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東京は雪に弱い?と言われないために 東京でもしっかり雪への備えを


本格的な冬の季節到来です。今シーズンは「暖冬」といわれるものの、日本海側では例年通り雪が降り、既に積雪が1メートルを超えている所も。これから本格的な雪のシーズンとなります。そんな雪のシーズンですが、めったに雪が降らない東京で雪が降ると大騒ぎになります。「東京は雪に弱い」といわれることも。東京在住歴25年、「雪に弱い」と言われる東京に直面してきた筆者が、東京での雪への備えについてお伝えします。


東京に雪を降らせる「南岸低気圧」

「暖冬」と言われる今シーズンですが、それでも日本海側では例年通り雪が降り、12月下旬の時点で既に1m以上も積もった所もあります。

この冬の時期によくみられる気圧配置が「西高東低の冬型の気圧配置」です。「西高東低の冬型の気圧配置」になると、日本海側を中心に雪が降ります。その量は多い所で3mから5mになることも。一方、この気圧配置の時は、太平洋側は晴れることが多くなります。

しかし、時には東京など関東地方でも雪が降ることがあります。その主な原因となるのが、日本の南海上を進む低気圧、いわゆる「南岸低気圧」です。南岸低気圧が予想されると、東京都心でも雪の予報が出ることがあります。低気圧の進路や、上空の寒気の強さによっても雨になるのか雪になるのか大きく変わりますが、時には東京でも20センチ以上の積雪になることがあります。


「東京は雪に弱い」といわれる理由

東京で雪が予想されると、大騒ぎです。「東京は雪に弱い」とも揶揄されることも。

雪国の方たちには信じられないかもしれませんが、東京で「雪が降る」予想となったら、大雪ではなくてもニュースで大きく取り上げられますし、まず、その日の予定を変更するべきかどうか、迷ってしまいます。そして実際に雪が降ったら、雪国と比べたら「たいしたことない」であろう雪でも、さらに騒ぎが大きくなります。テレビのニュースでは、雪が降ったり積もったりしている様子を中継しますし、雪道用の滑りにくいブーツを履いていなかったり、雪道での歩き方に慣れていなかったりするため、あちらこちらで、転倒する姿や、自転車で転倒する姿を目にすることも。

私は福島県中通りの出身で、福島でも雪の少ない地域ではありますが、東京よりは雪が多く降るため、比較的雪に慣れているほうかもしれませんが、東京での子育てでは、東京の雪の弱さに直面してきました。

雪が積もると、電車が止まる、普段自転車を利用している幼稚園の送り迎えは、自転車だと危険になるため、送り迎えが困難になる、履いていく靴がない、雪が降っただけで子供たちは幼稚園や学校を休みたがるなど・・・。時には雪のため、幼稚園が休園になったことすらありました。


東京で大雪になるとこうなる

忘れもしない、東京で大雪になった日の出来事です。

2014年2月、東京では2回の大雪があり、強く印象に残っているのが2月8日の大雪です。その日は午前7時頃から弱い雪が降りはじめ、そのまま1㎝、2㎝と降り積もっていきました。午後3時には積雪10センチに到達。午後6時には積雪17センチ、23時には27センチまで達しました。

当時、営業の仕事をしていた私は、その日は予定通り営業先に行くことになっていました。既に朝から雪が降っていため、長めのブーツを履き、電車はスムーズに動いていたため、問題なく、営業先へ。その後も電車で移動して次の営業先へ、問題なく移動ができていました。しかし、その間にも雪は降り続き、気づいたら、雪はくるぶしの上にまで到達。夕方になり、喫茶店で一息ついている間にもずんずん雪が積もり、午後6時には東京の積雪は17センチにも達していました。そしていざ、電車で帰宅しようとしたら、なんと電車がストップ。道路では、車がスリップし、動けない車があちらこちらに。私は、その駅から身動きもできず、まさかの帰宅困難者になったということがありました。この日、東京の積雪深は、23時には27センチまで達し、観測史上8位、45年ぶりに積雪が25センチ以上と、記録的な大雪となりました。

