昨年末、チェーン規制に関する改正が公布・施行されました。これにより“異例の降雪時”に限り、たとえスタッドレスタイヤ着用車であっても“13地点”においてチェーン着用が義務化されました。改正からほぼ1ヶ月が経過しましたが、このチェーン規制について改めてご説明するとともに、スノードライブの注意点やスタッドレスタイヤのお話など、雪道運転に関するハウツーをご紹介します。
タイヤチェーン規制に関する改正を100%理解しよう!
今回のチェーン規制に関連する改正について、その全容をしっかり把握していますか? 改正からほぼ1ヶ月が経ち、かなり浸透してきた感はありますが、これから今シーズン初のスキー・スノーボードに出かける方も多いでしょうから、復習としてご説明したいと思います。
キーワードは“異例の降雪時”と“13地点”の2つです。まず、異例の降雪時とは、大雪特別警報や大雪に対する緊急発表が行われるレベルの降雪時。ちなみに、昨シーズンは大雪特別警報は発令なし、大雪に関する緊急発表は3回だったそうです。そして、13地点とはチェーン規制箇所。直轄国道が6ケ所、高速道路が7ヶ所の計13地点がチェーン規制の対象区間となります。
規制の対象区間はかなり限定的ですし、チェーン規制の回数もそれほど多くないことが想定されますので、ホッとした方も多いとは思いますが、そもそも、スタッドレスタイヤを装着していれば、チェーン不要という認識は正しくはないので、今回の規制を契機にチェーン搭載を検討してみてはいかがでしょうか?
【ここを通るなら、とくに気を付けたい!13ケ所のチェーン規制箇所】
■直轄国道 ①国道112号(西川町月山沢~鶴岡市上名川) ②国道138号(山梨県山中湖村平野~静岡県小山町須走字御登口) ③国道7号線(村上市大須戸~村上市上大鳥) ④国道8号線(あわら市熊坂~あわら市笹岡) ⑤国道54号線(広島県三次市布野町横谷~島根県飯南町上赤名) ⑥国道56号線(西予市宇和町~大洲市北只)
■高速道路 ①上信越道(信濃町IC~新井PA上り線) ②中央道(須玉IC~長坂IC) ③中央道(飯田山本IC~園原IC) ④北陸道(丸岡IC~加賀IC) ⑤北陸道(木之本IC~今庄IC) ⑥米子道(湯原IC~江府IC) ⑦浜田道(大朝IC~旭IC)
スタッドレスタイヤの寿命をしっかり把握して安全スノードライブ!
クルマでスキー場に行くなら、スタッドレスタイヤを履くのがベストな選択です。最近は着脱が容易になったチェーンも多くなっていますが、時間をロスすることに間違いはありませんし、雪の中で作業するのは慣れた人でもツラいものです。
もちろん、晴れた日で気温も高ければ、ノーマルタイヤでも走行に問題はありませんが、山の天気は変わりやすいもの。いつ雪が降るかわかりませんし、日陰部分は晴れでも凍結しているということもしばしば。そういった保険の意味でもスタッドレスタイヤ着用をおすすめします。
ちなみに、スタッドレスタイヤの寿命ってご存知ですか? 一般的に3~4年と言われていますが、使用頻度や保管方法でかなり変わってきます。基準となるのは“溝の深さ”と“ゴムの硬さ”。溝が浅いと十分に水の膜を取り除くことができず、ゴムが硬くなると路面に密着できなくなります。
溝の深さは溝の中の出っ張り「プラットフォーム」で確認します。摩耗してこのプラットフォームが露出してきたら、交換のサインです。ゴムの硬さは触感ではわかりづらいので、タイヤ専門店などにある専用の硬度計で測定してもらいましょう。
安全スノードライブ5つのハウツーをご紹介!
≪1≫運転前のチェックポイント5
①燃料は余裕をもって入れておく(スキー場周辺はガソリンスタンドは少ないですし、営業時間も短いので注意が必要) ②ウォッシャー液は不凍性のものを使用 ③車の雪はすべて落としてから走行(走行中に雪を落として後続車が事故を起こすことも) ④凍ったガラスはしっかり融かしてから運転 ⑤靴の裏の雪は落とす(アクセルやブレーキの踏み外し防止)
≪2≫雪国で駐車する際のチェックポイント3
①ワイパーをたてる ②サイドブレーキはひかない(凍結でブレーキが戻らなくなってしまうことも) ③駐車時はエンジンを切る(排気ガスの車内侵入を防ぐ)
≪3≫雪道運転のハウツー7
①降雪時は日中でもフォグランプ等を点灯 ②通常よりもスピードは控えめ、車間は大きく ③曲がり角やコーナーでは十分すぎるくらい減速 ④フットブレーキとエンジンブレーキを併用 ⑤カーブ手前では直線のうちにブレーキング、もしくはシフトダウンを終える ⑥のぼり坂では極力、途中で止まらない ⑦下り坂ではアクセルは極力一定に保ち、カーブに合わせて少しずつハンドルを切る
≪4≫路面凍結しやすい危険ポイント6
①交差点 ②のぼり坂・下り坂 ③カーブ ④橋の上 ⑤トンネル出口 ⑥日陰
≪5≫スタックした際の脱出術5
①小刻みに前進・バックを繰り返し、雪を踏み固めて脱出 ②車を押してもらう(車の動きに注意しよう) ③タイヤの下にチェーンや布を敷き、ゆっくりアクセスを踏む ④タイヤに砂をふりかける ⑤タイヤの空気圧を少し抜き、雪面設置面積を増やしてゆっくり進む(ガソリンスタンド等で適正空気圧に戻すことを忘れずに) ※どうしても脱出できない場合は、JAFなどに連絡しましょう。