命にかかわる危険な暑さが続いていますが、世界的にさまざまな気象の異常が報告されています。体力がない年配の方や子どもには、周囲の大人が気を配ってあげることが大切ですが、体力がある成人の方も日ごろからみずからの体調に配慮し、無理は禁物ですね。
そんな暑い夏に大人気のスポーツといえば、やはり「水泳」です。日射しを浴びない屋内プールには、夏休みに入った子どもはもちろん、涼を求めた大人が来場して大盛況となっているようです。
ところで、夏の体力維持にも効果的な水泳ですが、みなさんは4泳法を泳げますか? 4泳法を泳げるとバリエーションがつけられ泳ぐ楽しさが増すのですが、今回はこの夏チャレンジしたい4泳法の特長に迫ります!
ところで、みなさんは4泳法を泳げますか?
水泳の4泳法といえば、そう、「クロール」「平泳ぎ」「背泳ぎ」「バタフライ」ですね。この4泳法を全部泳げる人はどのくらいいるのでしょうか? 実は、この4つの泳法の中で泳げない人が統計的に多いといわれているのが「バタフライ」なのです。
一般的に学校の授業では、クロールや平泳ぎの練習が中心になります。スピードを出せるクロール、息つぎがしやすい平泳ぎは、教える側にとっても教えやすく、教えられる側にとっても習得しやすい泳法の入門編といえます。
また、学校での水泳の授業は、夏期のみ。限られた時間ではクロールや平泳ぎの優先度が高くなり、バタフライは後まわしにされやすい泳法となっているようです。
4泳法は、どの順で覚えるのが効果的?
まず、泳ぎの基本といえるのが「バタ足」です。
これから泳ぎを覚える子どもの場合、プールサイドに手をかけたり、ビート板を使うなどして、徹底的にバタ足の練習を行います。これはなぜかというと、バタ足を会得した体の動きに手の動きをつけたものがクロールになるからです。さらに、クロールとほぼ同じ動きの背泳ぎは、クロールと比較して息つぎがしやすい点から、クロールの次に習得しやすい泳法といえます。
最初に、統計的に4泳法の中で泳げない人が多い泳法はバタフライとご紹介しましたが、実は、意外に覚えやすい泳法でもあるのです。
それは、バタフライの動きは左右対称であることに所以するのですが、バタフライの泳法を思い浮かべればすぐにわかる通り「左右対称の体の動き」「息づぎがしやすい」というメリットがあります。こうした点からもバタフライは他の泳法よりシンプルなのですが、水しぶきを上げて泳ぐダイナミックさや、最も体力を使う泳法であることから、私たちは知らず知らずのうちに「難しい泳法」という印象を抱いてしまっているのかもしれません。
簡単そうで、実は難易度が高い「平泳ぎ」
学校の水泳の授業でもその泳法を習得する機会が多く、息つぎがしやすい平泳ぎ。この平泳ぎは4泳法の中で最も泳ぎやすいというイメージがありますが、実は4泳法中、高レベルの難易度なんです。
それはなぜかというと、
●キックの形が独特である
●手と足の動きが異なる……などがその要因
メドレー種目においては、平泳ぎの得意不得意が勝負を左右するといっても過言ではなく、レイコンマの秒数で勝敗が決まる水泳という競技では、平泳ぎの実力差によって勝負が決まる……ともいわれているのです。
そんな平泳ぎですが、実は「日本のお家芸」と呼ばれていて、過去の五輪でも金メダリストが多く誕生しました。
海外の選手と比べて小柄な日本人選手なのになぜ?……と思いますよね。それは、平泳ぎには身長やパワーだけではなく、緻密な技術が求められる高レベルの泳法だからなのです。
もちろん「ゆっくりのんびり泳ぐ」という方法であれば、息づきがしやすい平泳ぎは比較的簡単な泳法になりますが、レイコンマの秒数で勝敗を追求するアスリートにとっては、水の抵抗をいかに減らすかの観点で手足、あるいは指先の動きにも細心の注意を払っていることになります。そうした見方で、アスリートが水中でどのように足首を動かしているか……、あるいは両手の小指の位置をどうしているか……など細部に目を凝らすと、平泳ぎの難しさがよくわかることでしょう。
── 今回は4泳法についてご紹介しましたが、泳げない人であっても、水の抵抗を受けながら水中を歩くだけでも健康維持に効果的なので、お住まいの近くの行政が運営するプールなどに足を運んで、非日常的な時間を過ごしてみては!
また最近では、大人向けの水泳教室を開催するスポーツジムも増えているようです。東京五輪開催まで2年を切り、徐々に熱気が高まる中、効果的に体を動かせる水泳をあらためて習得して、健康増進、ダイエットに役立てるのも素敵ですね!