梅雨入りしている沖縄では、今夜から雨脚が強まり、明日3日(月)の朝にかけて非常に激しい雨が降る所があるでしょう。大雨によって土砂災害や低い土地への浸水、川の増水の恐れがありますので、十分に注意してください。
●沖縄で警報級の大雨の恐れ
梅雨前線が停滞している沖縄では、断続的に雨が降り、今夜から明日の朝にかけては前線上を進む低気圧が近づくため、先島諸島を中心に大雨となるでしょう。
低気圧や前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込むため、大気の状態が非常に不安定になり、発達した雨雲や雷雲が先島諸島にかかり続け、沖縄本島にも一部かかる見込みです。雷雨や非常に激しい雨が降り、警報級の大雨になる恐れもあります。土砂災害や低い土地への浸水、川の増水などに十分に注意してください。また、雨の強まる時間が夜の暗い時間帯にあたります。明るい昼間のうちに準備を進めておくとよいでしょう。
【予想降水量】
明日3日06時までの24時間に予想される雨量は多い所で
沖縄本島地方 100ミリ
先島諸島 150ミリ
の見込みです。
●非常に激しい雨って どんな雨?
非常に激しい雨は、1時間雨量が50ミリ以上~80ミリ未満の雨を表しています。これは、滝のように降る雨で、ゴーゴーと降り続くイメージです。また、傘は全く役にたたないレベルで、木造住宅の屋内では、寝ている人の半数くらいが雨に気づくほどです。外では水しぶきで、あたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなるため、車の運転は危険です。
なお、1時間に50ミリの雨というのは、雨水が別の場所に流れず、そのまま、たまる状態だと、降った雨が50ミリの高さになるくらいです。1時間に50ミリの雨が、1平方メートルに降ると、50リットルの量になります。例えば、傘を開いた面積がおおむね1平方メートルなので、1時間、傘をさしていると、牛乳パック50本分もの雨が、傘にあたることになるのです。
ただ、実際は、まわりの雨水が集まると、その地点に降った雨の量よりも多く、水がたまることもあります。非常に激しい雨が降ると予想される所では(非常に激しい雨が降った所では)、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水・氾濫に、十分ご注意ください。
●大雨が発生 とるべき対応は
実際に大雨が発生したら、適切な対応ができるよう、事前に確認しておくことが大切です。安全を確保するために以下の点に注意してください。
① 河川や用水路には近づかないでください。普段は流れの遅い河川や用水路でも、大雨によって水かさが増したり、流れが速くなったりします。増水した用水路は道路との境目が分からなくなっていて、足を取られるおそれがあります。
② 運転の際は、アンダーパスなど低い道路は避けるようにしてください。低い道路には雨水が流れ込みやすいため、すぐに冠水してしまうおそれがあります。車が水没して故障したり、水圧によって、ドアが開かなくなったりして、車内に取り残されると、非常に危険です。無理をして通らず迂回するなどの対応をとってください。
③ 山などの急な斜面はいつ崩れるか分からないため、決して近づかず、斜面とは反対側に避難するようにしてください。土砂災害警戒情報や大雨警報の危険度分布を細かく確認して、状況を常に把握するようにしましょう。
④ 地下は浸水するおそれがあるため、雨漏りなど異変を感じたら地上に移動するようにしてください。地下では、危険を察知することが遅れてしまいがちです。こまめに気象情報を確認し、速やかに地上に移動できるようにしておきましょう。
⑤ 上流にダムのある河川の近くに住んでいる場合は、ダムの水位情報を確認するようにしましょう。大雨が長時間にわたって降り続くと、ダムは決壊を防ぐために放流を始める場合があります。