台風16号は、きょう27日(月)正午に「大型」で「非常に強い」台風に。過去に似たコースをたどった台風では、伊豆諸島などで記録的な大雨となりました。台風接近までに早めの備えを。
●台風16号 接近前から海は大しけ
台風16号は、きょう27日(月)午後3時現在、沖ノ鳥島近海にあって、ゆっくりとした速さで北北西に進んでいます。中心気圧は925hPa、中心付近の最大風速は50メートル、最大瞬間風速は70メートルと、「大型」で「非常に強い」勢力です。「大型」の台風は、風速15メートル以上の強風域の半径が500キロ以上~800キロ未満で、より広い範囲で風が強く吹くことを意味しています。
今後も発達しながら北上し、あす28日(火)には再び「猛烈な」勢力に。10月1日(金)午後3時には「非常に強い」勢力で伊豆諸島近海に進む予想です。10月1日(金)頃は、伊豆諸島だけでなく、関東でも大荒れの天気になるおそれがあります。
また台風が接近する前から、海上では波が高くなっていて、あす28日(火)は沖縄の大東島地方を中心に大しけとなる所があるでしょう。29日(水)は奄美や小笠原諸島でも大しけとなる見込みで、高波に警戒が必要です。
●類似台風 共通点は?
過去の秋台風で、今回の台風16号と似たコースをたどるのが、1982年の台風21号と、2013年の台風26号です。どちらの台風も10月に発生して、南の海上を発達しながら北上。伊豆諸島に近い所を通過しました。
「1982年台風21号」は、伊豆諸島付近を通過した10月9日午前0時の中心気圧は940hPa。現在、南の海上をゆっくり北上中の台風16号が伊豆諸島近海に進む、10月1日午後3時の中心気圧は950hPaと、予報円の中心を通ればこの時に近い中心気圧で通過する予想です。
また「2013年台風26号」は、伊豆諸島に近づく頃には「大型」で「強い」勢力で、10月16日午前0時の中心気圧は955hPaでした。伊豆大島では猛烈な雨が数時間降り続き、24時間の降水量は824.0ミリと、伊豆大島では観測史上1位の大雨に。大規模な土砂災害が発生しました。伊豆諸島だけでなく、西日本から北日本の広い範囲で暴風や大雨をもたらした台風で、停電や鉄道の運休、航空機・フェリーの欠航など交通への影響も大きくなりました。
●避難場所や避難経路 確認しておくポイントは
いざ、避難する場合に備えて、あらかじめ避難場所や避難経路を確認しておくことは、とても大切です。その際、ポイントが3つあります。
①市町村が作成しているハザードマップや、地域防災計画を見て「自分の住む地域は、どのような災害のリスクがあるのか」「災害が発生した時の避難場所はどこか」「安全な避難経路はどこか」確認しておきましょう。その際、氾濫の恐れがある河川や、土砂災害の恐れがある所も確認しておくと、避難経路を決める時に役立ちます。また、自宅だけでなく、学校や職場など、よく立ち入る場所はどのような危険があるかも、家族で一緒に確認しておきましょう。
②浸水(冠水)した場合は、避難経路が限られてしまいます。事前に、複数の避難経路を確認しておきましょう。
③夜間は、昼間よりも、周囲の状況を把握しにくくなります。夜間の避難に備えて、建物など目印を決めて、避難経路を覚えておきましょう。
もしもの時に備えて、避難場所への避難経路を実際に歩いて、確認しておくのもおススメです。