日本海から北陸に見られる活発な雪雲の帯(JPCZ)が、午後は次第に南下する見込みです。今夜から明日23日の午前中にかけて、近畿北部では大雪のおそれがあり、中部でも積雪や路面凍結の可能性があります。雪のピークは、気温の低い夜間と重なります。短時間で積雪が急激に増えた場合は、車の立往生などのおそれもあるため、十分注意が必要です。
●今夜はJPCZが関西へ 雪のエリアは内陸にも
日本付近は強い冬型の気圧配置が続き、近畿地方の上空には強い寒気が流れ込んでいます。今夜から明日23日の午前中にかけては、過去にもたびたび大雪をもたらしたことがある、発達した雪雲の帯(JPCZ)が近畿地方へ南下する見込みです。現在は西風のため、まだ雪の降っている場所は日本海側の沿岸部や和泉山脈、紀伊山地などが中心ですが、今夜は北風が入ってきます。そうなると、北部では内陸部にも雪雲が流れ込むようになり、中部(京都市や大津市など)にも達します。
今回の雪のピークは、気温が低い夜間と重なります。北部では警報級の大雪のおそれがあり、中部でも積雪、路面の凍結する所があるでしょう。場合によっては市街地でも短時間で雪の量が一気に増えて、立往生など交通機関に影響が出るおそれもあります。なるべく早めに帰宅するなど、雪雲の襲来に備えてください。
●日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)とは
冬型の気圧配置が強まると、シベリア大陸から冷たい風が日本海に流れ込みます。この冷たい風は、朝鮮半島北部に位置する長白山脈(最高峰:白頭山2744メートル)によって、いったん二分されますが、その風下である日本海で再び合流し、収束帯(雪雲が発達しやすいライン)が形成され、雪雲が発達しやすくなります。
この収束帯のことを「日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)」と言います。こうしたJPCZの影響を受けるのは、主に東北南部や北陸、山陰などです。JPCZによって、雪雲が発達しやすくなり、その雪雲が次々と流れ込むため、大雪となることが多々あります。
●普段は雪の少ない所で「大雪」も 特に注意すべき場所は?
普段、雪に慣れていない方が、雪道を歩く際、特に注意すべき所は4つあります。
1つめは、歩道橋の上や、橋の上です。地面と接していないので、地面からの熱が伝わりにくく、凍結しても溶けにくいのです。
2つめは、バスやタクシーの乗り降り場所です。人の乗り降りや、車のタイヤによって、雪が踏み固められると、滑りやすくなります。
3つめは、横断歩道です。多くの人や車が通ることで、雪が踏み固められやすくなるだけではありません。特に、白線部分は、水が染み込みにくく、薄い氷の膜が出来やすいのです。
4つめは、地下への出入り口や、建物への出入り口です。靴の底に付着していた雪が、出入り口付近に残っていることもあります。地下へ降りる時は、段差があるため、更に危険です。
これらの場所では、特に気を付けて歩いてください。