一般道路よりも速く走れる高速道路ですが、いくらでもスピードを出して良いというわけではありません。制限速度を超えて走行していれば、当然違反の対象となりますので、高速道路を走るときはあらかじめ速度ルールを確認しておきましょう。
今回は、高速道路における車両別の法定速度や、速度指定の注意点について解説します。
高速道路における車両別の法定速度
高速道路を走るときの法定速度は道路交通法施行令によって定められています。[注1]
法定速度は車両の種類によって異なりますので、自分の車の種別に合った法定速度を確認しておきましょう。
以下では、高速道路における法定速度と車両の種類をまとめました。
【法定最高速度100km/h|法定最低速度50km/hの車両】
・普通自動車(三輪のものを除く)
・中型自動車(大型乗用自動車、特定中型貨物自動車を除く)
・大型自動二輪車
・普通自動二輪車
【法定最高速度80km/h|法定最低速度50km/hの車両】
・上記以外の自動車
・他の車を牽引している場合
一般的な車両の場合、法定最高速度は100km/hですが、大型貨物自動車や三輪の普通自動車、大型特殊自動車のほか、他の車を牽引している自動車(トレーラーなど)は80km/hとなります。一方、法定最低速度には車両差はなく、50km/hで共通しています。
[注1]e-Gov法令検索:道路交通法施行令
高速道路でも速度指定がある場合は要注意
道路交通法第22条では、「道路標識等によりその最高速度が指定されている道路においてはその最高速度」をこえる速度で進行してはならない、と定めています。[注2]
前述した車両別の法定最高速度は、あくまで道路標識等による速度指定がない場合に適用される速度ですので、最高速度が指定されている道路では、法定速度よりそちらが優先されます。
同じ高速道路でも、走行箇所や区間によっては法定最高速度より低い速度が指定されている場合がありますので、高速道路を走る際は周囲の道路標識等を見落とさないよう注意しましょう。
[注2]e-Gov法令検索:道路交通法
高速道路の制限速度に関する注意点
高速道路の制限速度に関して、特に注意したいポイントを3つ紹介します。
■1. 法定最低速度に注意
一般道路では法定最高速度の定めはあるものの、法定最低速度に関する決まりはありません。
一方、高速道路では最高速度同様、最低速度にも法律による決まりがあります。法定最低速度である50km/hを下回るスピードで走行していると、スピード超過した場合と同様、違反および罰則の対象となってしまいます。
もちろん、危険を防止するためのやむを得ない状態(渋滞の発生や車両の異常等)が起こっている場合はこの限りではありませんが、通常は低速走行にも注意する必要があります。
■2. 速度計でスピードを確認しながら走行する
周囲の見通しが悪くなる夜間や、長時間にわたって高速道路を走行している場合、速度感覚が鈍りやすくなります。
ずっと同じ速度で走行しているつもりが、知らない間にスピードが出ていたということもあり得ますので、体感速度に頼らず、定期的に速度計で現在のスピードを確認しながら走行しましょう。
■3. 悪天候の日は臨時の速度規制に注意
速度指定されていない高速道路の法定速度は50km/h以上100km/h以下ですが、強風や大雨、雪などの悪天候時は、状況に応じて当該区域を管轄する警察が速度規制を実施する決まりになっています。通常は速度規制のない区間でも、臨時の速度規制が発令されたときはそのルールに従って走行しなければなりません。
臨時の速度規制は、高速道路上に設置された制限速度表示器や、NEXCO東日本・西日本の公式サイト、ラジオ等で確認できますので、悪天候時は速度規制に関する情報を確認しておきましょう。
出発前に天気を確認しておくと安心!
高速道路の制限速度は法律で定められていますが、車両によって法定最高速度に違いがあります。また、道路標識で速度指定がある場合や、悪天候による臨時の速度規制がかかった場合は、法定速度よりもそちらが優先されますので、定期的に道路情報をチェックしておくことが大切です。
臨時規制が発令されていない場合でも、風が強い日や雨・雪が降っているときは通常よりも安全運転を心がけることが大切です。悪天候の日や、天気が崩れそうな日は、出発前に高速道路の天気や状況を確認する習慣をつけましょう。
高速道路では道路標識や法定速度、臨時の速度規制に注意
特に悪天候時は事故を起こす確率が高くなりやすいので、臨時の速度規制の有無はもちろん、気象によってどのようなリスクが生じているのか、あらかじめ確認することをおすすめします。
道路の気象影響を知りたい場合は、天気予報専門メディア「tenki.jp」の「道路の気象影響予測情報」をぜひ確認してみてください。