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「もったいない」から始めよう。食材使いきりのアイディア帖<大根編>


スーパーなどで安く手に入ったり、冷蔵庫に重複して購入してしまったりすることもある食材。ついついワンパターンだったり、どう食べようかと困ってしまったことはありませんか?

日本で排出される食品廃棄物はおよそ年間で2800万トン。このうち、食べられるのに捨てられている『食品ロス』は630万トンにものぼります。(この量はなんと、1人1日当たり、お茶碗1杯程度の食品を捨てている計算になります。)

食材を知って、おいしく、最後まで、たくさん食べられるアイディア、ご提案いたします♪


料理で変わる、驚くべき大根パワー

大根には消化酵素が含まれています。その効果がもっとも期待できる調理方法は大根おろしです。火も使わずに、簡単に栄養が摂取できてしまいます。

でんぷん分解酵素であるアミラーゼの効果を期待する場合は、大根おろしをからめて食べるからみ餅、おろしそばやうどん、スパゲッティなどがおすすめ。

たんぱく質分解酵素であるプロテアーゼの効果を期待する場合は、たこやお肉を大根おろしにつけ、よくもみ洗いしてから調理すると、素材がやわらかくなります。

脂肪分解酵素であるリパーゼの効果を期待する場合は、鶏唐揚げのみぞれ和え、大根おろしをのせた和風ハンバーグ、天ぷらに添える薬味などが良いでしょう。カロリーが気になる料理にはぜひ合わせて食べたいですね。

大根の葉はβ-カロテンを多く含む緑黄色野菜です。カルシウムや鉄などのミネラル類や、葉酸、ビタミンEなども含まれており、とくにカルシウムの含有量は、野菜の中でも上位です。捨てずに食べて欲しい部分です。


美味しい大根を見分ける目、ありますか?

美味しい大根を見分けるポイント、参考にしてみてください。

・持ったときにずっしりと重みがあるもの

・まっすぐなもの

・皮の色が白くキメが細かいもの、ハリやツヤのあるもの

・ひげ根が少ないもの

もうひとつ、「す」に気をつけてください。「す」とは成長しすぎなどが原因で、内部が割れたり亀裂が入り、空間ができてしまったもの。見た目だけでなく、食感や味も落ちるので購入は避けましょう。

「す」を見分けるには、茎の断面がとても大切。茎の切り口の中央が白くなっていたり、空洞になっているものは、根にも「す」が入っていることが多いので、よく見てくださいね。


一本って結構、多い?いえいえ、大丈夫です!

使い道の多い大根ですが、スーパーなどでは1/2カットなどで売られ、値段も割高だったり。保存方法さえマスターしてしまえば丸ごと一本買ってきても大丈夫。

大根の保存は、冷蔵庫で。入らない場合には、2つに切り、乾燥しないようにビニール袋に入れて密封してから冷蔵庫に入れます。なるべく畑で生えていた時と同じように、立てて保存しましょう。

葉付き大根を手に入れたときは、根と葉は切り分けて別々に保存しましょう。そのままでは、葉からどんどん水分が蒸発していってしまいます。

大根おろしは、冷凍できます。1食分ずつラップで小分けにして包み、密封袋に入れて冷凍します。ここでのポイントは平たく包むことです。早く冷凍できますし、また必要分だけを折り取って使うこともできます。また解凍も常温ですぐにできてしまいます。

これも大根の保存方法のひとつ「切干大根」

これも大根の保存方法のひとつ「切干大根」


部位で変えよう、調理のススメ

地上から縦に長く伸びて育つ大根。部位によって味ももちろん変わります。部位ごとにうまく使い分けをしちゃいましょう。

*葉

柔らかそうな葉は刻んで使い、固い茎の部分は薄く切って青みとして。

*葉に近い部分

甘みが強く固いので、生のままで食べるせん切りや薄切りなどで。

*中央部分

甘みが強くて柔らかいので、大きくカットして大根そのものを味わう料理に。辛みが苦手な人はこの部分をおろしに。

*先端部分

辛みが強く筋が多いので、すりおろしたり、細かく切って。

*皮

固くて水分が少ないので、歯ごたえを楽しむ料理に。

「大根おろし」を上手に取り入れるには?

