大型で非常に強い台風19号は、12日の夕方から夜にかけて本州に上陸する予想です。これまでに経験したことのないような、大雨や暴風になる恐れがあります。場合によっては、避難所へ避難しなければならない状況になります。避難の心得と、その適切なタイミングを知る方法をまとめました。
●情報の種類を把握
避難をするかどうかの判断に使える情報には、大きく分けて2つあります。
1つは、市町村から発令される「避難情報」です。避難準備の情報や避難勧告、避難指示(緊急)があります。
もう1つは、国土交通省や気象庁、都道府県から発表される「防災気象情報」で、主なものに注意報や警報、土砂災害警戒情報などがあります。
「避難情報」が発表されたら避難をするのはもちろんですが、「防災気象情報」を使って警戒レベルを把握し、避難のタイミングを知ることによって、自主的な避難行動の参考にすることもできるのです。
●警戒レベルを活用 レベル4は"全員避難"
警戒レベルには5段階あり、最も危険度が高いものが「警戒レベル5」となっています。
ただし、避難開始になる目安は「警戒レベル3」や「警戒レベル4」であることに注意しましょう。
市町村は、防災気象情報をはじめとするさまざまな情報をもとに避難情報を発令するため、同じレベルの避難情報と防災気象情報の出るタイミングは、必ずしも同じになるとは限りません。
避難情報が発令されていなくても、避難が必要とされる警戒レベル3や警戒レベル4に相当する「防災気象情報」が発表されたら、自主的に避難行動をとるように心がけましょう。
●避難所に避難開始 気を付ける点は
●まずは落ち着いてから行動
パニックになっては、思わぬ事故に巻き込まれる恐れもあります。まずは深呼吸して落ち着いてから、「今やるべきこと」を冷静に1つずつ判断していきましょう。
●正しい情報をもう一度確認
今避難しなければいけないのか、どこに避難すべきか、どんなルートで行くべきか、もう一度確認しましょう。その時に最も大切なことは、正しい情報を精査することです。今は、テレビやラジオはもちろん、SNSを含むインターネットからも大量の情報を入手することができます。正しい情報をきちんと精査し、冷静な判断を心掛けましょう。
●避難所に持っていくものを確認
「最低限必要なもの」と「あれば良いもの」を分けて考えるようにしましょう。
避難所の多くは小中学校や公民館などが指定されており、自治体ごとに飲食料や毛布などが備蓄されています。自宅から持って行ける物が多いほど避難所で快適に過ごせるかもしれませんが、避難所のスペースは限られています。さらに、足元が悪い中での避難所への移動は危険が伴います。まずは最低限必要なものを用意してから、他の荷物を足していきましょう。
●避難する時は、ブレーカーを落として避難する
電気が復旧したときに漏電して火災が発生する恐れがあります。ブレーカーを確認してから家を出るようにしましょう。
●避難には車を使わない
災害時は消防車や救急車など緊急自動車が活動しやすいように道路を空けておく必要があります。道路上に放置された車は火災延焼の原因ともなります。特に都市部では避難する時は車ではなく歩いて避難するようにしましょう。ただし、道路が混雑しない地方の山間部など徒歩での避難が困難な地区などでは車で避難したほうが確実な場合もあります。状況に応じて柔軟な判断が必要です。
●避難所への移動は最新の注意を!
台風接近時に屋外での移動は危険が伴います。避難所へ移動することも大切ですが、少しでも危険を感じたらすぐに引き返し、家の中で過ごすことを選択しましょう。絶対に無理な行動はしないようにしてください。
●周りの方とコミュニケーションを取る
避難所には、様々な人がいます。そのことが避難所での時間のストレスの一要因となる一方、救助や避難所暮らしの際に大きな力となりえます。いざというときに助け合えるようにコミュニケーションを取りあって、助け合いましょう。
●柔軟に考える
どんなに想定した対策をしていても、想定外のことが起こります。ここに書いてあることは一例として、起きたことに柔軟に考えることが大切です。
●避難所に行けない場合 家の中の安全な場所に避難
台風19号は、12日の夕方から夜にかけて本州に上陸する予想です。
東海地方や関東地方では、夜に大雨や暴風が吹く可能性が高いです。暗く大雨の中の避難は危険です。見えないだけでなく、大雨で音も聞こえにくく、崩れている道路に気づくのが遅れたりして避難中に被災することがあります。特に災害に弱い高齢者や子供のいる家庭では天気予報を見て暗くなる前の昼や夕方に早めの避難をするようにしましょう。
避難が遅れてしまった場合は、自宅で台風が過ぎ去るのを待つことを選択しましょう。その際、家の中の安全な場所に避難することが大切です。ポイントをまとめました。
●窓から離れた場所に避難
暴風による飛来物によって、窓ガラスが割れてしまう可能性があります。窓ガラスに必ず鍵をかけ、シャッターや雨戸を閉めるようにしましょう。雨戸がない窓はカーテンを閉め、なるべく窓から離れるようにしてください。応急措置として部屋側から飛散防止フィルムや養生テープを貼ることも有効です。
●2階以上の場所に避難
大雨によって、川が氾濫したり道路が冠水したりして、家の中まで浸水する可能性があります。浸水深が浅い時でも、水の流れによっては、歩行が困難になります。家の2階以上の高い場所へ移動(垂直避難)しましょう。
●枕元には靴を用意
割れたガラスや瓦礫で室内を歩けなくなる可能性があります。もしものために、枕元には靴を用意しておきましょう。
●手元には常にスマートフォンなどを用意
災害時は何が起こるかわかりません。閉じ込められたりした時を考え、なるべくスマートフォンなどの自分の居場所を発信できるものを手に持っておきましょう。スマートフォンが無い場合は、ホイッスルや小型ライトなどで代用できます。