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「Boys, be ambitious!」と言ったクラーク博士の2つの像


4月16日は「ボーイズ ビー アンビシャスの日」といわれています。この有名な言葉を述べたのは、北海道の開拓に尽力したクラーク博士です。クラーク博士というと思い浮かべるのは、右手を横に差し出した、あの銅像。でも、これが北海道大学(北大)の中にあると信じている人は、結構多いのではないでしょうか。実は北大にあるクラーク像は、この全身像ではなく、胸から上の胸像なのです。


“北海道開拓の父“クラーク博士が帰国する時に言った言葉

クラーク博士は明治9年(1876年)、札幌農学校(今の北海道大学)の初代教頭として招かれ、北海道開拓の指導者を養成するために植物学、動物学などを教えました。札幌にはわずか8ヶ月余りの滞在でしたが、北海道の開拓に尽力したため、“北海道開拓の父”とよばれています。

翌明治10年(1877年)4月16日、彼は帰国する時、見送りに来た学生に、あの有名な一節、「Boys, be ambitious!(少年よ、大志を抱け)」と述べたとされ、この日が「ボーイズ ビー アンビシャスの日」になったといわれています。

さらに昭和51年(1976年)には、「さっぽろ羊ヶ丘展望台」の丘の上にクラーク博士の銅像が設置され、帰国した日と同じ4月16日に除幕式が行われました。

140年以上も前、北海道の開拓の指導に訪れた一人のアメリカ人の言葉、「ボーイズ ビー アンビシャス」は、今もなお日本中で大切に使われています。


クラーク博士といえば、「さっぽろ羊ヶ丘展望台」の銅像がおなじみ

クラーク博士の銅像は、もともとは北海道大学の敷地内にある胸像だけでした。ポプラ並木など北海道らしい広い北大は観光地としても有名で、昭和40年代までは観光バスが乗り入れられるほどでした。クラーク博士の胸像は札幌観光の象徴で、格好の撮影スポットとなり、連日観光客でにぎわっていました。

しかし、これでは大学本来の研究や勉学の妨げになる、ということから、昭和48年(1973年)に観光バスの乗り入れが禁止され、札幌観光のシンボルであるクラーク博士の像が羊ヶ丘展望台に新たに設置されました。

今では、丘の上の銅像のほうがすっかり有名になりました。丘の上に立つクラーク博士のフロックコートは裾が春の風で翻り、右手を遠くに向けています。彼の掲げた右手は「遥か彼方の永遠の真理」を指し、「ボーイズ ビー アンビシャス」と叫んでいるとされています。

遠くに札幌ドームが見える

遠くに札幌ドームが見える


北大のクラーク博士は胸像。意外と小さいので待ち合わせは難しい!?

さっぽろ羊ヶ丘展望台にある、右腕を真横にあげている銅像が北海道大学の中にあると思っている人も多いでしょう。でも、北大の敷地内にあるクラーク像は写真のような胸像で、実際に見てみると、思ったよりもさらに小さい印象です。

北大の獣医学部を舞台にした漫画「動物のお医者さん」で、二階堂のいとこが九州から受験で北大に訪れ、北大のクラーク像の前で待ち合わせる、という場面があります。九州出身のいとこは羊ヶ丘にあるクラーク像が北大にあると信じて広い敷地内を探しますが、お目当てのクラーク像が見つからない…。しかも受験シーズンは冬。クラーク博士の胸像には雪が積もっているので、ますます見つけづらい…というシーンがあります。このシーンが象徴するように、北大の胸像のほうは、道外の人にとってはちょっとなじみが薄いかもしれませんね。

〈参考:さっぽろ羊ヶ丘展望台「クラーク博士について」〉

〈参考:北海道大学 附属図書館「“Boys, be ambitious!”について」〉

クラーク博士は帰国する時、見送る学生たちに馬の上から「ボーイズ ビー アンビシャス」と言ったとされていますが、これについては諸説あります。詳しくは北大附属図書館のサイトをご確認ください。とはいえ、北海道開拓の父とよばれるクラーク博士が言った言葉は、今の時代にも生きています。「Boys, be ambitious!」。あなたなら、誰にこの言葉を贈りたいですか?

二階堂はいとこと、この像の前で待ち合わせようとした

二階堂はいとこと、この像の前で待ち合わせようとした

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