秋の野山を美しく彩るコスモスたち。そよそよと風にたなびく姿はたおやかで、清楚。これまでのうだるような夏の暑さの疲れを労わってくれるような優しさです。
コスモスは、キク科コスモス属の総称です。花の形が桜の形に似ているので「秋桜」ともいわれ、数々のアーティストに歌われるような日本を代表する秋の花の一つです。
しかし、原産地は、遠く海を越えたメキシコの高原。その後、スペインに渡りマドリード王立植物園で「コスモス」と名付けられました。語源のコスモは、ギリシャ語の「宇宙」「秩序」。明治時代に日本に伝わりそのか弱い風情とは裏腹に、風雨に倒れてもまた咲き始めるたくましさから繁殖が旺盛で、あっという間に日本全国で見られるようになりました。本日は「コスモスの日」。そんなコスモスの魅力に迫ります。
花言葉いろいろ。色とりどりのコスモス
コスモスの一般的な花言葉は「乙女の純潔」「乙女の真心」「調和」「謙虚」ですが、色によって花言葉が変わります。
・ピンク色のコスモス
花言葉は「乙女のまごころ・純潔」
ピンク色のコスモスの花姿ににぴったりの可憐な花言葉です。
・白のコスモス
花言葉は「乙女の純潔・優美」
清楚な白いコスモスを表している花言葉です。
・赤のコスモス
花言葉は「乙女の愛情・調和」
濃いピンクや紫のコスモスもここに含まれます。
・黄色のコスモス(キバナコスモス)
花言葉は「野生美・自然美・幼い恋心」
風雨にもまけずまた花を咲かせる挫折知らずの生命力と可愛らしさの両方を持つあらわす花言葉です。
・濃い赤色のコスモス
花言葉は「恋の終わり・恋の思い出・移り変わらぬ気持ち」
チョコレートコスモスも含まれます。
なんだか切ない思いの言葉がこもった花言葉もありますが、チョコレートコスモスは、ほのかに甘い香りで色も素敵です。
ホワイトデーから半年目の「コスモスの日」。どんな日?
3月14日のホワイトデーから半年目となるこの日、プレゼントをコスモス(秋桜)の花に添えて交換し、お互いの愛を確認しあう日とされる一方で、「セプテンバーバレンタイン」といって女性の方から別れを切り出しても良い日で、紫色の物を身に付けて、白いマニキュアを塗り、緑のインクで書いた別れの手紙を直接手渡すというのがルールだという説も。
二人の関係は、毎日毎日1日1日積み重ねて二人で作り上げてゆくもの。これからの人生をコスモスのように色とりどりどりでたおやかに生きていくために、大切な人との関係をどのようなものにしていきたいのか、改めて考える日としても素敵ですね。
ガーデニング初心者向け、丈夫なコスモス
秋の花とされるコスモスですが、開花時期は長くは7月~11月頃です。実は開花のタイミングが異なる3種類があり、1つ目は7~8月頃に咲く「夏咲き」タイプ、2つ目が10~11月に咲く「秋咲き」タイプ、3つ目が夏咲きと秋咲きの間の9月に開花させる「早咲き」タイプです。
それぞれ3か月ほどで種から成長しますから、種まきは3月~9月中旬ごろまで。また、挿し木によっても増やすことができます。挿し木は、6~7月、9月頃が適期です。3節ほどを切り取り、赤玉土などに挿しこみます。挿し木の場所も植え替えをしなくて済むような庭か鉢植えがおすすめです。切り口から発根するまでは、水を吸い上げる力が弱いので、土が乾燥しないように、いつも湿らせておきます。
一面のコスモス畑も素敵ですが、幾輪かのコスモスを愛でるのも風流ですね。縁取りになっているものや形が変わっているものもあります。色はミックスになっている種もありますので、一度に楽しめそうですね。
気温、湿気などの変化に体が順応しづらい季節です。夏の疲れも出やすい時期、コスモスのように吹かれる風にたおやかに、ご自身のペースと環境の調和をはかりつつ元気に秋を迎えていきましょう。どうぞよい1日をお過ごしください。