台風5号「マリア」は、この先、発達しながら日本の東の海上を北上する見込みです。12日頃には暴風域を伴いながら、北日本にかなり接近し、上陸する恐れがあります。北日本では暴風や高波、大雨による土砂災害や低い土地の浸水、川の増水や氾濫に警戒してください。お盆を前に、帰省などで北日本方面へお出かけを予定されている方は、最新情報をこまめに確認し、予定の変更も視野に入れましょう。
●接近前から影響も 帰省ラッシュの足止めの可能性
3連休からお盆にかけての全国の天気です。
沖縄から東海にかけては晴れる日が多く、厳しい残暑がまだまだ続くでしょう。天気が急変する日もあり、山や川のレジャーを考えられている方は注意が必要です。
関東と東北は、台風5号がもたらす暖かく湿った空気や台風本体が接近する影響で、12日にかけては雨が降るでしょう。東北ではその後も雨が降ったりやんだりで、関東も雨の日が多い見込みです。
北海道は、期間の初めは晴れ間があるでしょう。12日以降は雲が広がり、雨の降る日もある見込みです。
台風の影響で、お盆の前半は交通機関などに影響が出る恐れがありますので、こまめに最新の気象情報を確認してください。可能であれば、帰省などの移動は日にちをずらすなど、予定の変更も視野に入れましょう。
●北日本は大雨による土砂災害・暴風・高波などに警戒
台風本体は本州からまだ離れていますが、10日以降は次第に北日本の太平洋側を中心に風が強まり、波が高くなるでしょう。
○風の予想
北日本の海上では、10日は次第に風が強まり、11日は非常に強い風が吹く所がある見込みです。
・10日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
東北 15メートル (25メートル)
北海道 15メートル (25メートル)
・11日に予想される最大風速(最大瞬間風速)
東北 20メートル (30メートル)
北海道 15メートル (25メートル)
その後、北日本では12日頃は、海上を中心に非常に強い風や猛烈な風が吹く恐れがあります。
○波の予想
北日本では、10日は波が高くなり、11日は大しけとなる見込みです。
・10日に予想される波の高さ
東北 4メートル うねりを伴う
北海道 3メートル うねりを伴う
・11日に予想される波の高さ
東北 7メートル うねりを伴う
北海道 4メートル うねりを伴う
その後、北日本では12日頃は、猛烈なしけとなる恐れがあります。
さらに、雨も心配です。
○雨の予想
北日本では、11日は台風の影響で雷を伴って断続的に激しい雨が降り、大雨となる所があるでしょう。
・10日18時から11日18時までに予想される24時間降水量は、多い所で、
東北日本海側 60ミリ
東北太平洋側 150ミリ
その後、
・11日18時から12日18時までに予想される24時間降水量は、多い所で、
東北日本海側 150ミリ
東北太平洋側 200ミリ
です。
暴風や高波、土砂災害、河川の増水や氾濫、低い土地の浸水に警戒してください。
●既往最大比 岩手県で150%以上も 災害発生危険度が極めて高くなる恐れ
こちらは、12日正午までに予想される48時間降水量の最大値とその降水量が、それぞれの場所において過去最大の降水量と比較して何割に達するのか、ということを示しています(既往最大比※)。
これが100%前後に達すると、甚大な被害の発生する可能性が高まり、150%を超えると犠牲者の発生数が急増する可能性があるという研究結果があります。
12日正午までの48時間に岩手県沿岸を中心に過去最大雨量の120~150%もの雨が降ると予想され、甚大な災害がさらに拡大する恐れが高くなっています。
8年前の2016年、台風10号が襲来した際も甚大な被害が発生しました。ハザードマップや非常用品の確認、避難場所を確認するなど大雨への備えを早めにお願いします。11日からは雨が強まりますので、10日のうちに避難等を済ませておくことを検討してください。
※ 既往最大比とは、解析雨量が1kmメッシュ化された2006年5月以降に観測された雨量の最大値との比のことです。