメントとは?
ブルーモーメントは、太陽がまだ昇っていない明け方や、沈んだばかりの夕方に見ることができる、空が深い青色となる現象、もしくはそう見える時間帯のことを指します。ブルーモーメントは「薄明」と呼ばれる、少し薄暗いけど周りは見えるぐらいの薄明るい時間に見ることができます。その時間帯は、太陽は地平線より下にあって直接は見えないのですが、空の高いところには太陽の光が届いており、周囲がうっすらと明るくなっています。
昼間の青空と比較して、ブルーモーメントの空の方がより深い青色に見える理由は、光の散乱が関係しています。昼間は太陽からの光の中でも、散乱しやすい青い光が目立って空が青く見えます。しかし、太陽からの光の中には青以外にも緑や黄色、オレンジ、赤などの色の光も混ざっていて、それらも一緒に散乱されるため光が混ざって、空は白っぽく明るい水色に見えます。
一方、太陽が昇る前や沈んだ後は、太陽から直進する光がなくなって、青い光の散乱だけが空に残って、深い青色に見えます。これがブルーモーメントです。タイミングが合うと、空だけでなく山や建物など辺り一面も濃い青色になります。
ブルーモーメントはいつどんな時に見ることができる?
ブルーモーメントは日の出前、もしくは日の入り後の5~10分間に見ることができます。見る場所は、朝は東側、夕方は西側に空が開けているところであれば、どこでも大丈夫です。辺り一面が真っ青とはいきませんが、深い青色の空を楽しみたいのであればビルの隙間からも見ることができます。
天気は晴れていることが条件で、薄曇りや雲が多少出ていても見ることはできますが、雲が厚かったり雨や雪が降ったりしている時は、太陽の光が届かないためブルーモーメントを見ることはできません。
季節としては、春夏秋冬いつでも晴れていればブルーモーメントを見ることはできるのですが、おすすめは秋から冬にかけての季節です。春や夏の時期は、空気中にチリや水蒸気がたくさんあって、それらが光を散乱させるため、若干青色がぼやけて、白っぽく見えます。秋から冬にかけては、空気が澄んでいるため、より綺麗な深い青色のブルーモーメントが楽しめます。
ぜひ、明け方や夕方に空を見上げて、ブルーモーメントを探してみてください。
動画解説:安齊 理沙、工藤 佳奈子