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2023年版気象予報士カメラマンが教える京都雪景色の狙い方(東山エリア編)


雪の京都の積雪目安と上手に撮影するコツを解説します

京都は秋の紅葉シーズンが終わり冬の雪シーズンに。「美しい雪の京都を見たい!」そう感じている人も多いのではないでしょうか?きょうは気象予報士・カメラマンの筆者が京都東山の雪景色を撮影するコツを解説していきます。

美しい京都の雪景色を狙おう

美しい京都の雪景色を狙おう


京都市街地の積雪の目安となる気温を過去データから把握する

竹林のある嵐山エリアや金閣寺のある北山エリアと比べると、法観寺や清水寺などがある東山エリアは相対的に雪が積もりづらい地域です。雪が積もりにくい東山エリアで美しい雪景色を撮るためには「どういった条件のときに京都市街地で雪が積もるのか?」を知ることがとても重要。そのためには過去の積雪事例を調べておおよその目安を知っておくのがとても効果的です。

今回は市街地で積雪する1つの指標として地上の最低気温を見てみましょう。上の図は過去の京都アメダスで1cm以上の降雪量を観測した日の「降雪量と最低気温」の統計データをまとめた図です(2015年1月~2022年3月)。これを見ると

・1日の降雪量1~3cm / 最低気温:-0.3℃程度
・1日の降雪量4~10cm / 最低気温:-0.8℃程度
・1日の降雪量11cm~ / 最低気温:-1.1℃程度

ということがわかります。他の気象条件も関係するため必ずしも再現性があるわけではありませんが、京都に雪の予報が出ているときは、あわせてその日の予想最低気温をチェックしておくのがおすすめです。具体的には天気予報を見る際に

・最低気温 1℃以上:積もらないかも
・最低気温 0℃:うっすら積もるかも
・最低気温 -1℃以下:かなり積もるかも

といった1つの目安として頭の中に入れておくことで、積雪の可能性をある程度把握することができます。

※ 実際には気温以外にも上空の寒気の強さ・風向・風速・降雪強度・路面温度・降雪のタイプ(冬型 or 南岸低気圧)など様々な条件・要素の影響を受けて積雪するパターンとしないパターンにわかれます。

過去の京都の降雪量と最低気温の関係(2015年1月〜2022年3月の京都アメダス観測値より作成)

過去の京都の降雪量と最低気温の関係(2015年1月〜2022年3月の京都アメダス観測値より作成)


tenki.jpで最新の京都の雪予測を確認する

最低気温の目安を頭に入れながら、tenki.jp「2週間天気」を確認してみましょう。例えば上の図は執筆時 2023年12月14日(木)8時発表の京都2週間天気です。これを見ると12月21(木)の12時〜24時頃に雪マークがついています。気温は12時〜18時が2〜4℃ / 18時〜24時が0〜2℃程度の予測です。気温を目安に考えると積もらないか積もってもうっすら程度の可能性が高いことがわかります。加えて、余力がある人は気温以外にも以下要素をチェックするのがおすすめです。

・寒気が南下して気温がさがる日はどこか(周期的に南下する日)
・最低気温は何度までさがるのか(0℃以下の日)
・風はどの方向から吹くか(北〜北西向き)
・雪はどれくらいの強さで降るのか(1mm以上の降水予測)

参考:執筆時 2023年12月14日(木)8時発表の京都2週間天気(最新の2週間天気をチェックしてください)

参考:執筆時 2023年12月14日(木)8時発表の京都2週間天気(最新の2週間天気をチェックしてください)


雪の京都を撮影するためにスケジュールを事前に調整する

tenki.jpの2週間天気などを参考に可能な限り事前にスケジュールを調整するのがおすすめです。せっかく雪がしっかり積もる予測がでていてもスケジュールを調整するのが遅れてしまい、上手くタイミングをあわせられないと非常に後悔します(実体験)。自分が写真を撮りに行けなかった日にテレビのニュースやSNSから美しい雪の京都の写真や映像が次々流れて来たときの悔しさは言葉にできません・・・。美しい雪化粧に覆われた京都を見に行くためには「なるべく早い段階で雪がしっかりと降る日を把握しスケジュールを確保すること」がとても大切です。

「2週間も先の予測が本当にあたるの?」と疑問を持つ方もいるかと思います。たしかに一般に気象予測は予測する時間が先になればなるほど精度が低くなり、予測が変化しやすくなります。重要なのは周期的に強い寒気が入ってくるタイミングを把握し「スケジュールを確保する準備」をしておくこと。仕事や家庭の事情などで難しい場合もあると思いますが

・やるべきことを終わらせておく
・納期や締め切りなどを調整しておく
・家族やパートナーなどの理解を得ておく

など円満にスケジュールを調整することがポイントです。さらに積雪当日は「なるべく朝早くに起きて現地に向かう」のも忘れずに。雪が降った日は多くの人が京都を訪れます。可能であれば始発の電車やバスを利用して、日の出前に到着するのがベストです(夜通し撮影する猛者も多くいます)。なるべく早く訪れて譲りあいながら撮影しましょう(長時間のポジションの独り占め・三脚禁止の場所での三脚利用・立ち入り禁止場所や撮影禁止場所での撮影・駐停車禁止の場所での駐車はNGです)。

また雪の日の外出は滑りやすく大変危険なので、以下の項目気をつけましょう。

・暖かい服装をする
・滑りにくい靴を履く
・ゆっくり小股で歩く
・着替えの靴下や洋服を持参する
・車に乗る人はチェーンやスタットレスを装着する
・機材を濡らさない
・温度差により機材が結露しないよう気をつける
・撮影が終わったら乾燥剤をいれて密閉し乾燥させる

ケガや病気、機材の故障や破損などをしてしまうと本末転倒です。美しい京都を楽しんでください。


暖冬の予測でも京都の雪をあきらめない

気象庁から出ている3ヶ月予報を見ると、2023年12月〜2024年2月はいずれも平年より高め気温の予想が出ています。寒気の南下が弱く持続しにくい冬になりそうですが、シーズンに何度かは強い寒気が南下してくるタイミングがあります。積雪しにくい東山エリアですが、最新の予測を参考にしながら諦めずにチャンスを待ちましょう。

3か月予報(2023年11月21日発表)の解説(大阪管区気象台)

3か月予報(2023年11月21日発表)の解説(大阪管区気象台)


京都の雪を狙う方法まとめ

京都東山の美しい雪景色を狙うためには

・京都市街地の積雪の目安となる気温を過去データから把握する
・tenki.jpで最新の京都の雪予測を確認する
・雪の京都を撮影するためにスケジュールを事前に調整する
・暖冬の予測でも京都の雪をあきらめない

これらの項目を意識しましょう。雪の日にお出かけするときは暖かい格好のうえ、滑って怪我をしないようにお気をつけください。みなさんが雪景色の京都を楽しめる一助になれば幸いです。

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