オホーツク海側にて本格的な流氷観光シーズンを迎えようとしているいま、「知っているようで知らない地球のトリビア」第3弾のテーマは、地球の表面積の約7割を占めている海についてです。
「青い惑星」「水の惑星」といわれるように、地球は太陽の周りを回っているほかの惑星と違い、豊富な水に恵まれています。そして、その地球の水の大半が海の水です。
5つの大海とそれに付属する海の水は、ゆったり時間をかけて地球を循環しているのです。さらには、塩辛い海の水も、昔はまったくちがう味だったそうなのですが……。
地球上の水の97.5%が海の水。生活用水は地球上の水の約0.01%くらい
1961年、世界で初めて宇宙に行ったユーリー・ガガーリンは「地球は青かった」という名言を残しています。
確かに宇宙から地球を撮影した画像などを見るときれいな青い色をしていますが、これは海の色。海は地球の表面の約70%を占めていて、その面積はおよそ3億6000万km2です。
また、地球上の水をすべて合わせると約14億km2あり、その約97.5%が海水です。淡水は3%にも満たないのですが、さらにそのうちの7割は南極大陸などの氷であり、そのまた残りのほとんども地下水で占められています。
こうしてみると、日ごろ私たちが生活で使用できる水は、地球上の水の約0.01%くらいということになります。この数字から水がいかに貴重かがわかりますね。
5つの大洋と付属海
海には5つの「大洋」と「付属海」がありますが、「大洋」とは言葉の通り大きな、広い海。
〈太平洋〉〈大西洋〉〈インド洋〉〈南極海〉そして〈北極海〉が5大洋と呼ばれています。中でも〈太平洋〉は最も広く、その面積はほかの4つの大洋の合計と同じくらいといわれます。〈太平洋〉と〈大西洋〉を北と南でわけ、7つの海と呼ぶこともあります。
一方、「付属海」は「大洋」よりも浅く、海の状態も付属する「大洋」の影響を大きく受けることからこのように呼ばれています。「付属海」にもさらに2つの種類があります。それは、
2つ以上の大陸に挟まれている、または大陸の中に深く入り込んでいる〈地中海〉。
そして大陸の沿岸、半島や列島で大洋の一部が囲まれた〈縁海〉です。
しょっぱい海の水、昔は酸っぱかった
海水には主に塩素、ナトリウム、硫黄、マグネシウム、カルシウム、カリウム、炭素、そして臭素などが溶けています。この中で塩素とナトリウムが化合したのが塩で、これが海の水を塩辛くしています。その塩分は海水の約3.5%です。
海の場所によってもその塩分濃度は変化します。例えば、北太平洋では塩分が低く、反対に北大西洋や南極海では塩分が高いという具合です。
海面からの蒸発によって海水の中の水分が減れば濃度は高くなりますし、雨や川から水が流入すれば濃度は低くなります。さらに北極や南極など水分が氷になったり、反対に溶けて水になったり……。それぞれの海の置かれた環境によって濃度が変わるため、塩辛さも変わるというわけです。
ちなみに、海水に溶けた塩は、もとは陸地の岩などに含まれていたものが雨水に溶け、川から海に流れてきたといわれています。また、地球が誕生したころの海は強い酸性でした。もしその味を試したとしたら、ものすごく“酸っぱかった”のではないでしょうか?
1000年から2000年かけて世界を循環する海の水
海の水は循環していますが、その循環には「風成循環」と「熱塩循環」の2通りあります。
「風成循環」は、風の力で循環するもの。一方の「熱塩循環」は、海水の温度と塩分の密度の差によっておこると考えられています。
冷たい海では海水が沈み、ゆっくりと世界をめぐって温かい熱帯や亜熱帯の海で海面に湧き上がるというもので、長い期間を経て世界を回ります。諸説あるようですがおよそ1000年から2000年で一周という、ゆっくりとした循環です。
ただ、最近では循環を起こす要因は密度差だけではないといった理由から、「熱塩循環」という言葉を使わずに「大循環」などといわれることもあるようです。
子どものころに読んだ昔話の本には、魔法の石臼が海の底で塩を出し続けているというお話がありました。海のことについては、まだ解明されていないこともたくさんあります。ある意味、地球上で冒険の余地が残された、未知の世界なのです。
参考HP:国土交通省、文部科学省、水道局、海洋政策研究所、海洋研究開発機構、公益財団法人日本海事広報協会