1918年(大正7年)1月9日、新潟県南魚沼郡三俣村(現在の湯沢町字三俣)で、雪崩が発生しました。「三俣の大雪崩」と呼ばれ、日本史上最悪の雪崩災害ともいわれています。
●1918年(大正7年)1月9日 「三俣の大雪崩」
1918年(大正7年)の1月9日、新潟県南魚沼郡三俣村(現在の湯沢町字三俣)で、雪崩が発生しました。「三俣の大雪崩」と呼ばれ、この雪崩による圧死者は155名にのぼり、日本史上最悪の雪崩災害ともいわれています。
気象庁の前進である中央気象台による天気図では、1918年1月2日から9日にかけて、冬型の気圧配置が強まっています。
この時の記録は、大正七年新潟県気象報告に「一月九日三俣村の大頽雪」として残っています。
南魚沼郡三俣村の最低気温は、3日から7日にかけてマイナス10℃を下回り、8日はマイナス9.5℃、9日はマイナス9.6℃でした。
日降雪量は、清津川流域三国村で4日に10.0寸(約30センチ)、8日に11.0寸(約33センチ)、9日に10.0寸(約30センチ)を観測、魚野川流域湯沢村で6日に13.0寸(約39センチ)、7日、8日、9日いずれも10.0寸(約30センチ)を観測しています。
雪崩が発生した9日、午前10時の積雪の深さは、清津川流域三国村で57.0寸(約173センチ)、魚野川流域湯沢村で83.0寸(約252センチ)を観測しています。
大きな惨害に至った原因として、暴風が吹いていたことも挙げられています。
●雪崩が発生しやすい条件
雪崩は、すべり面の違いによって表層雪崩と全層雪崩に分けられています。
表層雪崩は、急傾斜の斜面に発生しやすく、特に雪庇や吹きだまりができている斜面に多発します。気温が低い時、かなりの積雪の上に、短い時間に多量の降雪があった場合、1月から2月にかけて多く発生します。
全層雪崩は、過去に雪崩が発生した斜面や山腹の傾斜地が発生地点になることがあり、気温が上昇する春先、雨のあとやフェーン現象で気温が上昇したときに発生しやすくなります。斜面に積雪の亀裂が発生している時も発生しやすくなります。
参照:国土交通省ホームページ
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sabo/nadare.html
●今週後半は春先のような気温 雨や湿った雪が降る日も 雪崩に注意
きょう9日午前7時、北海道の広い範囲と東北から中国地方の日本海側を中心に雪が積もっており、東北南部の日本海側や北陸の山沿いでは、積雪の深さは200センチくらいになっています。
12日から14日頃、日本付近は暖かい空気に覆われるでしょう。広く春先のような気温が数日続く見込みです。14日から15日は、日本海を低気圧が東へ進み、広く雨や湿った雪が降るでしょう。
「三俣の大雪崩」のように、大雪や暴風が吹いた気象条件とは違いますが、積雪の多い地域では、雪どけが進むため、雪崩に注意が必要です。