三寒四温という言葉通り、気温の変化が大きい日が続いています。春の陽気の日は元気に活動したいところですが 、一方で「なんだがだるい」と感じる人も多いようです……。それは、眠っていた冬の体が目覚め、活動を始めようとしているサインかもしれません。今の時季、スーパーなどで見かける色鮮やかな春野菜は、見ているだけで元気をもらえますが、だるさを感じている時こそ、豊富に栄養がつまった春野菜を食べてパワーをチャージしましょう!
春野菜はどうして栄養がつまっているの?
寒い冬は新陳代謝が低下する季節です。山に住む動物たちが脂肪などの栄養分を溜め込んで冬眠するように、冬場は私たち人間も体内に脂肪や水分を溜め込もうとします。
やがて暖かい春がくると、身体に溜め込んだ余分な脂肪や水分を外に出そうと働き出します。その働きを「デトックス(解毒)」と言います。
冬の寒さに耐えた春野菜も同様に栄養分がつまっています。また、菜の花や山菜類など、春野菜には苦味のあるものが多いのも特徴。苦味成分は「植物アルカロイド」と呼ばれ、デトックス効果が期待できます。
春野菜の特徴的な成分について知ろう
春野菜に含まれる代表的な栄養素について説明しましょう。
◎植物性アルカロイド
春野菜特有の苦味の成分。腎臓のろ過機能を向上させ、新陳代謝を促進し、老廃物を体外に排出効果に期待
たらの芽、ふきのとう、ウドなど
◎イソチオシネアート
肝臓の解毒作用を強化する効果に期待
春キャベツ、チンゲン菜など、アブラナ科の春野菜
◎テルペン
精油成分。血行促進やストレス緩和、抗酸化作用に期待
せり、セロリ、あしたばなど、セリ科の春野菜
◎フラボノイド
ポリフェノールの一種。抗酸化作用に期待
サヤエンドウやグリーンピースなどマメ科の春野菜
◎βカロテン
活性酸素を除去し、細胞の老化抑制効果に期待
チンゲン菜、セリ、パセリ、ワケギ、グリーンアスパラ、グリーンピース、サヤエンドウ、スナップエンドウなど
◎食物繊維
腸内の善玉菌を活性化し、老廃物を体外に排出する効果に期待
チンゲン菜、根三つ葉、ワケギ、グリーンピース、サヤエンドウ、スナップエンドウ、タケノコなど
◎アリシン
「香り」成分。活性酸素を除去し、疲労回復効果に期待
ネギ、ワケギ、タマネギなど
◎アスパラギン酸
利尿作用があり、老廃物を体外へ排出する。乳酸など疲労物質を除去する効果にも期待
グリーンアスパラ、ウドなど
◎カリウム
体内の不要なナトリウムを体外に排出し、高血圧を予防する効果に期待
セリ、根三つ葉、ワケギ、タケノコなど
◎微量元素(鉄やマンガン、亜鉛、ゲルマニウムなど)とビタミンCやE
微量元素には利尿作用があり、老廃物を体外に排出させる効果に期待
ビタミンCやEは微量元素と一緒になって、有害な活性酸素を除去する
―― 冬の間じっと過ごし栄養を蓄えていたのは、人間も動物も植物も同じ。パワーがつまった春野菜を食べて、さあ、元気に活動を始めましょう。