
<ロッテ2-0西武>◇24日◇ZOZOマリン
最下位に沈む苦しいチーム状況でも、エース左腕は決して下を向かない。ロッテ小島和哉投手(29)が7回3安打無失点の力投。チームの連敗を2で止め、自身今季6勝目を挙げた。5位西武とは8・5ゲームも離れているが「勝ちに今、貪欲ですし、別にあんまり順位とかは気にしないで、自分が投げる試合はほんとチームを勝たせると思って投げてるので、それだけに尽きるかなと思います」と力強く言い切った。
立ち上がりは不安定だった。初回は20球を要し、2回には2死満塁のピンチを背負う展開。だが、小島はベンチ裏でメンタルコーチと対話し、気持ちをリセット。「心が乱れているなと思ったので、お話を聞いてもらって。気持ちを新たに3回から臨めました」と切り替えた。3回を3者凡退。4回は2死一、二塁と走者を背負いながら三ゴロで切り抜け、西武打線を寄せつけなかった。
チームを思う気持ちは誰よりも強い。背番号14の背中は、若手の道しるべにもなっている。ファームで残留練習を行っていた際には、同じ埼玉出身の左腕・吉川に自身のルーティンや調整法を惜しみなく伝授。その吉川は21日にプロ初勝利を飾り、「小島さんが残留練習にいると、暇さえあれば見てます。僕のお手本です」と感謝を口にする。エースが見せるブレない姿勢と気迫のピッチング。苦境のチームにとって、その存在感は何よりも大きい。【星夏穂】