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「満天の星空」「満天の星」「満点の星空」。正しいのはどれ?


夏登山の魅力といえば、高所で可憐に咲く高山植物や、夜空一面に光り輝く星々の美しさが挙げられます。

今月は三代流星群の「ペルセウス流星群」がピークを迎えていますが、みなさんは夏の夜空を見上げて、何気なく「満天の星空」と言っていませんか?

実は当たり前のように使われている言葉が、表現として間違っていることもあるのです。せっかく使うのであれば正しい日本語をインプットしておきたいもの。この機会に、天候にまつわる間違えがちな言葉をおさらいしておきましょう。

何気なく「満天の星空」と言っていませんか?正しくは「満天の星」

何気なく「満天の星空」と言っていませんか?正しくは「満天の星」


「満天」の「天」は何を指す?

「満天の星空」と「満天の星」……どちらもよく聞く表現ですが、どちらかは間違った表現です。一体どこが間違っているのかおわかりでしょうか?

「満天の星空」は誤りで、正しいのは「満天の星」です。

どちらも同じじゃない?と思われるかもしれませんが、「天」は「空」という意味ですから「満天の星空」は重複表現になります。

つまり「満天の星空」だと「空」が重なってしまうことになるのです。同じような例に「満面の笑顔」という表現もよく使用されますが、これも「顔」と「面」は同じ意味を表すので、正しくは「満面の笑み」。「温かいホットコーヒー」「馬から落馬する」のような重複表現になります。

なかには「満天」を「満点」と表記している人も!「満点の星空」はさらに恥ずかしい表現ですね。

SNSなどで「満天の星空 やばい!!!」といった表現をよく目にしますが、この機会に日本語として間違っていることを理解して、キャンプ場などできれいな星空を見上げたときは、「満天の星」「満天の星々」と使うようにしたいものですね。

「満天の星空」同様、「満面の笑顔」も間違った使い方です

「満天の星空」同様、「満面の笑顔」も間違った使い方です


「雨模様」は雨は降っている状態?降っていない状態?

「雨模様 」と聞くと「雨が降っているんだな」「雨が降ったり、やんだりしているんだな」という印象をもたれる人も多いことでしょう。ところが「雨模様」と言った場合は、実は雨は降っていない状態を指します。「雨」と言っているのになぜ?……と思う人も多いですよね。

ポイントは「模様」という言葉です。

本来、「模様」は「今にも○○になりそう」という状況で使う言葉。最近では「〜模様」は「すでにそうなっている状況」を指して使用されることも多いのですが、正しくは「雨模様」は「今にも雨が降り出しそうな曇り空」を指すということを覚えておきましょう。

雨が降りそうなときに使う「雨模様」

雨が降りそうなときに使う「雨模様」


「日影」と「日陰」どう違うの?

「ひかげで涼む」と言う場合、「日陰」と「日影」どちらを使うでしょうか? これは 同じ読み方なのに、使用する漢字が違うという日本語の難しいところですね。

「陰」は光や風、雨といったものが遮られた「場所」を指します。

「影」は光がある場所だからこそできる「かげ」を指します。

同じ「かげ」でも光があるかないかというまったく異なる意味合いをもつのですが、「ひかげで涼む」という場合、光が遮られた「場所」という意味ですから「日陰」が正しい使い方になります。

── 今回は、3つの天候にまつわる間違いやすい言葉をご紹介しましたが、みなさんは正しく使えていたでしょうか?

言葉は時代とともに変化していくもの。とはいえ、本来の意味を理解し、きれいで正しい日本語を使いたいものですね。

涼むのは「日陰」

涼むのは「日陰」

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