平成30年の12月もそろそろ終わりに近づきました。今年は記録的な猛暑や甚大な災害など、近年まれに見ない印象深い一年だったのではないでしょうか。そんな一年を振り返りつつ、明後日には「大晦日」を迎えます。
日本の「大晦日」は、古くから年越しそばを食べ、除夜の鐘を聞きながら新年を迎えてきました。現代では海外や旅先などで思い思いの年末を迎える人も増えてきましたね。
しかし今年は、平成で迎える最後の「大晦日」であり、ある意味特別な「大晦日」でもあるのです。そこで今回は年末年始の季語や平成という時代も含めピックアップしてみました。
年末年始の季語あれこれ
○「大晦日」にあったこんな意味
「大晦日」は、一年が去り新しい年を迎える年越しであり、さまざまな行事が行われます。「みそか」とは月の初めから数えて30番目の日、つまり月末のことで、特に12月の末日を「おおみそか」というようになったそうです。
けれども、もうひとつの読みと意味があるのはご存じですか?
「大(おお)晦日(つもごり)」
「おお」は「大年(大晦日の異称)」、「つごもり」はツキコモリの意味であり、陰暦では月の下旬や末日に月の光がまったく見えなかったそうで、そのため、年の最後の日を「おおつごもり」と呼ぶようになったのだとか。ちなみに、大晦日の前日12月30日は「小晦日(こつもごり)と呼ばれています(参照:日本語、どうでしょう?)。
○あらためて「師走」とは?
よくいわれるのが、「師」が「走る」ほど忙しい月だから「師走」。確かに間違いではないようです。もう一つは、「為果つ月(しはつつき)」。一年の終わりの物事をなし終える、という意味もあるそう。「師走」の異称「極月(ごくげつ)」も、一年の極みをさす年末らしい言葉ですね。
○「去年今年」読みは?意味は?
「去年今年」は「こぞことし」と読みます。「去年(こぞ))」も単体の季語で、前の年のこと。それに「今年」を合わせたのが「去年今年」です。年越しをして新年になれば、たった一日で昨日は去年、今日は今年となる。この新年に感じる、時の速さへの深い感慨が「去年今年」なのです。ちなみに「去年今年」は冬の季語ではなく新年の季語に該当しています。
(参照:俳句歳時記(春~新年) 角川学芸出版 角川文庫)
平成の出来事を振り返ってみよう
最後に、平成元年と平成30年の主な出来事を振り返ってみましょう。
〈平成元年〉
・消費税施行 税率は3%
・美空ひばり、手塚治死去
・オウム真理教問題を追求していた坂本弁護士一家が殺害される
・中国で天安門事件発生、ベルリンの壁崩壊
・流行語大賞にセクシャルハラスメント、24時間タタカエマスカなど
・カラオケボックスが流行
・シングル1位 プリンセス・プリンセス:「Diamonds(ダイアモンド)」
・魔女の宅急便が公開
・年間ベストセラー1位 TUGUMI:吉本ばなな:中央公論社
・日経平均株価最高値 3万8915円87銭 ほか
〈平成30年〉
・平昌オリンピック開催。日本は冬季過去最多のメダル13個を獲得
・オウム真理教事件に関与した死刑囚全員の死刑が執行
・FIFAワールドカップロシア大会開催 日本はベスト16
・西日本で平成最大の豪雨被害
・埼玉県熊谷市で気象観測史上最高気温となる41.1度を記録。日本全国で猛暑
・歌手の安室奈美恵が引退
・北海道の胆振地方中東部で地震発生
・シングル1位 AKB48 – 「Teacher Teacher」
・年間ベストセラー1位 漫画 君たちはどう生きるか:吉野源三郎 原作/羽賀翔一 画:マガジンハウス
・漫画家さくらももこ死去 ほか
(参照:時事.JP)
平成の次の時代への「去年今年」
いかがでしたか?── 言葉や漢字の成り立ちを知ることは、日常生活に膨らみを持たせてくれるはず。
四半世紀以上の長きにわたって続いた平成の時代。それぞれが印象に残った出来事は違っているかもしれませんが、今年の「大晦日」から「新年」は、平成という時代の終わりと、平成30年のあらゆる出来事を過去とする、未来をまたぐ時をしみじみと思う機会なのかもしれません。まさに「去年今年」ですね。
みなさま、どうぞよいお年をお迎えください!