苔がブームです。「苔ガール」や「苔玉」など苔にまつわるワードもよく耳にするようになりましたよね。苔(コケ)はもともと岩や 古木などにへばりついている小さい生きものをひっくるめて「木毛・小毛(コケ)」と呼んでいたことが始まりだそうで、今でも植物として苔(蘚苔類)に分類されないものも「コケ」と呼ぶ場合があります。一般的な「苔」の概念が曖昧なんですね。そんなこともあって苔はなんだか神秘的な存在に感じるわけです。
梅雨は、苔が一番輝く季節。さぁ、今こそ苔を観に出かけましょう! 今回は西日本の苔スポットをご紹介していきます。
平泉寺白山神社/福井県勝山市
平泉寺白山神社は、かつて石で築かれた一大宗教都市だったそう。現在発掘されている2ヘクタールは全体のわずか1パーセントですが、国内最大の石畳道や石垣など戦国時代の面影を残す遺跡が多く残されています。
「日本の道100選」に選ばれた石畳の参道は、1キロメートルに渡って樹齢1000年を超える杉並木が続き、荘厳な雰囲気! 梅雨から夏にかけて、境内は一面フカフカの苔に覆われますので、「美しい日本の歴史的風土100選」に選定されたその景観と、中世の遺跡たちにたっぷりパワーをもらいましょう!
平泉寺白山神社
■所在地 福井県勝山市平泉寺町平泉寺56-63
■アクセス 【電車】えちぜん鉄道「勝山」駅よりバスにて「平泉寺白山神社前」停下車
【車】中部縦貫自動車道「勝山IC」より約15分
■期間 境内見学自由
■料金 無料 ※国名勝「旧玄成院庭園」は拝観料50円
■詳しくは平泉寺白山神社オフィシャルサイトをご確認ください
西芳寺/京都府京都市
奈良時代に開かれた古刹「西芳寺」は、別名「苔寺」とも呼ばれます。その名の通り、梅雨時には3ヘクタールの広大な境内を、120種類もの苔が覆いつくすのです。庭園は上下二段構えで、上段は枯山水の庭、下段は池泉回遊式の庭となっています。この特徴的な構造は、後の日本庭園に大きな影響を与えたそう。足利義政が銀閣寺を建てるときにも参考にしたんですって!
「古都京都の文化財」の一つとしてユネスコ世界文化遺産にも登録されている西芳寺、拝観は事前申し込み制とハードルが高いですが、ぜひ訪れたい苔スポットです!
西芳寺
■所在地 京都市西京区松尾神ヶ谷町
■アクセス 【電車】「京都」駅よりバスにて「苔寺」停下車、徒歩2分
■期間 2カ月前から拝観申し込み開始
■料金(拝観料) 3000円 ※事前申込制、詳細はオフィシャルサイト参照
■詳しくは西芳寺オフィシャルサイトをご確認ください
三千院/京都府京都市
「苔寺に行きたいけれど、事前申し込みが煩わしい」という方におススメなのが、こちら「三千院」です。
重要文化財の「往生極楽院」は平安時代に建てられたもので、国宝の「阿弥陀三尊像」が収められています。そして往生極楽院南側、弁天池のほとりこそ、緑鮮やかな苔スポット。ボコボコと波打つ地面を優しく覆う苔を眺めていると、おや? あちらこちらに可愛らしいお地蔵様たちが顔を出しているではありませんか! このお地蔵様たちは石彫刻家の杉村孝氏の作品「わらべ地蔵」。なんともいえない表情でたたずむその姿は、見ているだけで癒されますよ♪
三千院
■所在地 京都市左京区大原来迎院町540
■アクセス 【電車】JR「京都」駅よりバスにて「大原」停下車、徒歩約10分
■期間/時間 3月~12月7日/8:30~17:00、12月8日~2月/9:00~16:30
■料金 一般 700円、中学生・高校生 400円、小学生 150円
■詳しくは三千院オフィシャルサイトをご確認ください
白谷雲水峡/鹿児島県屋久島町
「白谷雲水峡」は、屋久島でも特に苔が深い424ヘクタールの広大な森林です。中でも映画「もののけ姫」のモデルになったことで知られる「苔むす森」エリアには、約600種類の苔が生息しているんですよ。
白谷雲水峡で最もよく目にするのは「ヒノキゴケ」でしょうか。触るとなめらかで気持ちいい苔です。緑が鮮やかで水をよくはじく「フォーリースギバゴケ」や、ムクムクしたフォルムが特徴の「ムクムクゴケ」、優雅な羽のような「ウツクシハネゴケ」など、実にさまざまな苔を観察できるので、ルーペ片手に散策を楽しんでくださいね!
白谷雲水峡
■所在地 鹿児島県熊毛郡屋久島町宮之浦岳・石塚国有林内
■アクセス 【電車】宮之浦港からバスにて「白谷雲水峡」停下車
■期間 年中開放 ※冬季は降雪のため通行止めになることも
■料金(協力金) 高校生以上500円
■詳しくは鹿児島県観光サイト「かごしまの旅」をご確認ください