残暑から解放され、秋らしい日が続くようになりました。体も夏から冬へと切り替わる時期であり、なんとなくだるい、気分があがらないといった不調を感じている人も多いのではないでしょうか?
そんなときにおすすめなのが森林浴です。森林浴というと、キャンプや登山など遠出をするイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。今日は気軽にできる森林浴のお話をしましょう。
そもそも、森林浴って何のこと?
森林浴は、樹木に接し精神的な癒しを求める行為。1982年に当時の林野庁(農林水産省の外局)などによって提唱されました。
森林浴と聞くと、キャンプや登山などをイメージし、面倒などと敬遠する人もいるかもしれませんが、近所の公園や林を散歩する、植物園に見学に行くことなども、森林浴に含まれます。よって誰でも、日常に気軽に取り入れることができる行為なんです。
体にうれしい!森林浴の効果
森林浴には体によい効果がたくさんあると言われています。
◎フィトンチッド
森林特有の清々しい香りは「フィトンチッド」と呼ばれます。フィトンチッドは、植物が害虫や菌類などから身を守るために放出する化学物質の総称で、フィトンチッドを浴びると体によい影響があると言われています。一体どんな効果があるのか、詳しくみていきましょう。
【1】自律神経が安定する
副交感神経の活動が高まり交感神経が抑制されるため、リラックスした状態になると考えられています。
【2】ストレスホルモンを減少させる
ストレスホルモン「コルチゾール」の濃度を低下させると考えられています。
【3】血圧や心拍数を安定させる
ヒノキやマツ、スギなどの針葉樹から出る香りの成分「セルドール」。セルドールには呼吸を整え、心拍数を安定させる働きに期待が持てます。
【4】免疫力を高める
体内に入った異物に対して反応し退治する「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」。人間本来の免疫力を高めるNK細胞を増加させる効果に期待が持てます。
◎1/fのゆらぎ
小川のせせらぎや小鳥のさえずりなど、自然界にあふれる音は規則的でなく適度なゆらぎを持ちます。これらのリズムを「1/fのゆらぎ」といい、人はこのリズムに触れるとリラックスできると考えられています。
◎太陽光
太陽光にはカルシウムの吸収を促進するビタミンDを生成する働きがあり、日光浴をすることで骨が丈夫になります。また、太陽光には気分を高揚させるホルモンの分泌を増やしたり、免疫力を高める効果にも期待が持てます。森林の中は枝葉が太陽光を8割カットすると言われており、夏の強い日差しより体に優しい太陽光を浴びることができるのでおすすめです。
◎マイナスイオン
小川や滝など水のあるところにはマイナスイオンが発生しており、森林にはマイナスイオンが充満しています。マイナスイオンには体をリラックスさせ、細胞を活性化して疲労を回復する効果に期待が寄せられています。
―― 森林浴には体によいことがいっぱいあることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。これから紅葉のシーズンですし、ぜひ近くの公園や林の中を散策してみてください。きっとすがすがしい気持ちになれますよ!