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北見の玉ねぎを全国へ。今年も「玉ねぎ列車」が走る!!


玉ねぎの生産量が日本一の北見では、この時期、収穫した玉ねぎを全国へと出荷しています。大量の玉ねぎの輸送に使われるのが貨物列車。その名も「玉ねぎ列車」です。全コンテナの中には北見の玉ねぎがおよそ200トン。北見から旭川までの道中は、険しい峠を越えなければならないため、「プッシュ・プル方式」という珍しい車両編成で、毎年、玉ねぎを運びます。


“玉ねぎの大生産地” 北見から玉ねぎを運ぶから、愛称「玉ねぎ列車」

玉ねぎの生産日本一を誇る北見市では、初夏に玉ねぎの収穫が終わると、8月から翌年の4月にかけて、全国へと玉ねぎを出荷します。北見から旭川までの輸送には鉄道が利用されます。玉ねぎを積んで走る臨時の貨物列車、愛称は「玉ねぎ列車」。11両編成の貨車に、北見で生産された玉ねぎが積まれています。

北見駅を出発するのは午後7時。およそ5時間かけて、終点の北旭川駅に到着します。北見から運ばれてきた玉ねぎは、この駅から札幌や本州、九州にも運ばれていきます。

かつては1日に3往復していた「玉ねぎ列車」ですが、車両が古くなり、採算性が低いことから、トラックでの輸送が主になってきました。しかし、玉ねぎを安定的に運ぶためには、貨物列車はなくてはならない存在です。現在は1日1便になりましたが、北見地方の秋冬の風物詩ともいえる「玉ねぎ列車」は、今年も運行しています。

玉ねぎを積んで走ります

玉ねぎを積んで走ります


急勾配、急カーブ。運転が難しい峠をベテラン運転士が運行

玉ねぎ列車が走る石北本線には複数の峠があり、急勾配や急カーブがいくつもある難所が多い路線です。また、秋も終わりになると線路に落ち葉が積もり、日によっては、落ち葉の上に雪が積もることもあります。

玉ねぎを積んだ貨車はとても重いので、ブレーキがすぐにきかず、また、一度停まってしまうと加速が悪くなります。落ち葉が積もっている線路では、なおのことです。

このように難関が多い石北本線では、重い玉ねぎを積んで運転を担うのは、ベテランの運転士です。しかし、線路を熟知しているベテランであっても、天候や風向きなどによっては運転が難しいときがあるといいます。

雪の日も走ります

雪の日も走ります


機関車が前にも後ろにも。後ろで押す、前が引く“プッシュ・プル方式”

重い貨車、ベテランでも難しい路線。玉ねぎを運ぶのはなかなか容易ではありません。そこで、北見の玉ねぎ列車は「プッシュ・プル方式」という特別な車両編成で運行されています。

普通、貨物列車というと、前に機関車が配置されていて後ろの貨車を牽引する、という姿が思い浮かばれると思いますが、この「プッシュ・プル方式」は、貨物の前だけでなく、後ろにも機関車が配置されています。つまり、後ろの機関車が玉ねぎを積んだ貨車を押し(プッシュ)、前の機関車がそれを引っぱって(プル)走るのです。「プッシュ・プル方式」はヨーロッパなどではよく行われていますが、日本ではあまり見られない珍しい編成です。

機関車が2台あるということは、運転士も2人いるということです。秋の落ち葉の多い時期、急勾配で車輪が滑るときなどは、前の運転士と後ろの運転士が無線で線路の状況を伝えあいながら、息を合わせて運転します。2人のベテラン運転士の連携によって、北見特産の玉ねぎが全国の消費者へと出荷されるのです。

前後の運転士が2人で息を合わせて運行。

前後の運転士が2人で息を合わせて運行。


帰りは肥料を積んで効率化をはかる

北見から旭川へ、貨物車両にビッシリと玉ねぎを積んで走る「玉ねぎ列車」ですが、玉ねぎを降ろした後、旭川から北見へ戻る時には積荷が少なく、効率が悪いことが課題となっていました。

そこで今年からホクレン(ホクレン農業協同組合連合会)では、帰りの貨車に、小麦などの追肥でよく使われる「硫安肥料」を積んで、収益性を高めようとしています。たびたび廃止・廃線が議論されてきた「玉ねぎ列車」と石北線ですが、オホーツク圏の農産物を本州に届けるための大動脈ともいえる大切な路線です。「玉ねぎ列車」の存続には、今後さらなる取り組みが必要となるかもしれません。

参考

NHK 北海道 NEWS WEB 2020年11月4日:「タマネギ列車 運行支える姿」

日本農業新聞 2020年9月8日:「行きはタマネギ 帰りは硫安肥料 貨物列車をフル活用 石北線維持へ試験 ホクレン」

北海道の農業を支えます

北海道の農業を支えます

全国の玉ねぎ生産量の5割以上を北海道が占めています。そのうちの4割を北見地方が占めています。玉ねぎの大生産地である北見から、今年もおいしい玉ねぎが「玉ねぎ列車」によって運ばれています。

懐かしいDD51

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