
熊本県では大雨特別警報が発表され、これまで経験がないような大雨となっています。このあとも落ち着いて命を守る行動をとってください。すでに土砂災害や浸水害が発生している所もありますので、危険な場所には絶対に近づかないようにしてください。
●熊本県に大雨特別警報 命を守る行動を
昨日10日から今日11日にかけては、九州で線状降水帯が相次いで発生し、熊本県では過去に経験がないような記録的な大雨となっています。たった6時間の降水量が熊本県玉名市岱明(たいめい)で370.5ミリ(午前2時20分まで)、熊本市で295.5ミリ(午前3時50分)など、平年の8月1か月分の降水量を優に超える雨量が観測されています。(※玉名市岱明の8月1か月の平年の降水量は180.7ミリで、6時間で2倍超。)
午前11時30分現在も、熊本県には「線状降水帯」が解析されていて、危険な大雨が続く深刻な状況となっています。上の図は、土砂災害の危険度を示していますが、熊本県の天草市、上天草市、八代市付近には黒の「災害切迫」の表示が見られます。雨が多少弱まっても油断せず、少しでも安全な場所でお過ごしください。
状況を踏まえて、家の中にいる場合には、1階より2階以上へ、裏山がある際には、山と反対側の部屋で過ごすようにしてください。
活発な雨雲は午後はやや北上傾向です。熊本県は午後3時頃までは特に大雨や災害に最大級の警戒を続けてください。
●大雨が発生 とるべき対応は
九州では過去に経験のない記録的な大雨となっています。安全を確保するために以下の点に注意してください。
①河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。
②運転はできる限り控えて、どうしても運転が必要な際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によって、ドアが開かなくなったりして、車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。
③すでに土砂崩れも発生しています。山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。
④地下は浸水のおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では、危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。
⑤上流にダムのある河川の近くに住んでいる場合は、ダムの水位情報などを確認するようにしましょう。大雨が長時間にわたって降り続くと、ダムは決壊を防ぐために放流を始める場合があるため警戒が必要です。
●緊急放流とは
「緊急放流」とは、大雨でダムに流れ込む水の量が多くなり、ダムが貯水できない状態に近づいた場合に、流入する水と同じ程度の量を放水する緊急的な操作です。
ダムに貯めてある水を一気に流すわけではありませんが、「緊急放流」が始まるとダムの下流の河川では水位が上昇し、氾濫のおそれがでてきます。
ダム下流の地域にいる人は、「緊急放流」が開始される前に、自治体からの避難情報を確認し、適切な避難行動をとるようにしてください。
●避難する前に やるべきことをチェック
いざ、危険な場合は、命を守るために、なるべく早く避難所へ向かうことが大切です。ただ、急いでいても、避難所へ向かう前には、次の4つのことを忘れないでください。
①火の元を、確認しましょう。
②ガスの元栓は、閉めてください。
③電気のブレーカーは、落としておきましょう。
④戸締りを、確認しましょう。
持ち物は最小限にして、リュックなどに入れ、両手が使えるようにして、避難してください。もし、忘れ物をしても、家へ戻るのは危険ですので、絶対に止めましょう。