まもなく京都の紅葉シーズン到来。「どの観光スポットがおすすめ?どうやってまわれば人混みを避けられるの?」という疑問を持つ人も多いはず。きょうは気象予報士・カメラマンの筆者の目線から「京都嵐山の人気スポットやおすすめのまわり方・写真の撮り方」ご紹介します。
早朝の渡月橋
人気スポットの京都嵐山は早朝に訪れるのがおすすめです。嵐山に限らず無料で24時間行けるスポットは可能であれば日の出の時刻に到着できるようにスケジュールを組むのがベスト。個人的に秋の嵐山で朝イチ訪れるべきスポットは「渡月橋」です。美しい紅葉の嵐山をバックに渡月橋の写真を撮影するのがおすすめ。朝8時をすぎると混雑するので日の出〜7:30くらいまでの間に訪れましょう。
◯ おすすめの撮り方
・いつでも無料で行けるので早朝1番に訪れる
・左岸(下流に向かって左側)から撮影する
・晴れの日の方が色鮮やかな紅葉が撮れるので天気の良い日を選ぶ
混雑するが夕方の渡月橋もおすすめ
早起きが苦手だったり、遠くから訪れる人のなかには「そんなに早く行けないよ!」という人もいるでしょう。そんな人は混雑しますが夕方の渡月橋もおすすめです。嵐山から柔らかい光が差し込みます。逆光気味になるのでスマホやカメラの設定を調整して、少し明るめに撮影しましょう。三脚を持って行ける人は、シャッタースピードを長くした長秒撮影をしてみるのも面白いでしょう。川の流れや行き交う人々の姿が長秒撮影で流れて不思議な写真が仕上がります。
※ 神社仏閣や庭園では三脚や一脚の利用は原則禁止です。禁止されていない場所でも三脚や一脚を使うときは長時間の撮影は控え、他の観光客の迷惑にならないように十分に配慮しましょう。
◯ おすすめの撮り方
・日没30分前には訪れる(日没前30分〜日没後30分が狙い目)
・左岸(下流に向かって左側)から撮影する
・通行人をいれて撮影してもストーリーが生まれる
・晴れて西日が差し込む日がおすすめ
嵐山を借景に天龍寺の庭園を撮る
早朝に渡月橋で撮影した後は世界遺産の天龍寺がおすすめ。例年7時30分頃から早朝拝観が実施されます。2023年はコロナ禍も終了して団体グループのバスや海外旅行者が多く参拝することが見込まれるため、開門時間と共に訪れるのがよいでしょう(三脚・一脚の使用や長時間同じ場所にとどまっての撮影は禁止。ゆずりあって参拝しましょう)。
※記事執筆時点の最新情報
天龍寺曹源池庭園《早朝参拝》
期間:2023年11月11日(土) ~ 11月30日(木)
時間:午前7時30分 ~
天龍寺公式Webページ
https://www.tenryuji.com/info/2022/12/2023.html
◯ おすすめの撮り方
・早朝拝観の開門後すぐに訪れる
・嵐山に向かって水面のリフレクションを含めて撮影する
・晴れて朝日が差し込む日がおすすめ
エメラルドブルーの大堰川との組み合わせが美しい嵐山公園
大堰川沿いの嵐山公園はエメラルドブルーの川と紅葉の赤・オレンジのコントラストがとても美しい。可能であれば天龍寺の早朝拝観前に訪れたいところですが、人気スポットのわりに人がそこまで多くないので、時間に余裕がなければ天龍寺の早朝拝観を優先するのが個人的なおすすめです。屋形船が通ることもあるので一緒撮影できるように狙ってみるのもよいでしょう。
◯ おすすめの撮り方
・早朝に訪れる
・川のエメラルドブルーを含めて撮影
・タイミングがよければ屋形船が通ることもあるので一緒に撮影
紅葉は逆光で前ボケを入れて明るめに撮影しよう
太陽を背にして順光で撮影した紅葉はのっぺりとした立体感のない写真になりがちです。太陽に向かって逆光気味に撮影すると葉の発色が良く、葉脈が美しい立体的な写真になります。普通に撮ると紅葉が真っ暗になってしまうので、やや明るめに撮影できるようカメラやスマホの設定を変更して撮影してみましょう。さらに慣れてきたらカメラの望遠レンズやスマホの望遠機能をつかって「前ボケ」を使いながら撮影するとより印象的な写真に仕上がるのでチャレンジしてみてください。
※「前ボケ」とは?
撮影したいものの前側にあえて物体を入れてボカす方法。上記の写真は赤い紅葉の前に緑の紅葉を入れることで緑色の前ボケをつくり、赤い紅葉により目が行くように撮影している。
◯ おすすめの撮り方
・逆光気味に撮影する
・カメラやスマホの設定を変えてやや明るめに撮影する
・望遠レンズや望遠機能を使って前ボケをつくり撮影する
最新の紅葉見頃予想をチェックしよう
より楽しい京都観光をするためには、紅葉の予想情報をこまめに確認するのがおすすめです。tenki.jp では京都嵐山の紅葉見頃予想を発表しています。執筆時点の最新の予想(10月3日発表)では11月25日頃が見頃となっていますが、前後することもあるので最新の予想情報をこまめにチェックしましょう。個人的には混雑する11月下旬よりも1・2週間ほど早めの11月中旬頃の青紅葉が入り混じる時期が混雑もひどくないのでおすすめです(11月下旬の祝日や土日の日中は、交通規制が掛かるくらい混雑します。訪問の際は十分に注意してください)。
最新の気象予報もチェックしよう
紅葉予想とあわせて気象予測もチェックしましょう。この時期の雨は特に体を冷やすので可能な限り晴れやくもりの日を選ぶのがおすすめです。tenki.jpで以下のような項目をチェックするのがポイントです。
2週間前〜数日前ごろ
・低気圧や前線の影響がありそうか
・雨が降りそうかどうか
数日前〜1日前ごろ
・どの時間帯に雨が降りそうか
・どのくらいの量の雨が降りそうか
1日前〜直前ごろ(レーダー画像を見るのがおすすめ)
・強い雨雲がかかりそうか
・雨のやみ間はあるか
雨が降りそうであれば、嵐山よりも屋内拝観やお店で休憩ができるところが多い東山の方が観光にはおすすめです(嵐山は雨が降った時に逃げ込める屋内施設が少ないので雨天時は本当に混雑します)。さらに嵐山は朝晩冷え込むため、厚手のトレーナーやジャケットなども持参しましょう。着物をレンタルして写真撮影をされる人は、保温のためのインナーやマフラーを持参するのもおすすめです。
京都嵐山秋の紅葉まとめ
ここまで京都嵐山の紅葉について紹介してきましたが、ポイントをまとめると以下の通りです。
・早朝に混みやすいところから訪れる(24時間無料で行けるところ → 有料拝観)
・紅葉の撮影は逆光・明るめ・前ボケを意識して撮影する
・最新の紅葉予想を確認する(11月中旬の青紅葉との組み合わせもおすすめ)
・最新の気象予測を確認する(なるべく雨の日を避ける)
今年はコロナ禍も明けて例年以上に多くの観光客で混雑する可能性があります。十分に気をつけて楽しい紅葉シーズンをお過ごしください。みなさんのよりよい京都観光の一助になれば幸いです。