薬味などで水っぽくしたくないときは、ザルに大根おろしをのせておけば、おろし自体の重みで簡単に均一に水気を切ることができます。おろしあえにするなど、調味液を含ませたいときにはそこからさらに少し搾ります。食べるときに思いの外、辛みが強すぎて食べにくい、なんて経験ありますよね。そんなときには酢やすだち、レモン果汁などを加えると辛みが抑えられます。


大根大量消費に貢献レシピ

ほぼ同じ材料から2品と、大根そのものを楽しむレシピをご紹介します。調理の違いで雰囲気や食感が変化。いずれもおかずだけでなく晩酌のお供にも向いています。大人も子どもも病みつきになってしまうメニューですよ。

その1.「大根もちもちあげ」

<材料>(作りやすい分量)

大根 約1/2本(500g)

長ねぎ 約2/3本(30g)

桜海老 大さじ3

塩 小さじ1/2

中力粉 1/2カップ

揚げ油 適量

レモンやカボス お好みで

<作り方>

1 大根は皮ごとすりおろし、ざるにあけ、軽く水気をきっておく。

2 ねぎは小口切り、桜海老は粗く刻む。

3 材料を全てボウルに入れて混ぜる。

4 スプーンなどを使って楕円形のボール状、ひと口大にまとめて、180℃の油で揚げたらできあがり。

☆食べるときにレモンやカボスを絞って食べれば、さらに美味です。

その2.アレンジ無限大の「簡単、基本の大根もち」

<材料>(作りやすい分量)

大根 1/3本(200g)

小麦粉 大さじ2

片栗粉 大さじ2

桜海老 大さじ1強

塩 ひとつまみ

ごま油 適量

<作り方>

1 大根はすりおろして軽く水気を切る。

2 材料を全てボウルに入れて混ぜる。10等分程度にして平たく丸める。

3 フライパンに油を熱して、弱火でしっくり焼く。薄く焼色が付いたら、裏返し、スプーンの背などで中央を押して凹ませる。

4 大さじ1程度(分量外)の水を入れて蓋をして、弱火のままでじっくり蒸し焼きにしたらできあがり

☆しっとり出来上がる火加減ですが、油多目の中火で表面をカリッとさせても。具にみじん切りのねぎやハム、ベーコンなどを加えても美味しいです。そのまま食べるだけでなく、最後に砂糖じょうゆを絡めたり、バターしょうゆ、酢醤油やラー油などお好みでアレンジも。

その3.切って焼くだけ「大根ステーキ」

<材料>(およそ4人分)

大根 2/3本

塩・こしょう 適量

オリーブオイル 大さじ2

しょうゆ お好みで

<作り方>

1 大根は皮ごと、2.5cm程度の輪切りにして、両面に塩・こしょうを少々振って下味をつける。

2 フライパンでオリーブオイルを熱し、大根を並べ入れて、蓋をして弱火に。

3 焼色が付いたら裏返し、中まで火が通るまで(およそ30分)じっくり焼いたら出来上がり。食べる際にしょうゆをかけてどうぞ。

☆じっくり焼くのが一番美味しいのですが、時短ワザで、大根を下ゆでしたりレンジで軽く蒸しておいても。オーブンでほったらかし、なんていうのもありです。また大根を並べ入れる前に、にんにくの風味を油に移しておいても美味しいですよ。シンプルなので、ごまドレッシングや味噌を載せたりと、アレンジができます。

番外編 余ってしまった大根葉を変身させよう

大根葉の使い道は、ふりかけや漬物でしょうか?ちょっとマンネリしてしまったり、タイミングを逃してしまって少し悪くなってしまった経験はありませんか。そんなときには潔く、天日干しを。カラカラになるまで干しましょう。大根は体を温めるイオウ分やカルシウム、ビタミンが豊富ですが、日に当たることでより成分が強化されるそうです。カラカラになった大根葉を入浴剤として使ってみてください。体を芯から温めてくれます。冷えや婦人科系の不調などの改善に役立つそうです。

参考

オレンジページムック 心地いい暮らしがしたい/オレンジページ

野菜をたくさん使ったレシピ カノウユミコ/社団法人家の光協会

JA全農やまぐち

クックパッド

 体の中だけでなく、外からも温まりたい時期になってきました

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