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最果ての惑星「海王星」が発見されて170年。なぜ美しい青い色なの?海王星魚座時代とは?


明日9月23日は秋分の日。古来、祖先を敬うお彼岸の時期にあたります。天文学の世界では1846年のこの日、地球から最も離れた惑星である海王星が発見されました。占星術で海王星を象徴するキーワードは、「幻想、夢、宗教、無意識、救済、悲しみ、目に見えないもの」など。今回は、精神的な世界をあらわす神秘の星、海王星についてご紹介します。


海王星が青く見える理由とは

海王星は太陽系の第8惑星で、太陽系のいちばん外側を公転しています。直径は地球の4倍の大きさ、質量は約17倍あり、太陽から45億キロメートル離れた彼方に位置しています。

1989年に探査機ボイジャー2号がはじめて海王星の観測を行い、その時に撮影された写真には青く輝く海王星の姿があります。青く見えるのは海王星に海があるからではなく、表層のガスに含まれるメタンのため。メタンは赤い色を吸収して青い色を散乱する性質があり、太陽光のなかの青い光が反射されているのです。メタンは冷たい大気により多く含まれるため、表面温度が摂氏マイナス220度近くといわれる極寒の海王星は、とりわけ美しい青い星に見えるのです。


3タイプに分類される太陽系の惑星

惑星の色や大きさは、どのような物質で形成されているかによって異なります。太陽系の惑星は太陽から近い順に、「地球型惑星」「木星型惑星」「天王星型惑星」という3タイプに分けられます。

「地球型惑星」は岩石や金属が主体で、固体惑星、岩石惑星とも呼ばれます。水星・金星・地球・火星の4つの惑星があり、直径が小さめで密度が高く地面が存在します。「木星型惑星」に該当するのは木星と土星。水素やヘリウムなどのガスで形成されており、大きさのわりに軽いのが特徴で巨大ガス惑星と呼ばれています。天王星と海王星は、かつて木星型惑星とされていましたが、「天王星型惑星」に新たに分類されるようになりました。この2惑星はメタンの割合が多く、アンモニアを含む氷や水でできていると考えられており、巨大氷惑星と呼ばれています。



太陽系の惑星は、太陽からの距離によって異なる性質に分類されるのですね。 占星術の世界では、土星よりも外側を公転する惑星は「トランスサタニアン」と呼ばれています。「天王星型惑星」の2つの星・天王星と海王星、準惑星となった冥王星が該当します。太陽から土星までは人間の顕在意識を、天王星から外側の星は人間の無意識の領域を象徴している、と考えられているのです。


すべての境界を越える「海王星魚座時代」

海王星の公転周期はおよそ165年。黄道十二星座を一周するのも165年かかるということになります。占星術では、天王星は「水瓶座」、海王星は「魚座」、冥王星は「蠍座」と結びつけられており、前回海王星が魚座に入ったのは1848年のこと。長い旅路を経て、2012年に海王星が再び魚座のもとに戻ってきました。この「海王星魚座時代」は2025年まで続きます。

海王星は魚座の支配星(強い影響を与える星)ですから、海王星が魚座に滞在することは「本来の場所に戻ってきた」という特別な意味合いがあるのです。海王星は「幻想、夢、魔法、宗教、無意識、救済、悲しみ、ガス、オイル、音楽、芸術、想像、共感」などを象徴するとされており、目に見えないものや境界を越えた世界といったイメージが浮かび上がります。海王星魚座時代にあたる今は、物質的な価値ではなく、精神的な価値がよりクローズアップされる時といえそうです。

「ダイバーシティ」「インクルージョン」「LGBT」といった、国籍や人種、性別や年齢、障害の有無などを越えた多様性を重視する取り組みや考え方の広がり、「デジタルネイチャー」といったデジタルとアナログが渾然一体となった新たな世界観の創造。境界が取り払われ多様化する価値観のなかで、自分の軸足をどこに置き、どのように社会と関わっていくのかが問われる時なのかもしれません。





参考サイト

宇宙情報センター

国立科学博物館

理化学年表オフィシャルサイト

参考文献

石井ゆかり『星をさがす』WAVE出版

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