このように東京ではこの程度の雪でも、大騒ぎ。交通機関は麻痺し、帰宅困難者まで出るという状態です。


東京は雪日数が少ない

「東京は雪に弱い」といわれますが、それもそのはず、「雪日数」(雪やみぞれ、細氷などが観測された、いわゆる雪の降った日数のこと)は、札幌は毎年100日以上ありますが、それに対して東京は、おおよそ5日以下の年が多く、たった1日しか降らなかった年も。多い年でも10~14日ほどと、雪国と比べると極端に少なくなっています。そのため、滅多に降らない雪に対しての備えが疎かになっているのは確かでしょう。滑りにくいスノーブーツや雪かき用のスコップを用意していたり、車を冬タイヤに変えたりしている方は、雪国と比べたら極端に少ないかもしれません。


東京の大雪警報の発表基準

2023年2月10日には、およそ1年ぶりに大雪警報が発表されました。この時予想された24時間降雪量は、多摩地方で20センチ、東京23区で10センチでした。実際には東京では思いのほか、気温が下がらなかったためか、午後には雪から雨に変わり、積雪とはなりませんでした。この日、秩父で19センチ、さいたまで5センチの積雪となりました。

その程度で大雪警報が発表されるのかと思われそうですが、雪が滅多に降らない東京と、雪が頻繁に降る札幌では大雪警報の発表基準が大きく違います。

例えば、豪雪地帯と言われる新潟県津南町では大雪警報の発表基準が12時間降雪の深さ60センチなのに対して、東京では12時間降雪の深さ5cmで「大雪警報」が発表されます。東京では少しの雪でも雪に警戒しないといけないということです。


東京でもしっかりと雪への備えを

東京は雪の降る日が少ないとは言っても、毎年のように雪の降る日はあります。ですので、東京でも毎年、雪が降ることを前提に、冬になったら雪への備えをしておくようにしましょう。具体的には、普段から、自動車を通勤に日常的に使う方や、山道、郊外へ出かける方は、冬になったら必ず冬用タイヤへのチェンジをしておくようにしましょう。東京は坂道も多く、緩やかな坂でもノーマルタイヤでは滑ってしまいます。平地でももちろん、ノーマルタイヤでの雪道の運転は大変危険です。万が一のためにタイヤチェーンを車に常備しておくようにしましょう。

また、徒歩の通勤、通学でも慌てないように、滑りにくい雪用のブーツは一つあると、いつ雪が降っても安心です。大人でしたら、サイズも変わりませんので、一度購入しておくと長く使えるでしょう。雪道を歩く際は、「ペンギン歩き」です。歩幅は小さく、重心を前に、足の裏をしっかり地面につけて歩くと滑りにくくなります。

また、一戸建てのご自宅でしたら、雪かき用のスコップもひとつ物置に常備しておくと良いでしょう。急に雪が積もった時など、玄関先の雪かきがスムーズにできます。車を運転する方は、トランクにも雪かき用のスコップがあれば、外出先で急に雪が積もった時など、役に立つでしょう。除雪用品は、雪の予想が出てからでは、既に売り切れて購入できなかったり、混雑していてタイヤが交換できなかったりということもあるかもしれませんので、冬になったら早めに準備しておくと安心です。

ちょっとした雪なら大丈夫だろう、という油断は禁物です。予想よりも思いのほか雪が積もったり、予想より早く雪が降り出すこともあります。さらに、この冬は、関東など太平洋側の地域に雪をもたらすことのある南岸低気圧の通過が多くなると予想されていますので、2週間天気でこの先、雪が予想されている日があるかどうか、こまめに確認するとよさそうです。
東京は雪に弱い、と言われないよう、しっかりと雪への備えをしておきましょう。

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