
<日本ハム1-0ソフトバンク>◇24日◇エスコンフィールド
ソフトバンクのリバン・モイネロ投手(29)が気迫むき出しの快投劇を演じた。両チーム無得点の8回2死一塁。フルカウントからの6球目だ。4番レイエスへ真ん中高め149キロ直球を投げ込み、バットの空を切らせた。126球目も、球威は衰え知らず。最後は力勝負でねじ伏せ、マウンド上ではめずらしく雄たけびを上げた。
「大事な試合でいい投球ができた。感情も出ていたと思います」
優勝争いを占う「真夏の天王山」3戦目。チームは連敗中で、自然と気持ちも高ぶった。4四球は今季ワーストタイも、きっちり要所を締めた。8回5安打無失点、6奪三振。「なるべく点を取られない意識で投げている」。デーゲームでの先発登板はここまで全4試合、計31イニング連続無失点中の無双ぶりだ。
相手エース伊藤とは5度目のマッチアップだった。「いい試合になると思っていた。終盤にかけて、いい投手戦だった」。2回には1死満塁のピンチを背負うも、8番田宮を二ゴロ併殺に打ち取った。7回は2死一、二塁から代打松本剛を中飛。落差の大きいカーブ、チェンジアップで緩急もつけながらホームを踏ませなかった。両投手とも終盤まで0行進を続け、エース対決にふさわしい投げ合いだった。
打線の援護に恵まれず、自己最多タイの11勝目は2試合連続でお預けも、2年連続の規定投球回に到達。さらに、29イニング連続で無失点中と防御率1・07は両リーグトップだ。リーグ連覇へ、完全無欠の左腕の存在はあまりにも大きい。