今年も流星のシーズンがやってきました。毎年、4月中旬頃から本格的な流星群の活動が始まります。年間を通じて最大級の流星数を誇るのが、8月の「ペルセウス座流星群」と、12月の「ふたご座流星群」です。どちらも絶好の条件となる2023年は、流星群の当たり年といえます。
今回は、4月23日に極大を迎える「4月こと座流星群」と、これから観測できる主な流星群についてご紹介します。
「流星痕」や「火球」も。個性豊かな流星群を楽しもう
多くの流れ星に出会うチャンスがある「流星群」の時期。主なものだけでも10以上の流星群があり、ほぼすべてが毎年活動しています。
流星群の活動は、最も多くの流星が出現すると予測される「極大日」の数日前からはじまり、徐々に数が増えていきます。活動期間が長い流星群もあれば、数日でピークを迎える流星群もありますが、極大日の夜を逃さずに観測するのがおすすめです。
同じ流星群でも、年によって出現が特に多い年と小規模な年があり、予測が注目を集めることも。また、流れるスピードの違いや流星の色の違いなど、その流星群ならではの特徴があります。長く尾を引く「流星痕」や、非常に明るく大きく見える「火球」と呼ばれる流星の出現も、流星群を観測する楽しみのひとつです。
月明かりがなく好条件!「4月こと座流星群」
毎年4月22日頃に極大を迎える「4月こと座流星群」。母天体は1861年に出現し、太陽の回りを約400年の周期で公転するサッチャー彗星です。
2023年の出現期間は4月16日〜25日頃。23日の午前10時頃に極大を迎えると予測され、見頃は23日深夜から明け方にかけてになります。細い三日月のため、月明かりの影響はなく最良の条件で観測できます。流星数は条件の良いところで1時間あたり10個程度とされ、それほど数は多くありません。一方、明るい流星の割合が多いため、目にできれば印象に残る光景となるでしょう。4月こと座流星群は、時折現れる火球でも知られています。
流星群の放射点は、七夕の織姫として知られる1等星ベガの右側にあります。流星は放射点を中心にあらゆる方向に流れます。そのため、なるべく空全体を広く見わたすのがポイントになります。
これから観測できる主な流星群。特に好条件となるのは?
4月こと座流星群の他にも、ペルセウス座流星群、オリオン座流星群、ふたご座流星群が好条件と予測されています。これから観測できる、主な流星群の極大日時を確認しておきましょう。
【みずがめ座η流星群】
・極大:5月6日24時
・出現期間:4月25日〜5月20日
・月明かりの条件:✕
・母天体:ハレー彗星
【みずがめ座δ南流星群】
・極大:7月31日3時
・出現期間:7月15日〜8月20日
・月明かりの条件:△
・母天体:マックホルツ彗星
【ペルセウス座流星群】
・極大:8月13日17時
・出現期間:7月20日〜8月20日
・月明かりの条件:◎
・母天体:スイフト・タットル彗星
★三大流星群のひとつで、安定した流星数を観測できます。今回は月明かりの影響はほとんどなく、好条件で多くの流れ星を楽しめるでしょう。明るい流星の割合が多く、火球が観測されることも。華やかな緑や赤みを帯びた色の流星や、流星痕にも注目してみましょう。
【10月りゅう座流星群(ジャコビニ流星群)】
・極大:10月9日16時
・出現期間:10月5日〜13日
・月明かりの条件:○
・母天体:ジャコビニ・ツィナー彗星
【オリオン座流星群】
・極大:10月22日9時
・出現期間:10月10日〜11月5日
・月明かりの条件:◎
・母天体:ハレー彗星
★夜半後に月明かりがなくなり、好条件で観測できます。青白く速度が早い流星が多く、尾をひく流星痕も見どころです。
【しし座流星群】
・極大:11月18日14時
・出現期間:11月5日〜25日
・月明かりの条件:○
・母天体:テンペル・タットル彗星
【ふたご座流星群】
・極大:12月15日4時
・出現期間:12月5日〜20日
・月明かりの条件:◎
・母天体:小惑星フェートン(ファエトン)
★三大流星群のひとつ。最大級の流星数を誇り、冬の定番天文現象として注目されています。特に今回は、月明かりの影響が全くない絶好の条件で、多くの流星が楽しめるでしょう。雪のような白色の流星が、澄みわたる師走の夜空を彩ります。
【こぐま座流星群】
・極大:12月23日13時
・出現期間:12月18日〜24日
・月明かりの条件:✕
・母天体:タットル彗星
※極大・出現期間はアストロアーツによる予測
・参考文献
『アストロガイド 星空年鑑 2023』 アストロアーツ
・参考サイト
国立天文台「主な流星群」
アストロアーツ「2023年4月23日 4月こと座流星群が極大」