12月に突入し、そろそろ年末年始の予定を具体的に計画されている方も多いのではないでしょうか。本格的な寒さとなる日や、日本海側では雪の降る日も増えてきました。穏やかな年末年始を過ごしたいものですが、過去には記録的な大雪によって、長引く停電や車の立往生も。
東京都心は過去2回 大晦日に積雪 1978年1月3日は21センチの積雪も いずれも南岸低気圧
帰省や旅行など、多くの方が大移動を伴う年末年始(12月29日~1月3日)、穏やかな天気の中、年越しをしたいものですが、過去には大寒波に見舞われ、交通などに大きな影響が出た年もありました。
まず、年末年始(12月29日~1月3日)、東京都心で1センチ以上の「積雪」があった年を調べてみました。
近年は比較的穏やかな天気となる年が続いていますが、統計を開始して以来、過去3回、積雪を観測しています。
2004年12月31日に積雪2センチ。1983年12月31日に積雪1センチ、1978年1月3日に積雪21センチ。いずれも南岸低気圧による大雪でした。
2004年の大晦日は、雪が降ったのは都心では、午後の2時間程度となりましたが、内陸部ほど断続的に雪が降り続き、山梨県富士河口湖町で27センチ、熊谷市13センチ、宇都宮市10センチ、前橋市8センチなどを記録しました。
東海道新幹線の運行に影響が出たり、空の便の欠航が相次いだり、首都高も一時全線通行止めとなるなど、交通に大きな乱れが出ました。大晦日の積雪は、1983年以来、21年ぶりのこととなりました。
なお、2022年は、お正月休み明けの1月6日に東京都心で積雪10センチの積雪があり、東京23区に4年ぶり大雪警報されました。その時も、やはり南岸低気圧の影響で、大雪となりました。
過去には大晦日から元日にかけて大寒波襲来 年をまたいで停電が続いた所も
全国的に見ると、年越しに大雪に見舞われた年もありました。
大きな影響を受けたのが、2010年12月31日から2011年1月1日にかけてで、大晦日から元日にかけて大荒れの天気となりました。
この年は、西回りで強い寒気が南下し、山陰や近畿など大雪となり、大規模な立往生が発生しました。
最深積雪は鳥取県大山で209センチに達したほか、松江市で56センチ、鹿児島でも25センチなど、普段雪の降りにくい西日本の太平洋側でも大雪の元日となり、年越しから年明けにかけて、停電や交通の影響が長引く大惨事となりました。
また、その1年前の2009年12月31日から2010年元日にかけても、年越しに冬型の気圧配置が強まり、大荒れの年越しとなりました。
九州から東海、北陸にかけて平地も積雪となり、強風や大雪の影響で、帰省の足に大きく乱れが出ました。
冬道の運転 注意するキーワードは「ふゆとじこ」
年末年始、長時間、車を運転される方も多い時期ですが、雪道を運転する際に、気をつけていただきたいポイントは、5つあります。
(1)冬道装備をしっかりと行いましょう。早めに冬用タイヤに取り換えたり、タイヤチェーンを用意したりしましょう。雪道運転は、バッテリーが上がりやすくなります。遠出をする際は、予備のウォッシャー液やバッテリーを確認するなど、事前の点検も忘れないでください。
(2)ゆっくりと、慎重に運転しましょう。雨や雪が降った後に、気温が低いと、普段、慣れている道でも、思わぬ所が凍結している可能性があります。また、雪のない所でも、道路が黒っぽく見えたら、凍結している恐れがありますので、油断しないでください。
(3)時には、迂回や出控えることも、選択肢の一つです。ドライブプランなどを、一時的に変更するのも良いでしょう。
(4)時間に余裕をもって、出発しましょう。慌てると、凍結した道路でも、ついスピードが出てしまい、事故につながってしまいます。
(5)こまめに天気や道路情報を確認しましょう。天気予報が、急に「晴れ」から「雪」に変わるかもしれません。雪が降ると、道路が通行止めになることもあります。
5つのポイントの頭文字を並べて、「ふゆとじこ」と覚えてください。
立往生や停電に備えを
雪道を運転する際、立ち往生や停電など万が一に備えたグッズを用意しておくと安心です。
(1)防寒着やカイロ、毛布など暖をとるもの
暖房がとまってしまった際の車内温度の低下に備えましょう。
(2)飲料水や非常食、モバイルバッテリー、簡易トイレ、懐中電灯
長時間、車内で過ごすことや夜間のトラブルを想定して準備しておきましょう。
(3)ブースターケーブル、 牽引ロープ、タイヤチェーン
バッテリー上がりの際に使用するブースターケーブルや発進不能になったときの脱出に役立つ牽引ロープもあると良いでしょう。スタッドレスタイヤだけでは対処しきれないほどの積雪にも対処するため、タイヤチェーンもあると役立ちます。
(4)軍手、ゴム手袋、長靴、スコップ
除雪ができるものを準備しておきましょう。マフラーが雪に埋まると排気ガスが車内に逆流し、一酸化炭素中毒を起こすおそれがあります。
雪道を運転する際は、もしものときに役立つグッズをクルマに積んでおくようにしてください。加えて、出かける前に燃料が十分にあることを確認しましょう。ただし、気象情報や交通情報を確認し、大雪や猛吹雪が予想される場合は、外出の予定を変更したり、移動手段を変更したりすることも検討してください。