
新潟経営大の学長に清水、山形、新潟のFWとして活躍した元Jリーガーの杉山学氏(57)が8月1日に就任した。指導者としても同大の監督や部長などを歴任。29年間在住する新潟のスポーツ発展に注ぐ思いを明かした。【取材・構成 斎藤慎一郎】
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-新潟在住は来年で30年
「山形から当時のアルビレオ新潟に移籍したのが96年の2月。゛ここが最後のチームか゛って思いながら来ました。3季プレーして引退しました」
-その後は指導者として新潟に残った
「引退直後の99年から新潟がJ2に参戦しました。新潟の行く末を見たいという気持ちがあったんです。私が加入した当初からお客さんが多く、盛り上がっていた。J2に入ったことで、さらに火がついた。この先どうなっていくか、自分も指導者として関わっていければ、という希望がありました」
-新潟の下部組織を皮切りに、さまざまなカテゴリーで指導の経験を積んだ
「新潟の中野幸夫社長のお計らいもあって、願い通りに指導者として現場にいることができました。現在のJAPANサッカーカレッジの立ち上げ時のスタッフに加えていただいた頃、高校生以上の強化が必要だと思っていたんです。当時は大学は新潟大のみ。高校生の県外流出は当たり前で、入ってくる方は少ない。新潟の高校生が新潟で進学して全国で戦える環境があれば、と」
-それが新潟経営大での監督就任につながる
「関博之教授、当時の監督の堀井文大先生、登坂健児理事長、そしてスポーツマネジメント学科のスタッフのお誘いやご理解をいただきました。監督になって、新潟のサッカーのため、アルビレックスのため、という気持ちでやっていましたね。今もそこは変わっていないです」
-新潟のサッカー、スポーツについて感じることは
「アルビレックスを中心にサッカー、バスケットボールなどプロがあることは大きいです。学生たちにとって身近に刺激になる存在がある。実際、うちのOBではサッカーの東口順昭(J1G大阪)、バスケの今村佳太(B1名古屋D)が日本代表入りしました。選手だけではなく、スポーツに関わるジャンルに進む学生も増えました。アルビレックス関連以外でも、可能性のあるスポーツは県内にたくさんあります」
-新潟で、という気持ちは変わらず強い
「静岡出身ですが、住んでいるのは新潟がいちばん長い。他県の人間が長くいさせてもらって、いい思いをさせていただいた。もう60歳も近いですし、本気で恩返しをさせていただこうと。これからも感謝の気持ちを込めて取り組んでいきたいです」(おわり)
◆杉山学(すぎやま・まなぶ)1968年(昭43)7月24日生まれ、静岡県出身。静岡北高から国士舘大に進み、91年に清水に入団。その後、NEC山形(現J2山形)を経て96年にJ1新潟の前身アルビレオ新潟に移籍。98年のシーズンを最後に引退。99年から新潟の下部組織、02年からはJAPANサッカーカレッジで指導に当たり、03年に新潟経営大の監督に就任。20年に部長。大学の教え子にはG大阪のGK東口順昭、広島のDF新井直人、J2冨山のDF濱託巳らがいる。専門は体育学。15年から経営情報学部スポーツマネジメント学科教授、23年5月に副学長、25年8月1日に学長に就任した。